新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

化粧品と微生物①

 

皆さんこんにちは!

8月ももう半ばに入り、皆さんはお盆休み中でしょうか?

本来ならば旅行や花火大会など楽しい予定がたくさんつまっている時期ですが、

中々厳しい状況が続いていますね…

今年はいろんな意味で新しい夏になりそうです!

ウイルスや暑さに負けず、夏を楽しみましょうね!

 

さて、ここまで化粧品の品質管理について記事を書き続けてきました!

今回もそれに沿った内容となります!

まずは題名にもあるように、微生物のお話からいきましょう!

微生物は、私たちの生活にとって非常に良い影響を与える存在でもあり、

とんでもない問題を引き起こしてしまう存在でもありますよね…!

皆さんは微生物と聞くとどんなイメージをお持ちになるでしょうか?

〇良いイメージ〇

・食品

お酒、味噌、醤油、パン、チーズ、乳酸飲料などなど、他にも色々あると思いますが、これら全てに共通するのは「微生物の発酵」です!

・肌フローラ

お肌の健康を維持するために常在している細菌のことです!

この常在細菌のバランスを保つことが美肌の秘訣と言われています!

お肌を常に弱酸性に保つことによって、その常在細菌が暮らしやすい環境になり、バランスを保つことができると言われています!

これだけではなく他にも微生物はたくさん良いことをしてくれています!

〇悪いイメージ〇

・疫病

・食中毒

などなど…目に見えない非常に小さな生物なので、私たちに害を与える存在となると簡単には太刀打ちできません。

現に今もコロナウイルスという新たな脅威と戦っていますからね。

とても恐ろしいです…

 

ということで良い影響と悪い影響、どちらにもなりうる微生物ですが、

化粧品にとっての微生物はどんな存在になるのでしょうか?

〇良いイメージ〇

・肌にも環境にも優しい、微生物の発酵生産素材を用いた化粧品原料

・肌フローラを整える化粧品原料やアイテム  など

〇悪いイメージ〇

商品の腐敗による品質劣化と肌トラブル  など

ほとんどの化粧品には微生物が生きていくのに欠かせない水が配合されているため、

何も対策をしなければ菌が増えたり、カビが生え、腐敗していきます。

腐敗してしまうと異臭や変色、異物の発生など様々な品質劣化を生じさせたり、気づかず使用してしまえば大きな肌トラブルにつながります!

そうならないためにも化粧品には防腐剤が配合されているのですね!

しかし、ただ配合すれば化粧品は安全!と思ってはいけません!

重要なのは、

化粧品の使用中に微生物が混入した場合、それらが増殖しないかどうか?

⇒日常生活のいたるところに微生物は存在しているため、化粧品を使用すればそれらが中に混入することは当たり前にあるのです!

例えば、お風呂場でシャンプーの詰め替えをしたときに水滴が入ったら、それにも微生物が無数に存在しているので、汚染の原因となります。

ちなみに、残りが少なくなってきたからといって蛇口から出た水で薄める…

なんてしてる方…あまりいないと信じたいですが、あえて菌を入れてしまっていることになるのでよくないですよ…ボソボソ…

ということで、もし防腐剤が配合されていなかったら、混入した微生物はシャンプーに含まれる水や成分を栄養にしてどんどん増殖してしまいます。

防腐剤が配合されていれば、混入した微生物はそれによって死滅するか静菌することになります。

配合した防腐剤は、長期間効果を発揮し続けることができるのか?

⇒以前の記事でも書いたように、化粧品は3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています。

つまり最低でも3年以上は防腐剤も効果を発揮し続ける必要があるということです!

これらを確認することが非常に重要なのですね!

そして、この試験のことを「防腐効力試験」と呼びます!

 

<防腐効力試験>

防腐効力試験は、日本薬局方における医薬品のための試験方法

また、海外の薬局方海外の化粧品工業会によるガイドラインなどを参考にして行われています!

〇試験方法〇

指定された種類の微生物を一定量の化粧品に添加し、その微生物が、配合した防腐剤によって指定された期間内に死滅、静菌したかどうかを確認します。

指定の微生物は、過去に汚染された化粧品から検出された頻度や、肌トラブルや健康被害をもたらした例を考慮して選択されます。

それ以外に各メーカーでは、自社製品から出た微生物を追加し、試験する場合もあります!

 

続いて指定の微生物はどのようなものがあるのかを書いていきたかったのですが、長くなりそうなので、次回にします!

化粧品に防腐剤は微量しか添加されませんが、それだけの量で混入してきた無数の微生物と戦い、安定性と安全性を維持してくれています!

最近は防腐剤フリーという言葉が当たり前のようにあり、

ユーザーさんにあまり良いイメージを持たれませんが、

そんな防腐剤も化粧品にとっては重要な存在なのだなということが分かります!

しかし、防腐剤は刺激になるものもあり、配合しないに越したことはないので、

防腐剤フリー処方には化粧品の技術力が問われると思います! 

 

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化粧品の品質管理③

 

皆さんこんにちは!

とうとう8月に入りましたね!

梅雨がやっと明け…青空と入道雲コントラストがとても綺麗な毎日ですね!

夏らしい空を久々に拝むことができるようになってとても気持ちが良いです!

日焼けをより一層気を付けなければいけませんね…!(笑)

 

さて!今回も化粧品の品質管理について書いていきたいと思います!

前回は加速試験について色々と書かせていただきました!

前回最後の方にも書きましたが、これら化粧品の品質試験は各メーカーさんによって非常に様々な試験方法が確立されていて、前回の内容が全てではありません!

化粧品は日々進歩していて、非常に様々なタイプのアイテムが誕生していますよね!

今までにない新しい化粧品を開発するとなれば、昔から取り入れている試験方法だけでは品質維持の条件を満たすことができない場合も出てくると思います。

そのような場合にも臨機応変に対応し、新しい試験方法を試行錯誤し、

対象の化粧品に合わせた試験方法を取り入れていく必要があるのですね!

 

そんなこんなで私はこの間、加速試験の一環で面白いことをしました!

皆さんチューブタイプの化粧品って一つはお持ちだと思うのですが…

チューブといえば洗顔やクレンジング、クリームなどなど…

皆さんもちろん手の力で中身を押し出して使用していることと思います!

毎回当たり前にやっているこの動作…これを侮ってはいけません!

同じ動作とはいえ、その時の力加減や中身を押し出す位置、回数は使う人によって絶妙に異なります。

この独特な衝撃を何度も与えられた先にはどんな現象が待ち構えているのでしょうか…?

それを予測した品質試験を考えて実践する必要があるのですね!

ではこの独特な衝撃をどのようにして再現するか…

ここがメーカーさんによって異なるポイントだと思います!

大手のメーカーさんであれば、それに特化した特注の機械をお持ちなのでしょう!

しかし残念ながら私たちの手元にそのような高価で高度なものはありませんので…

その場にある機械を活用して、自作で試験してみれば良いのだ!

…となるわけです!

ということで作りました!ほとんど美里先生が作ってくれたのですが(笑)

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自作試験機

どどん!見た目はさておき…(笑)

写真の右側にあるのが実験でよく使用されるシェイカーですね!

これに検体のチューブを貼り付けて固定し、隣に障害物となるものを設置しました!

後はシェイカーの動きで障害物にチューブを押し当てて、中身に衝撃を与えていくという作戦です!

これを室温で6~8時間くらい継続させて、中身の品質が劣化するのかどうかを検証しました!

身近なものをこうして活用する。こういう実験ってとても大切だなと感じました!

うまく再現できるかどうかは結果次第ですし、何事も挑戦してみないとわかりませんし!

挑戦してみて、求めている結果が出なかったとても、代わりに何か新しいものを発見できるかもしれませんし、挑戦することは可能性を広げることに繋がるなと思いました!

単純に見えるかもしれないこの機械も、あーでもないこーでもないと試行錯誤していた時は、発明品が生み出されていくようでとてもワクワクしました(笑)

 

ちなみに自作試験機での結果は、最初と変わらず中身は正常な状態のままでした!

人の手の衝撃を再現できていた!とははっきり言えませんが、少なくとも機械による衝撃には耐えられるということがわかりました!

(もっと長い期間実施したらまた異なる結果が出るかもしれませんね!)

 

静置状態では安定していた検体でも、チューブで押し出すような衝撃を与え続けることによってはじめて分離や粘度低下などの品質劣化が起きてしまうケースがあります。

このようなリスクを予測して、様々な試験方法を実施していくことが品質管理においてとても重要なのだなということも知ることができたいろはね研究員なのでした。

 

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化粧品の品質管理②

 

皆さんこんにちは!

近所ではやっとセミ達が賑やかに鳴き始め、おっ!夏本番きたか!と思いきや…

関東の梅雨明けが8月になるかもしれないというニュースを見て驚愕しております…

じっとりジメジメな毎日が続いていて気分は落ち込みがちですが、

この時期一つだけ良いことと言えば、お肌が乾燥しにくいところですかね(笑)

クーラーの効いた部屋では油断大敵ですが…!

 

さて前回に引き続き、化粧品の品質管理についてお話していきたいと思います!

今回は安定性試験の中から一つ、「加速試験」について、一体どのような試験があるのかをまとめていきたいと思います!

 

<安定性試験>

前回の復習も含めて…

化粧品の安定性は3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています!

しかし、3年以上も試験を行い続けるのは時間やコスト的に厳しいため、

対象の検体を様々な悪環境に投じ、その品質状態を加速させることで3年以上の品質維持ができるかどうかを予測しています!

この試験を一般的に「加速試験」と呼びます!

①環境加速試験(促進試験)

これはGMP基準においてガイドラインが定められています!

試験方法は、

温度40℃

湿度75%RH(±5%)

期間6か月

の環境下に検体を保管することを基準としています!

これに則り、対象の検体が3年以上の品質維持をできるのかどうかを経過観察していきます!

私の場合は、試作品を作った日から、まずは1週間後、1か月後、3か月後…という流れで検体がどのように変化していくのかをデータ化し、細かくチェックしています!

しかし最近では、この6か月という試験期間は長く、メーカーさんによってはさらに過酷な条件を自社基準として設定し、45℃で1か月50℃で3か月といった、

もう少し短いスパンで試験を行うところもあるようです!

その理由としては、化粧品の製造&販売許可の届け出が関わっています!

今まで化粧品の製造&販売許可は認可制だったので、許可が下りるまではある程度時間がありました。

なので、6か月という期間でしっかりと試験を行うことができました。

これが2000年以降に届出制へと変更され、特に問題がなければ届出をした翌日には化粧品の製造&販売が可能になるという制度になりました!

化粧品の販売名を地方自治体の薬務課に届け出れば、翌日からすぐに製造&販売ができるというシステムです!

つまり、昔に比べスピーディーに化粧品の製造&販売が行えるようになったため、

6か月という試験期間を設けることが厳しくなり、さらに過酷な条件を自社で設定し、短い期間で試験を行うメーカーさんが増えているということなのですね!

 

②エマルジョン安定性加速試験

この試験には遠心分離機を用います!

エマルジョンと言えば、乳液やクリームが代表的ですよね!

油と水の相反する物質同士を界面活性剤を用いて乳化することで、エマルジョンが形成されます。

この乳化状態が不十分だと、エマルジョンの粒子が粗い状態となり、時間とともに油と水が分離していってしまうのです!

また、メイク用品などでは液中に粉体成分が分散されているリキッドファンデーションのようなアイテムも粉体成分が沈殿するリスクがあります

分離や沈殿などの現象は、比重の違いによって時間の経過と共に起こります!

エマルジョン安定性加速試験は、遠心分離機を用いることで、その時間を一気に短縮し、強制的にこれらの現象を引き起こす試験なのです!

これによって、分離や沈殿が生じなければ、検体はかなり安定的な状態であるということになります!

 

③過酷試験 

この試験は、検体が様々な悪環境に耐えることができるかを見る試験になります!

どのような悪環境に投じるかというと…

・氷結試験 

水が氷る温度の0℃以下を基準として、-5℃辺りで検体を保管します!

化粧品が寒冷地などで低温下に置かれ、その後室温に戻したときに元の正常な品質を保つことができるかどうかを確認する試験になります。

しかし、このような過酷な状況下に長期間保管されるケースはあまりないため、数日~1か月程度までの短い試験期間となっています!

・低温耐性試験 

この試験は冬場の一般家庭の室温を想定し、5℃程度を基準に6か月間試験が行われます!

・悪環境耐性試験

こちらは、低温5℃と高温40℃を断続的に10サイクル程繰り返して試験を行います

この試験はサイクルテストとも呼ばれ、化粧品の流通では低温と高温にさらされることもあるので、その温度差に耐えることができるかを見る試験になります!

・紫外線暴露試験

直射日光はもちろん、蛍光灯の光からも微弱な紫外線が出ています!

それらに化粧品がさらされても、品質の劣化が起きないか確認する必要があります!

この試験では、自然の太陽光やUV灯などに10日間程化粧品を置き、品質に変化がないかを判断しています!

容器のお話をすると、よく茶色いガラス瓶の容器に入れられている化粧品がありますよね!あれは容器自体が紫外線遮蔽できるタイプになるので、それで中身を紫外線から守っているのですね!

・振動耐性試験

化粧品の流通では、輸送中の振動などによって品質に影響が出ることがあります。

これを予測するために、特別な振動機を用いて、検体に断続的に振動を与え、品質の劣化が起きるかどうかを試験します

 

加速試験だけでもこんなにあるんですよね…!

ここにまとめただけではなく、各メーカーさんは過去のデータを元に、

独自の試験方法を交えて様々な対策をされていると思います!

普段皆さんが使用している化粧品も、これらの試験を乗り越えてきた精鋭部隊ということになるのですね!

化粧品がさらされる様々な環境リスクを想定するからこそ、これだけの試験数があるのだなと感心するいろはね研究員なのでした。

続きはまた次回に!

 

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化粧品の品質管理①

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

なんだか夏らしさを感じない雨模様が続いていますね…!

いつもこの時期ならクーラーの効いた部屋で涼しく過ごしているはずなのですが、

今の私はというと、Tシャツの上に長そでの上着を羽織らないと肌寒いという状況で(笑)

あの暑さが毎日続くよりは良いけど、太陽は拝みたいなという

わがままな気持ちで日々を過ごしております(笑)

気温差が激しい今日この頃なので、皆様どうか体調を崩されませんように!

さて今回は、題名にも書きました通り、化粧品の品質管理についてまとめていきたいと思います!

また、その一環で少し面白いこともしたので、それは後半に!

それでは行きましょう!

 

〇品質管理とは?〇

品質管理は、化粧品だけではなく、食品や家電、自動車部品、機械部品、化学製品、医薬品など様々な分野で欠かせない存在です!

品質管理の主な仕事内容は業種によって非常に様々なのですが…

一般的には製造現場での不良品などを出さないための管理を行うお仕事です!

万が一不良品が出てしまった場合にはその原因を探り、対策を練ることも品質管理のお仕事になります!

近年ではISO(International Organization for Standardization国際標準化機構)の規格に沿って品質管理が行われることが増えています。

このISOが制定した規格をISO規格と呼びます!

ISO規格は国際的な取引をスムーズにするために、何らかの製品やサービスに関して、「世界中で同じ品質、同じレベルのものを提供できるようにしましょう」という国際的な基準なのだそうです!

ISOの基礎知識 | ISO認証 | 日本品質保証機構(JQA)より

このことから品質管理は、安全で完璧な製品を流通させるために非常に重要な存在であるということが分かります!

 

〇化粧品の品質管理〇

化粧品はただ作ることだけが仕事ではありません。

ユーザーの皆様が安心して化粧品を使用することができるように、完璧で確かな品質の製品を流通させるためにも、化粧品の品質管理は絶対的存在です!

化粧品を使用して皮膚トラブルや健康被害が生じないよう、各メーカーで非常に様々な品質試験が行われています

また、化粧品製造現場においてはGMP基準が設けられ、それに従って毎日化粧品が製造されています!

 

〇GMP基準とは?〇

GMPは「Good Manufacturing Practice」の略で「適正製造規範」という意味になります。

中でも「化粧品GMP」という規格が存在し、これは日本化粧品工業連合会の自主基準で、国際規格のISO22716に則っています!

そのため多くの化粧品製造業者は、自社の化粧品GMPガイドラインとして、

このISO22716を採用しています! 

これを採用することにより、国外輸出などへのメリットがあります!

<化粧品GMPの適用製品>

化粧品、医薬部外品、口中清涼剤、殺菌剤、殺鼠剤、衛星用綿類が挙げられます。

<化粧品GMPの適用範囲>

生産、管理、保管、出荷で、研究開発や最終製品の物流などは適用外です。

化粧品GMPとは何か~基礎知識から取得方法まで詳しく解説~ - 株式会社OEMより

 

〇化粧品の品質試験〇

化粧品の品質試験は大きく二つに分けられます!

それは「安定性試験」と「品質検査」です!

これらは私たち研究開発も大きく関わる非常に重要な項目になります!

<安定性試験>

化粧品の安定性は、3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています!

そのため私たち研究開発も、製品が商品化される前に、3年以上の品質維持ができるかどうか、商品開発の段階で様々な試験を行っています!

ただ、3年以上も試験を行い続けるのは時間やコスト的にも厳しいため、

対象の検体を様々な悪環境に投じ、その品質状態を加速させることで3年以上の品質維持ができるかどうかを予測しています!

これを一般的に「加速試験」と呼びます!

<品質検査>

品質維持の予測をする安定性試験の一環で、その検体が安定しているかどうかを検査するのが品質検査になります!

完璧な化粧品を完成させるためには、中身に始まり、梱包資材や容器、表示印刷など外身に至るまで、あらゆる検査を行う必要があります!

 

安定性試験や品質検査については非常に様々な試験&検査方法があるため、それらをまとめるのは次回にしようと思います!

最初にお伝えした面白いことも次回に持ち越しますね!

今回も最後までお読みくださりありがとうございます!

 

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地球環境と化粧品②

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

今回も前回に引き続き、サステイナブルについてまとめていきたいと思います!

ここで一つ、

前回の内容で、「サステイナブル」の言葉をサスティナブルやサステナブルなどと間違って記載してしまっていました…汗

サスティナブルは和製英語らしいので、正しいのは「サステイナブル」なんだそうです!

今回のブログではきちんと間違いのないように統一して書いていきます!

それにしても…英語が得意になりたい今日この頃です…(笑)

 

今回サステイナブルについて調べた中でも、化粧品業界は環境に対する活動がさかんなように感じたので、環境について、化粧品業界は主にどうような活動を行っているのでしょうか?それについてまとめていきたいと思います!

 

〇紙ショッパー廃止〇

日本では百貨店やショッピングモールなどでお買い物をすると必ずもらうもの…それは商品を入れる紙袋!ショッパーですね!

また、お菓子を買う時などは包装紙に包んでくれたりと、日本ならではのとても丁寧な包装。

たしかに見てくれはとても良いですが、よく考えると環境にとっては負荷のかかる行為なのかもしれませんね…

そこで!百貨店などにお店を構える一部ブランドが紙ショッパー廃止の取り組みを行っているとのこと!

具体的な内容としては…

初回購入時に会員登録をするとエコバッグをプレゼントしてくれる

再生コットン使用のエコバッグを有償で販売

○○円以上のお買い上げでエコバッグをプレゼントし、それを次回から持参してお買い物をするとエコポイントをつけてくれる

などなどお得なサービスも!

お買い物をするたび紙ショッパーの使用削減に貢献できるだけではなく、貰ったエコバッグは他のお買い物にもそのまま使用できますし、なにより好きなブランドのロゴが入ったエコバッグを使えるなんて、それだけでテンションも上がりますよね!

 

〇レフィルタイプの化粧品〇

レフィルタイプのスキンケア商品がどんどん取り入れられている中、個人的に気になったのが、口紅です!

最近は口紅でレフィルタイプのものが増えてきているそうなのです!

使い切ったら捨ててしまっていたケースを減らすことができるので、プラスチックごみの削減につながりますね!

口紅は美しさの演出に欠かせないマストアイテム。

お気に入りのものに出会えたらずっと使っていきたいものですよね!

レフィルタイプの口紅はそんな願いを叶えてくれる素敵な容器になっていました!

例えば、La Bouche Rouge(ラ ブーシュ ルージュ)というパリ発生のブランドでは、口紅の容器に最高級革なめし職人の手によって作られた特別なレザーを使用しているそうです!本革って使い込むほど味が出ますよね!

これなら何代にもわたり愛用することができます!

また、革といってもレザーバッグ制作の際に出る切れ端を用いているとのことなので、ここにもサステイナブルな取り組みが取り入れられていました!

他にも容器にデニム素材が取り付けられていたり、リサイクル可能なアルミニウムを使用した容器などサステイナブルを取り入れた環境に優しいアイテムがたくさんありました!

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La Bouche Rouge(ラ ブーシュ ルージュ)

 〇プラスチックゴミの削減〇

今や世界中で捨てられているシャンプーやコンディショナーなどのプラスチック容器は年間で約800億本という驚愕の数字…

そして、海に流れつくプラスチックゴミは年間800万トンなのだそうです…

規模が大きすぎてうまく想像ができませんが、とにかく美しい海を守るためにもこれらの問題解決は必須ですね…!

そこで!シャンプーも固形タイプにすることで、プラスチックゴミ撤廃を目指す取り組みがなされています!

固形タイプにすれば出るゴミは包装紙のみになりますので、プラスチック容器よりも明らかにエコであると思いました!

他にも再生可能なバイオプラスチックや、リサイクルしやすいアルミ包装の採用リサイクルガラスなどを使用することで不要なゴミを減らす取り組みが積極的にされています!

以前固形石鹸とボディソープについて記事を書きましたが、環境のことを第一に考えるのであれば、ボディソープよりも固形石鹸の方が良いのかな?とも考えたり…

それにしても固形シャンプー…私は今まで使ったことがなく、処方と使用感がとっても気になるのでこれからコスメキッチンへダッシュで行って探してきます!

 

サステイナブルコスメアワード…?〇

サステイナブルについて調べているとこのワードに行きつきました!

2019年度に初めて実施されたそうで、サステイナブルの理念を、ものづくりのポイントに取り入れたコスメを表彰する取り組みだそうです!

毎年上半期と下半期で盛り上がるベストコスメアワードと同じく、今後はサステイナブルコスメアワードもにぎわっていきそうな予感です!

 

サステイナブルについて色々と調べていて、地球環境だけでも様々な課題があり、それに対する化粧品業界の主な取り組みも非常にバリエーションが豊富に感じました!

個人個人の美しさはもちろん、私たちが暮らす地球を化粧品で美しく変えていける!

そんな夢のあるサステイナブルな取り組みって素敵だなと思いました!

調べている中で、気になるアイテムをたくさん見つけたので、しばらくコスメキッチンにお世話になりそうないろはね研究員なのでした。

 

〇参考HP〇

・2020年はサステイナブルな化粧品とともに。地球と一緒に、きれいになる - ビューティトピックス | SPUR

・コスメキッチンに聞く、 サステナブルなビューティのこと | Numero TOKYO

・肌も地球も美しく!「サステナブルな美容」を叶える3つの新習慣 | TRILL【トリル】

人も自然も動物も、美しく共存する未来へ――コスメ業界のサステナブルな取り組み|ハーパーズ バザー(Harper's BAZAAR)公式

 

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地球環境と化粧品①

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

今年の夏も湿気があって暑いですね…日中外出すると溶けそうです…

さて、7月に入りコンビニなどではビニール袋が有料化されるなど、環境に配慮した取り組みが新たに始動しましたね!

全国のコンビニでビニール袋の取り扱いが減ったら、どれだけ環境への負担が減るのかな…?とふと疑問に。

ちなみに環境省の試算によると、国内で出るプラスチックごみの内、レジ袋は年間2~3%程度なのだそうです!

うーん。こう見ると影響力は小さいように感じますが、このような取り組みを全国的に行うことで、地球環境への意識や配慮が変わるのかもしれませんね!

コンビニの袋ってちょっとした時使うのにとても便利だったので、有料化についてはほんの少し複雑な気持ちですが…(笑)

このような取り組みを見て、私も地球環境について考えさせられました!

そしてふと思い出したのが、ここ数年話題の「サステナビリティ」という言葉。

これからこのような取り組みがどんどん増えていくのではないかと思い、お勉強のために色々調べました!

今回はそれについて少し簡単にまとめていきたいと思います!

 

今やファッション業界や飲食業界など様々な業界で取り入れられてきているのが「サステナビリティ」な取り組み。

化粧品業界では具体的にどのような活動が行われているのでしょうか?

まずは…

サステナビリティって何?〇

サステナビリティ(sustainability)は、直訳すると「持続可能性」。

将来にわたり、地球規模で経済的・社会的発展と環境の保全を両立させ、安全で快適な生活を実現していくことを「サステナブル・ディヴェロップメント(持続可能な発展)」とし、

その考え方こそが「サステナビリティとされています!

 

サステナビリティな考え方は、①環境、②社会、③経済の3つに分けられるそうです!

①環境

温室効果ガスや森林伐採、海洋汚染、生物多様性などの既存の自然環境を保護する取り組みが主となっています。

②社会

ジェンダー、教育、難民、健康など…今は人種差別等の問題も主な課題なのかもしれません。

③経済

貧困、フェアトレード、労働環境、社会保障などの課題があるそうです。

こうして見ると、化粧品ってサスティナビリティにとってとても重要な存在なのかも…と感じました!

その理由として化粧品の定義を挙げますと…

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚もしくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものを言う

これに上記3つのサステナビリティなテーマが集約されているように感じたのです!

化粧品は人々の外見の美しさや健康を維持し、それを求めて経済が回り、社会の質が向上する…さらにそれを環境に配慮した形で提供することで、豊かな社会を持続させることができる…ということでしょうか?

 

ここからは、サステナビリティのテーマ、①環境に焦点を当てていきたい!

と思ったのですが長くなりそうなので、続きは次回にします!

 

今回サスティナビリティについて調べ、自分のいる業界が社会にとってどのような貢献ができているのか?どれだけ大きな存在なのか?そんな部分に触れることができました!

今は世界中がコロナウイルスのみならず様々な問題を抱えていますよね…

こんな暗い世の中をぶち壊して、化粧品で明るい未来を作っていきたいですね!

 

〇参考HP〇

https://www.jcia.org/user/common/download/approach/sustainability/20150819_JCIA_SustainabilityGuide.pdf 

日本化粧品工業連合会 サスティナビリティ指針:2015年8月19日発行 より)

サステナビリティの意味とは?事例から見る企業の取り組みと経営におけるメリット | あしたの人事オンライン

 

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マニキュアと医薬品の共通点…?

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

とうとう7月突入ですね!

ようこそ!夏!

私は夏の暑さがとても苦手なので、毎年インドアになりがちなのですが…(笑)

真っ青な空に大きな入道雲…蝉の鳴き声…風鈴の音…蚊取り線香の香り…

夏らしい景色や音、匂いはとても大好きです!

 

さて、題名にある「マニキュアと医薬品」…

一体どういう意味?と思われた方、多いと思います!

なぜ、マニキュアと医薬品を掛けたのでしょう?

今回はそれについてお話をしていきたいと思います!

 

マニキュアは、爪を美しくコーティングする、おしゃれアイテムとして、

女性の皆様は一度でも使用したことがあるのではないでしょうか!

100均やドラックストアなどでも手軽に入手することができ、

カラーバリエーションがとっても豊富で、

ネイルサロンなどに行かずとも、自分好みのデザインを爪に施すことができるので、

幅広い世代の女性に親しみのあるアイテムなのではないでしょうか?

実際私も美容部員時代、爪先まで美しく見せることもお仕事だったので、

週一単位で爪を整え、ネイルも変えて、様々なデザインに挑戦していました!

自分の力で綺麗に塗れた時はとても興奮しました(笑)

そんなマニキュアですが、実はある医薬品と設計がとても似ているらしいのです!

その医薬品とは…?

 

小林製薬さんでおなじみの、「サカムケア(第3類医薬品)」です!

サカムケアは、いわゆる「液体ばんそうこう」ですね!

手指のひびやあかぎれ、さかむけ、切り傷などをコーティングし、

ばい菌の侵入を防いだり、水に濡れても傷がしみないアイテムです!

水仕事をされている方々の救世主!なのではないでしょうか!

 

マニキュアとサカムケア…

このおしゃれアイテムと医薬品の間に一体どのような共通点があるのでしょうか?

それは…コーティングをしてくれるところです!

マニキュアは、爪をコーティングする

サカムケアは、傷口をコーティングする

そしてこの、コーティング効果を与える成分が全く同じということなのです!

 

その成分の名前が…「ニトロセルロース」といいます!

ニトロセルロース皮膜形成作用を持ちます。

また、ニトロセルロースとセットで配合されるのが、

被膜を補う樹脂や、柔軟性を付与してくれる可塑剤です!

これらと組み合わせることによって、ニトロセルロースの耐久性が上がり、

撥水性の高い、ツヤのあるコーティング状態を演出することができるのです!

 

コーティング成分が同じということは、お互いの全成分表示を見れば、

あっ!同じ成分使ってる!とすぐ気づくと思うのですが…

一目ではわからないようになっていました!

実は、ここにちょっとしたトリックが隠されているのです!

これには、化粧品と医薬品の違いが大きく関係しています。

 

これを踏まえて、再度お互いの全成分表示を観察しますと…

サカムケアの全成分表示には、ニトロセルロースがどこにも書いていない…?

いえ…ちゃんといるんです!

ピロキシリン」という名前で!

ピロキシリンはニトロセルロースの別名です。

医薬品においてはこの名前がよく使われています!

サカムケアはピロキシリンの効果を「被膜を作り、患部をおおう」と記載していました!

もちろん化粧品はこのような治療的な言葉はNGになります。

つまり、化粧品と医薬品の違いによって、成分の表示が異なるので、

同じ成分を使用していても気づきにくいのですね!

私はこのトリックにまんまと引っ掛かったお馬鹿さんです…(汗)

 

マニキュアとサカムケアが同じような設計ということで、実際にマニキュアとサカムケアの使用感も比較してみました!

サカムケアと比較しやすいように、マニキュアは透明なトップコートを使用しました!

 

結果は…?

〇乾きやすさ・・・サカムケア>トップコート

〇コーティング力・・・サカムケア>トップコート

〇撥水性・・・サカムケア>トップコート

ということで、傷口用に設計されているサカムケアが個人的には圧勝でした!

同じコーティング成分を使用しているとはいえ、

働きかける部位が爪と傷口で異なるため、使用感は結構違いました!

ニトロセルロース以外の成分として、樹脂や可塑剤、溶剤などの配合量を調整することで、マニキュアとして、液体ばんそうこうとして、それぞれ大きな働きをするということですね!

 

化粧品と医薬品の意外な共通点を知ることができ、また少し知識が増えたいろはね研究員なのでした。

 

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