シリコン(シリコーン)は悪者なの…?
皆さんこんにちは!いろはねです!
もうあっという間に4月も後半となりましたね…!
さて、皆さんは「シリコン(シリコーン)」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
この間日焼け止めのお話をした時に、シリコンのことを思い出したのでそれを話題にしようと思い立ちました!
化粧品では「ノンシリコン」というワードをよく見かけたり、
CMで聞いたりもする「シリコン(シリコーン)」
これだけノンシリコン、ノンシリコンと謳われていると、
逆にシリコンが入っている化粧品は、あまりお肌に良くないのかな…?
というイメージがついてしまいがちです…
そんな誤解されやすいシリコンの、本当の力を今回はまとめていきたいと思います!
まず初めに…
〇シリコン(シリコーン)とは?〇
シロキサン結合(Si-O-Si)を骨格に持つ素材のことを指します!
ちなみに、シリコン(シリコーン)と書いたのには意味があります。
それは、シリコンとシリコーンが少し違うものだからです!
シリコン・・・ケイ素(Si)のことを指します
シリコーン・・・ケイ素(Si)をもとに作り出された化合物で、
シリコン(Si)と酸素(O)を反応させてポリマー状にたくさん繋がったもの
を指します!
ということは、シリコーンって化学合成成分だよね…それってどうなんだろう…?
なんて思う方もいらっしゃるかもしれません…!
確かに、シリコーンは化学的に合成されているので、その点であまり良い印象を持たれないというのも事実…
しかし!
シリコーンの素であるケイ素(Si)は天然素材生まれなので、ご安心ください!
ケイ素は、自然界では酸素と結びついてケイ石(SiO2)として存在しているのだそうです!
そのケイ石を還元などの複雑な化学反応を駆使して作り出したのが「シリコーン」なのです!
(参考HP:信越シリコーン|シリコーンとは? : シリコーンは何からできているの?)
そして、化粧品用に使用されるのは「シリコーン油」が正式な呼び名となります!
〇なぜシリコーン油?〇
なぜシリコーンには油という文字がつくのでしょう?それには理由があるのです!
①水と全く相溶しない性質を持つため
②無機物が骨格なので、有機物であるオイルともなじまないから
つまり水にも油にも溶けないとても特殊な素材なので、普通の有機物系のオイルとは違うということになります!
〇シリコーンの安全性は?〇
先に答えますと…シリコーンは安全です!
なぜかというと、無機物であるケイ素(Si)が骨格となっているからです。
無機物は人体と親和しないため、安全性が非常に高いと言われています。
例として、シリコンのお話にはなりますが、
シリコンはよく豊胸手術などの医療分野にも用いられています!
つまり、体内に埋め込める程安全で、人体に影響を及ぼさないのです!
シリコーンが悪者ではないということと、その特徴的な機能がわかったところで!
今度はその活躍の場をご紹介したかったのですが…長くなってしまうので次回に持ち越します!
今回も読んでくださった皆様
ありがとうございました(^^)
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セラミド系コスメは人気?
皆さんこんにちは!いろはねです!
以前、セラミドについての記事をいくつか書きましたが、
その冒頭で、最近はセラミド配合を大きく謳うスキンケアアイテムをよく見かけるようになったとお伝えしました!
ではなぜ、セラミド系のスキンケアアイテムが増えてきているのでしょうか?
その背景を色々と調べてみたので、今回はそれについて書いていきたいと思います!
1つ目の理由:敏感肌市場の発展?
敏感肌市場は年々上昇しており、今後もさらなる成長が見込める市場と言われています!
乾燥性敏感肌向けのスキンケアシリーズ「キュレル」でおなじみ、
花王さんの調べでは、年代問わず約40%以上もの人が、自分は敏感肌だと感じている
というデータがあるそうです!
こんなに敏感肌で悩む方々がいらっしゃるのですね…
敏感肌市場が年々上昇しているということは、
敏感肌に悩む方もそれだけ増加しているということなのでしょうか?
その詳細を探るべく、「敏感肌 増加」で検索をかけてみると
こんな記事を見つけました!
敏感肌化粧品市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
このグラフは、敏感肌のために開発された化粧品・医薬部外品の出荷金額の推移をまとめたものになります!
2019年は予測になりますが、綺麗に右肩上がりですね…
年々敏感肌ケアの需要が高まっているのが見て取れます。
やはりこの市場の発展と共に、敏感肌に悩み、それを改善したいと思っている方が年々増加しているということがこの記事でわかりました…!
2つ目の理由:セラミドが敏感肌と密接に関係している?
敏感肌に共通しているのは、
「バリア機能の低下」かなと思います!
バリア機能は、外部からの異物混入や刺激などから肌を守り、肌内部のうるおいが失われてしまうのを防ぐ機能のことを指します!
皮膚の最も外側にある「角質層」と呼ばれるところには、
「細胞間脂質(油系)」や「NMF(天然保湿因子)(水系)」が存在します。
これらがお肌の水分と油分のバランスを保ってくれています!
これが乱れてしまうとバリア機能が正常に働かなくなり、うるおいが失われ、あらゆる刺激に弱いお肌になってしまうのです…
そうなると、乾燥してかゆみや赤みが出たり、皮むけしてしまったり…
様々な肌トラブルが生じやすくなります…!
〇セラミドはどこに関わってるの?〇
セラミドは細胞間脂質の中に存在しているので、
バリア機能の維持に非常に重要な存在となります!
その為、セラミドが不足してしまうと、敏感肌になってしまうというのは繋がっているのですね…
以上を踏まえると、セラミドをお肌に与えてあげることの重要性がわかります。
セラミドは、バリア機能が乱れて敏感になったお肌をケアできる成分であるのと同時に、お肌に元々ある成分である為安心感もあります。
だからこそ、敏感肌に悩む人が増えている今、その需要が高まっているのではないでしょうか?
〇まとめ〇
セラミド系スキンケアアイテムが増えてきている理由は?
①敏感肌に悩む人が年々増えているため
②敏感肌の原因は「バリア機能の低下」によるもの
③バリア機能の低下を防ぐ鍵となるのが「セラミド」
それに着目した各メーカーさんが様々な面白い機能を加えてセラミド系コスメの開発を行っているのですね!
敏感肌の方々が悩みを改善できるアイテムを私も将来開発したいな!
と思ったいろはね研究員なのでした。
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日焼け止めの復習
皆さんこんにちは!いろはねです!
4月に入り、晴れている日はとても過ごしやすい気温になってきましたね!
何なら少し暑いなと感じる日もあります…汗(地球温暖化…)
そして、現在都心部を中心に外出自粛の日々が続いておりますが…
休日ずっと家の中に引きこもっていてはさすがに体が悲鳴を上げます…
適度な運動をしなければ…!と思い、近所をお散歩すると、
じりじりと紫外線を感じました…
日焼け止めが本格的に必要な季節になりましたね!
ということで、昨年美里先生から学んだ日焼け止めについて改めて復習をしよう!
と思いましたので、今回はそれについて基本的な箇所をまとめていきたいと思います!
さて、日焼け止めに欠かせないものと言えばなんでしょう…?
答えは「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」です!
それぞれ機能は異なりますが、お肌に直接紫外線が当たらないように働いてくれています!
〇紫外線吸収剤〇
自ら紫外線を吸収する力を持った有機物成分で構成されています!
代表的なもの:メトキシケイヒ酸エチルヘキシルなど
メリット:強い紫外線遮断力があるため、SPF値を高く設定できます!
また、白浮きやキシキシ感がないため、使用感が良いとされています!
デメリット: 有機物成分は構造中に官能基を持つため、反応性が高いです。
それが刺激となることもあり、皮膚トラブル(アレルギーなど)を引き起こすリスクがあります…!
その対策として、アクリルポリマーなどのポリマー素材で紫外線吸収剤をコーティングすることで、直接皮膚に触れることがなくなり、トラブルを軽減しています!
〇紫外線散乱剤〇
物理的に光を反射し、散乱させる力を持つ無機物成分で構成されています!
代表的なもの:酸化チタン、酸化亜鉛
メリット:無機物成分なので、紫外線吸収剤のような有機物成分とは異なり、
皮膚への刺激は少ないです!
デメリット:粉体なので、どうしても肌に付けたとき、白浮きしてしまったり、
ギシギシ感や使用後のパキパキ感が強いです…!
ということで、日焼け止めに欠かせない「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の特徴についてまとめました!
これらの機能が長時間持続できるように、ほとんどの日焼け止めには、
水にも油にも強い「シリコーン」が用いられ、汗や皮脂などで流れ落ちないような工夫がされています!
紫外線散乱剤の酸化チタンや酸化亜鉛は粉体なので、その粉自体をシリコーンでコーティングするという技術も用いられているのです!
使用感は良いのに肌への影響が強いタイプと、
肌には刺激が少ないけど使用感があまり良くないタイプ…
このように、お互いメリットデメリットを抱えている為、各メーカーさんではこの2つをバランスよく配合することで、使用する際に違和感が出ないような工夫も施しています!
〇日焼け止めでよく聞く「ノンケミカル」とは?〇
これは、紫外線吸収剤を配合していない日焼け止めのことを指します!
つまり、紫外線散乱剤が主にお肌を紫外線から守ってくれるため、
お肌への刺激は少ないです!
しかし、先ほどもお伝えした通り、紫外線散乱剤は粉特有の白浮きとギシギシ感が出てしまうため、使用感があまり良いとは言えません…!
〇「ノンケミカル」の落とし穴…!?〇
ケミカル(chemical)は、「化学的な」「化学的に合成した」という意味。
それが、無いということ…?
つまり、化学合成成分が入ってなくて、お肌に優しいのかな?
と思ってしまいますよね(汗)
しかーし!そうではありません!
紫外線散乱剤も化学合成成分になりますので、そのイメージは間違いになります!
ご注意を!
最後に、日焼け止めの話題といえば、環境問題においても、ここ数年騒がれています…!
海に行くときは必ずつける日焼け止め…
そして海水によって日焼け止めが海に流れていきます。
日焼け止め成分の中には、サンゴ礁を破壊してしまったり、
海の生き物に悪影響を与えてしまうものがあるのだそうです…
そのため海外では日焼け止め禁止法などが施行されたりと、
かなりシビアな状況…
しかし海で日焼け止めを使わないのは皮膚ガンなどのリスクもあるため欠かせないですよね(汗)
じゃあどうしたらいいの!?
そんな方のために、サンゴ礁にも安全(reef-safe)と書かれた日焼け止めの代替品があるそうです!
このように化粧品と環境も密接にかかわっているんだな!面白いな!と思ったのと、環境に優しい日焼け止めがもっと増えればよいなと思ったいろはね研究員なのでした。
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クリーンビューティー…?
皆さんこんにちは!いろはねです!
4月からまた新年度が始まりましたね!
毎年この時期は、エネルギッシュな気分になります!
近頃は暗いニュースが多いので、この空気に負けないよう、
明るい未来に向けて心機一転!
ポジティブに新年度頑張っていきたいと思います!
さて、この間私は、原料メーカーさんとの対談で「クリーンビューティー」という興味深いワードを聞いたので、それについて今回は書いていきたいと思います!
最近、超大手会社の資生堂さんから、「BAUM」という新スキンケアブランドがデビューしましたね!
こちらのすごい所は、容器に木材を使用しているところ!
家具などの製造工程で発生した小さい木材を再利用しているのだそうです!
木のぬくもりが感じられる、とても素敵な容器ですね!
さらに、レフィル商品を積極的に推奨し、一部のプラスチック容器には「バイオPET」と呼ばれる植物由来のPET(ポリエチレンテレフタレート)、いわゆるエコなプラスチックを使用していたり、ガラス容器はリサイクルガラスを使用するとのこと!
このように、環境負荷の軽減を目指した取り組みを行う、かなりエコなスキンケアブランドのようです!
しかし、なぜこんなにも環境に配慮しているのでしょうか?
実は、その背景に「クリーンビューティー」という美容業界の新たなトレンドワードがありました!
一体この「クリーンビューティー」とは何なのでしょうか!?
この言葉の定義は、まだハッキリしていないのだそうですが…
こちらのHPにとても分かりやすく解説されておりましたので、その内容を少し拝借させていただきます…!
ビューティ業界の次なるトレンド、“クリーンビューティ”って何?ポジティブなイメージの裏に潜む懸念も | WWD JAPAN.com
〇クリーンビューティーとは〇
①体に害となるような成分を含んでいない
②自然・天然の原料を用いている
③環境に配慮している
これらを満たした化粧品のことを指すそうです!
なるほど…
②自然・天然の原料は、化学合成と違って、植物特有の豊富な美容効果が期待できるのがメリットですよね!
しかし、産地や気候の違いによって、成分のバラつきが出たり、中にはアレルギー物質が含まれているケースもあり、必ずしも安全とは言い切れません。
そこで!今増えつつあるのが…
微生物発酵により製造されるタイプの原料なのだそうです!
この微生物の発酵エキスは、動物由来でも植物由来でもありません!
つまり、アレルギー物質の心配もなく、
さらには、動物愛護問題や、森林伐採問題などもクリアした原料になるのです!
微生物由来は美容業界の希望ですね!
資生堂のようにクリーンビューティーを意識したスキンケアブランドが増えてきている中で、それに合わせて原料メーカーさんからも新たな原料が開発されているのですね!
現代社会は大気汚染や電子機器の普及に伴い、アレルギー疾患を抱える人や敏感肌に悩まされる人が増えていると聞きます。
さらに、地球温暖化も年々進み、異常気象などが昔に比べ増えてきていることから、クリーンビューティーの考えを支持する人もどんどん増えていくのではないかと思いました!
今後、化粧品の容器は環境に配慮したリサイクル容器などがどんどん普及していくのでしょうか!
微生物由来の新しい原料は今後どのように変化していくのでしょうか!
未来に期待を膨らませる、いろはね研究員なのでした。
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セラミド触ってみた!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近だいぶ春らしい気候になってきましたね!
私の家の近所では、桜が満開に近いくらい咲いていました!
コロナの影響でお花見も自粛しなければならないのがとても残念ですが…
今年はお散歩がてら、桜の鑑賞をするしかなさそうですね…
では気を取り直して…
前回はセラミドについて色々とお話をさせていただきました!
しかし、知識だけではいけません!
セラミドは実際に触ってみたらどうなのか?
これをしなければ、化粧品技術者としてはまだまだです…!
ということで、実際にセラミド乳液を作ってみました!
<セラミド乳液の感触>
~いろはねの感覚~
ここからは、私の個人的な感想になってしまいますが…
最初は滑らかにスッと伸びてとても気持ち良いテクスチャーでした!
やはり乳液は、みずみずしさ&しっとり感をバランスよく持ち合わせているのが特徴的ですよね!
そして、最後お肌になじんだ時がとても面白かったです。
保湿感という観点から見れば非常にしっとり。なのですが、
率直に言うと、少しお肌の上でキシキシ、ベタベタするような…
膜を張るような感覚がありました!
これは普通の乳液ではあまり味わえないのでは…?
と新しい感覚を体験しました!
これはやはりセラミドが影響しているのか…?と思い、セラミド自体も肌に付けて確かめてみました!
やはり、乳液で感じた時と同様にキシキシ感、ベタベタ感、膜感がありました!
原料そのものに触れた為、さらにその感触は強く、あまり良い使用感とは言えませんでした…(笑)
肌に伸ばすときも重たい印象で、油性なのでみずみずしさは当然ありませんが、
サラサラな油というよりは、ワックスみたいなものを肌に付けているような感覚でした!
しかし!これが程よく乳液などに配合されることによって、特徴的なしっとり感を演出してくれるのですね!
なぜセラミドはこのような特徴的な使用感なのでしょうか?
それは美里先生曰く、セラミドが「結晶性脂質」だから、なのだそうです!
結晶性脂質は、脂肪酸の炭素数が25個以上の脂質のことを指します。
代表的なのが「コレステロール」
セラミドも構造も調べてみると…
こちらの画像は、ヒトの肌に元々いるセラミドから一つ、代表として載せています。
このギザギザの部分に炭素があるので、一目で炭素数かなり多いことがわかります…!
このように炭素数が多ければ多いほど、油性が強くなる為、蝋を肌に塗っているかのような非常に重たい質感になるということなのです!
つまり、セラミドはかなりの油性であるため、お肌に付けるとバリア機能を高めてくれるのですが、うるおい保持はあまりできないという課題があります…!
その特性をどう活かすかも技術者の腕にかかっていますね!
画像参考HP↓
このように知識から入り、実際にそれを使った化粧品を作って使用感を比較する。
一つ一つ丁寧に分析していくこのプロセスが非常に理解しやすくて、本当に大切だな、と日々感じている、いろはね研究員なのでした。
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セラミド高配合コスメ!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近ドラックストアやCM、雑誌などで、
「セラミド高配合!」と謳っている
スキンケアアイテムをよく見かけるようになりましたね!
「セラミド」というワードを聞くだけで、とても保湿力高そう…
と期待も高まりますよね!
もうすでにお使いの方、これから使いたいなと興味をお持ちの方、たくさんいらっしゃると思います!
では実際、セラミドって何者?
今回はそれについてお話していきたいと思います!
<セラミドとは?>
これは過去記事の復習になります!
お肌の最も外側にいる「角質層」
角質層に欠かせない存在である「細胞間脂質」
その細胞間脂質の約40~65%を占めているのが「セラミド」になります!
もう少し化学的なお話をすると、セラミドは「スフィンゴ(糖)脂質」という特殊な脂質の1つです!
何が特殊なのか?と言いますと…
脂質なのに、構造中に水となじみやすい「親水基」を持っているのです!
この特殊な構造があるからこそ、お肌の中の水分と油分をバランス良く保持することができます!
セラミドはお肌の保湿とバリア機能にとっても重要な成分の1つなのです!
つまり、ヒトの肌に存在する成分なので、安全性という面で、化粧品原料としても
とても注目されています!
<セラミドの種類>
化粧品原料として使われているセラミドには、いくつか種類があります!
①植物セラミド
米、トウモロコシ、大豆、こんにゃく、ユズなどの植物から抽出したセラミドです。
②動物セラミド
馬などの動物の脳や脊髄などから抽出したセラミドです。
③ヒト型セラミド
微生物由来以外は全て化学合成で作られています。
ヒト型セラミドは、ヒトの肌に存在しているセラミドと同じ構造を持つと言われています。
④合成セラミド
分子構造をセラミドに似せた成分のことです。
「疑似セラミド」とも呼ばれ、これも化学合成によって作られています。
今のところ、セラミドはこのような分類となっていますが…
セラミド原料は日々進歩しており、様々なメーカーさんの技術が組み込まれ、
新たなものが産み出されています!
その背景には、セラミド原料の課題が絡んでいるのです…
実は、セラミド高配合の化粧品は今まで作るのが難しいとされてきました。
その理由は…
先ほど説明した通り、セラミドは細胞間脂質の主成分です。
ということは脂質(油)ですね!
なので、非常に水に溶けにくいのです。
また、普通の油よりもさらに溶けにくいとも言われ、特に化粧水や美容液などの処方に配合しにくいというデメリットがありました。
このような背景もあり、その問題を打破しようと様々なセラミド原料の開発がされてきたということなのです!
・水に溶けやすくなるよう、セラミドに糖を結合させたタイプ
・独自の技術を用いて、セラミドがすでに溶かされている水溶液タイプ
など、様々なセラミド原料が生み出されています。
原料開発技術の進歩はすさまじいですね…!
しかし…独自技術などを用いても、せいぜい1%くらいしか水に溶かすことができなかったり、ホモミキサーなどの物理的なエネルギーをさらに加えないと、確実に溶かすことはいまだに難しいとされています。
こんな背景を知ると、最近見かけるセラミド高配合化粧品がいかにすごいかがわかりますね!
しかし、それも本当に高配合なのか心配なところもあります…
今市場に出ているセラミド高配合化粧品をさらに超える、確実な高配合化粧品の開発を…
と夢が膨らみます!
それを開発したら真っ先に使いたい…!と思ったいろはね研究員なのでした。
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アルコールハンドジェルを作りたい!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近世界中で話題が絶えないコロナウイルス…
感染者の方が増えていくニュースを見ると心が痛みます…
一刻も早く終息することを願うばかりです…
感染を拡大させないためにも個人で体調管理、徹底しなければなりませんね!!
皆様もどうかお体には気をつけてお過ごしください…。
さて、この騒動でユーザーさんが入手困難になっているアイテムの一つが
「アルコール除菌系のアイテム」ですね…!
ウイルスも殺してくれるということで、喉から手が出る程欲しい方も多いはず…!
化粧品OEM会社として、除菌アイテムを必要としている方やお困りの方の力になりたい…!という一心で、アルコールハンドジェルを作ろう!というお話になりました。
初めての試みなので、ゴールへ向かうにはまず、基礎実験が必要ですね!
そういえば…ジェルと言えば…?
前回カルボマーの基礎実験をしたばかりでした!
前回の記事では、3種類の中和剤を用いてカルボマーのジェルを作成し、それぞれの粘度や質感などを比較しました。
今回はこれをさらに応用しまして…
”透明なジェルのまま、アルコールを何%まで配合することができるのか?”
基礎実験で作成した3種類のカルボマージェルを用いて、それぞれ検証してみました!
〇実験内容〇
目標:アルコール配合濃度60%以上の透明なジェルを目指しました!
実験方法:それぞれ量りこみした3種類のジェルを撹拌機にかけながら、10gずつアルコールを加えていき、その様子を観察しました!
〇結果〇
①アルギニン
アルギニンのジェル40gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度約43%で完全に白く濁り、白い粒子のようなものを確認しました。
②水酸化Na
水酸化Naのジェル30gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました。
③水酸化K
水酸化Kのジェル40gに対し、アルコール40g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました。
しばらく放置していたら、濁りが取れて半透明にまで変化していたので、さらにアルコールを10g加えてみましたが、やはり白く濁ってしまいました…!悔しい!
※この写真だと、アルギニンがアルコール添加から少し時間が経過していた為、すでに白さが少し抜けています。アルコール添加直後は白く濁っていました!
(上部の写真参照)
全体を通して、アルコール濃度60%以上の目標に到達することはできませんでした…!
3種類の中和剤を用いたカルボマージェルでは、アルコール濃度が40~50%以上に差し掛かると透明感を保てなくなり、白く濁ってしまうことがこの実験で分かりました。
アルコール添加時は、少しずつ入れる度に白く濁り、しっかり分散されるとまた透明に戻る現象を繰り返し、それが限界に達すると白く濁ったまま戻らなくなるという傾向が見られました。
また、静置しておくと白さが抜けて透明感が戻るという現象も見られたので、試しに2日後の様子も見てみました!
2日経過するとかなり白さが抜けていますね!
しかし…完全に透明ではなかったことと、粘度がサラサラでジェルとは言えない状態だったので、この3種類の中和剤ではアルコールハンドジェルを作るのが難しいのだということも分かりました!
また、アルコールの殺菌効果は、40%あたりから現れ、70%で最大の効果を示すと言われています。
つまり、今回の結果は一応殺菌効果を示すことができるアルコール濃度に達していましたが、最低ラインなので、確実とは言えません。
市販のアルコール除菌ジェルの中和剤としてよく用いられるのは「トリエタノールアミン」と呼ばれる成分です。
アルギニンや水酸化Na、水酸化Kが中和剤としてあまり使われていないのは、アルコールを多く抱え込むことが難しいからである!ということを今回の基礎実験で知ることができました!
こうして基礎実験から多くのことを知ることができ、とても良い経験をさせていただいております!
カルボマーの中和剤も、どのようなアイテムを作るかによって変わってくるのですね…
うーん!奥深い!
また経験値が増えたいろはね研究員なのでした。
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください!↓
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