新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

展示会へ行ってきました

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

 

先日、私は11月16日~18日まで東京ビッグサイトにて開催されていた、

「食品開発展」へ初めておじゃましてきました。

このご時世ということもあり、展示ブース全体が少し余裕のある印象でしたが、

人の出入りは想像よりも多く、各ブースの方々の熱いお話を聞くことができ、

とても良い刺激になりました。

ではなぜ化粧品関係の人間が、食品系の展示会へ行ったのでしょうか?

実は、化粧品と食品には色々とつながりがあるのです。

摂取すると身体に良いですよ!という食品や成分は、

肌にも良い効果を発揮してくれるという エビデンスデータがとってもたくさんあります。

例えばハチミツなんかはどうでしょう?

ハチミツの栄養価が高いことはほとんどの方がご存じかと思います。

ハチミツは、糖質以外にもビタミンやミネラル、アミノ酸などの非常に豊富な栄養素を含んでいますので、疲労回復や風邪予防などにも効果的とされています。

私も冬場は風邪予防のために、ハチミツレモンの飲み物を買って飲んだりします。

化粧品はというと…?

ハチミツコンセプトのアイテム、ドラックストアなどでもよく見かけますよね。

ハチミツは殺菌効果や抗炎症、保湿力が高いとされているので、スキンケア、ヘアケアメイクアイテムなどなど様々な化粧品に使用されています。

ただし、同じハチミツだとしても化粧品と食品で異なるのは、

化粧品の場合は必ず不純物を取り除き、精製された原料が使用されるということです。

他にも化粧品に使われるオイルや保湿剤、増粘剤、香料など…

様々な化粧品原料が食品と繋がりを持っています。

 

成分ではどうでしょうか?

例えば、ビタミン系なんかはわかりやすいかもしれません。

野菜や果物、肉などに含まれる栄養成分として有名なのがビタミン系ですね。

ビタミンAやビタミンC、ビタミンEなどなど様々なビタミンがあり、それぞれ効果効能が異なります。

これらは体内でも肌でもそれぞれ良い効果を発揮します。

肌への効果であれば、例えばビタミンCは美白!シミ予防!などなど。

しかし、ここで面白いのが同じ成分でも名前が異なるということ。

食品ではビタミン〇〇という表現ですが、化粧品の成分名は異なります。

・ビタミンA→レチノール

・ビタミンC→アルコルビン酸

・ビタミンE→トコフェロール

といった感じです。

ビタミンAは、ターンオーバーの正常化だったり、

ビタミンCは、抗酸化作用やコラーゲン生成促進だったり、

ビタミンEは、抗酸化作用や細胞の柔軟化、血行促進だったり、

他にも様々な効果を肌に与えてくれるため、化粧品の効果成分として大きな存在となっています。

 

私達が日常的に必要としている、食品と化粧品。

時代の流れとともにそのニーズやスタイルも変化していっているわけで、

それに合わせた素材や原料など多種多様なものが日々開発されているのだなと思いました。

食品開発展では、原料自体を加工する粉砕機器や殺菌機器、

錠剤の表面をコーティングしてくっつきにくくする製法や原料、

加工品の質を向上してくれるような画期的な素材、

インスタ映えする色鮮やかな飲み物を作ることのできる天然色素、

天然物は安定的な供給が難しいことからバイオテクノロジーの技術によって生み出された香料、

腸内の環境を整える成分や眼精疲労に効く成分など新たな高機能成分、

後はやはりCBD関係のブースが多かったです。

CBDオイルを粉末状に加工して、チョコレートやグミなどに配合し、

気軽に摂取できるように加工しているところもあれば、

レモンやライムなどのさわやかな風味にして直接舌下からCBDの効果を吸収できるようにしたものなど、他メーカーとの差別化を図るために様々な工夫が施されていました。

体内に入る食品も、肌に触れる化粧品も、結局は人の体に関わる重要な存在で、

これらの関係性を展示会に行き、学ぶことができたいろはね研究員なのでした。

 

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グリセリンのおもしろ機能

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

最近11月とは思えないほど昼間は暖かいですが、朝と夜は風が冷たく、

身体も冷えやすくなってきましたね。

ということで、今回はそんな肌寒い毎日にピッタリな話題にしました。

以前私はヒートテックがなぜ暖かいのかをブログ記事にまとめましたが、

その内容に少し似ているお話しです。

ちなみにその記事はこちら ↓ 

sawayaka0302.hatenablog.com

題名にも書いたグリセリンは、ほとんどの方が知っている成分かと思います。

化粧品には必ず配合されていると言っていいくらい、とっても代表的な成分です。

そんなグリセリンの効果として有名なのは、もちろん保湿効果なのですが…

実は他にも面白い効果を発揮してくれるということをご存じでしたか?

それはズバリ、温感です。

グリセリンで温感?一体どういうことなのでしょうか?

 

グリセリンの保湿機能〇

まずはグリセリンについて基本的なところに触れていきましょう。

グリセリンはグリセロールとも呼ばれ、アルコールの一種になります。

構造は、以下のようにOH基(水酸基またはヒドロキシ基と呼ぶ)を3つ持っています

この、OH基を2つ以上持つアルコールは「多価アルコール」と呼ばれ、グリセリンもその内の一つです。

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グリセリンの構造式

このOH基を構造中に持つ成分は、水の中に入るとマイナスの電荷を持つため、水と結合しやすいと言われています。

これはどういうことかと言いますと…

水の分子式「H2O」ですよね。

このH2Oは、以下の図のように水の中で電気的に解離していると考えられています。

        f:id:sawayaka0302:20201114083125p:plain

そのためOH基を持つ成分は水の中に入るとマイナスの電荷を持ち、水と結合しやすくなるということなのですね。

つまり、水に溶けやすく、空気中の水分を集めるため、高い吸湿性を持つということになります。

グリセリンも構造中にOH基を3つ保有しているので、水に溶けやすく、非常に吸湿性が高い保湿成分として、多くの化粧品に配合されているのですね。

 

グリセリンの温感はどこから?〇

さて、グリセリンの保湿機能を知ったところで、本題に入りましょう。

グリセリンは水と相性が良く、吸湿性の高い成分ということがわかりました。

グリセリンの温感は、この保湿効果が発揮されるときに現れるのです。

グリセリンの構造式をもう一度思い出していただいて…

グリセリンのOH基に水が結合することで、高い吸湿性を持つのでしたよね。

そう、この結合時に熱が発生するのです。

この反応を水和熱と呼びます。

ただ、水が多く配合されているアイテムでは、そちらとすでに反応しきってしまっているため、塗布時に温感は生じません。

温感を得ることができるのは、全成分表示の一番最初にグリセリンが表記されるような、グリセリンベースの化粧品になります。

よくあるのはホットクレンジングやマッサージジェルなどですね。

ホット○○というアイテムを見つけたら、全成分表示を見てみてください。

グリセリンが一番最初にいると思います。

これらのアイテムには水がほとんど配合されていないため、

塗布時に皮膚の水分とグリセリンが反応して水和熱が発生し、じんわりとした温感効果を得られるのです。

ドラックストアなどで販売されているただのグリセリンでも同様に温かさを感じることができますよ。

グリセリンについては美里先生のブログ記事がとても分かりやすいので、是非ご覧になってください。

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このグリセリンの水和熱と、ヒートテックの吸湿発熱が似ているなと思い、今回この記事を書いてみました。

温感を得られる化粧品は、凝り固まった身体をほぐしたり、皮膚を柔らかくして毛穴に詰まった汚れを落としやすくしてくれるため、クレンジングなどにはもってこいですよね。

グリセリン特有の、じんわりポカポカする温感は、身体が冷える今の時期にはぴったりかもしれませんね。

グリセリンを化学的に見てみるとこんなに面白い現象も持っているのだなと、また一つ勉強になったいろはね研究員なのでした。

 

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界面活性剤の働き!

 

皆さんこんにちは!

最近とても乾燥してきましたね…

さらに毎日マスクをしているからなのか、お肌の調子がとてもイマイチないろはねです…

そんないろはねはある日こんな情報を入手しました!

化粧品業界ではとても話題になっているのではないでしょうか…?

それは、資生堂さんの「マキアージュ」からマスクに色移りしにくいBBクリームが発売するとのこと!

「マキアージュ」がマスクに色移りしにくいBBクリームを発売、資生堂の新技術を採用

このアイテムには、水や汗に強い性質を持つ疎水化処理粉末を油や界面活性剤に頼らず水に分散するという世界初の新技術が搭載されているとのこと!

疎水化処理されているのに、水にどうやって分散するのー!?

分離せずにどうやって安定化させてるのー!?

はてながいっぱいになりました(笑)

とにかくこれは買わなければ…!と思ったいろはね研究員は、この新技術を見てふと界面活性剤のお勉強をしたときのことを思い出しました。

界面活性剤って、水と油を繋ぎとめる働きを持つというのは皆さんもよくご存じかと思います。

しかーし!実はそれ以外にもとっても重要な働きを担っているのです!

それについて今回は復習も兼ねてまとめていきたいと思います!

界面活性剤は「乳化」の他にどのような働きを持つのでしょうか!

 

①気泡

これは以前ブログに書きました!

sawayaka0302.hatenablog.com

界面活性剤が泡の膜に並び、気液界面を強化してくれるのと、

表面張力を弱めてくれるおかげで、泡が壊れにくくなるというお話でしたね!

 

②洗浄

洗剤を例に挙げましょう!

お皿に付着した頑固な油汚れや、洋服に付着した汗や皮脂などの汚れは、

もちろん水だけでは簡単に落とすことはできません。

そこで!界面活性剤の性質を利用するのです!

洗浄のイメージはこんな感じです!↓

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界面活性剤による洗浄のイメージ図

お借りしたイメージ図:日本石鹸洗剤工業会 石けん洗剤知識 洗濯

界面活性剤は、親水基と疎水基を持つ特殊な構造をしていましたよね!

この疎水基部分が油汚れを取り囲むようにどんどん付着していきます!

最後には完全に油汚れを包み込むことで、洗浄することができるのです!

 

③溶解

乳液やクリームに配合されている界面活性剤は、乳化させるために配合されているのですが、

化粧水にも界面活性剤が配合されていることがあるのです!

化粧水は水ベースだし、乳化ではないよね…?と思いますよね!

化粧水には、香料や保湿効果を付与するための油性成分を配合する場合があります!

それらを「可溶化」させるために界面活性剤が必要になるのです!

例えば、砂糖は水に入れると溶けてなくなりますよね。

あれは砂糖自体が水に溶けやすい性質であるため、水と一体化したという意味合いになります!

対して香料などの油性成分はどうでしょうか?

油は性質上、水と一体化しないのは皆さんももうお分かりのはず!

そこへ界面活性剤が入ると、界面活性剤の疎水基部分と油性成分が一体化するため、水と一体化しない油性成分でも溶解させることが可能になるのです!

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疎水基部分と油性成分が一体化!

そして、界面活性剤はミセルと呼ばれる球状の集合体を形成し、完全に油性成分を包み込んでしまいます!

      f:id:sawayaka0302:20201107083859p:plain

このように、水に溶けないはずの油性成分が溶け、しかも透明になって混ざる現象のことを「可溶化」と言うのです!

 

④分散

これが先程お話しした資生堂さんのBBクリームのお話にも繋がりますね。

界面活性剤は、メイクや日焼け止めに使用される粉体成分や色素などの個体状成分がダマにならないよう、均一に分散させる働きも持っています!

このような固形粒子を界面活性剤で表面処理することによって、界面活性剤が反発し合い、凝集しにくくなるのです!

さらにこの表面処理は、汗や水で簡単に落ちてしまわないように、疎水化処理を施されているものが多く、これにも油や界面活性剤が必要不可欠になります!

その常識を資生堂さんの新技術は見事に打ち破ったということですね…!

こうして改めてまとめると早く使ってみたくなります!

発売が待ち遠しいです!

 

ということで、代表的な界面活性剤の働きは以上でしょうか!

もちろんこれだけではなく、他にも界面活性剤には色々な働きがあります!

これだけの力を持つ界面活性剤の登場があったからこそ、

今非常に幅広い化粧品アイテムが流通するようになったのだなと思いました!

しかし資生堂さんの「界面活性剤に頼らない」というこのワード…

とんでもない技術だ…と私は思います。

界面活性剤が欠かせないこの業界で、あえて界面活性剤を使わず頼らず、従来のアイテムに近いもの、ましてやそれよりも良いものを生み出す…!

簡単には真似できない非常に高度な技術なのだなということを思い知ったいろはね研究員なのでした。

 

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ヒートテックの落とし穴!?

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

ハロウィンも終わり、11月突入ですね!

セーターの出番が早くもやってきそうな予感です…!

 

さて、今回は少し化粧品とは離れますが、前から気になっていたことを書いていきたいと思います!

これから冬本番というときに欠かせないアイテム…ヒートテックのお話です!

皆さんも冬場は必ず着ると言ってもいいくらい万能なヒートテック

寒さを乗り越えるマストアイテムですよね!私も毎年お世話になっています(笑)

ヒートテックのおかげで防寒対策はバッチリなのですが…

毎年この時期気になっているのが身体の乾燥です。

私も痒くなったり、皮膚がひび割れたり、粉をふいたりしてしまいます…!

もちろん冬場は乾燥しますので、気候が一番影響しているのかな?

と思っていたのですが、実はヒートテックもこの現象に関与しているのだそうです!

なんで!?と驚いたいろはねは早速理由を調べてみました。

 

ヒートテックが暖かい理由〇

ヒートテックは、皮膚から発せられる蒸気を吸収することで発熱する特殊な化学繊維を使用しています!

この素材のことを「吸湿発熱素材」と言います!

でも、皮膚から発せられる蒸気ということは汗…?汗を吸って体を温める?

どういう原理なの?と気になったいろはね研究員。

吸湿発熱とは…?

よく夏場に打ち水をすると少し涼しくなったり、お風呂場から出た時に身体がひんやりしたりすることありませんか?

あれは、水が蒸発することによって周りの熱を奪う「気化熱」で温度が下げられているからなのですね!

吸湿発熱はその逆になります!

水蒸気が水に変わる時、周りに熱を生む「凝縮熱」を利用して温感を発生させているのです!

私達は、運動などをしていなくても体内の熱を逃がすために一日に500~800mLもの汗を皮膚表面から蒸発させていると言われています!

この蒸発した汗を吸湿発熱素材は吸収し、 繊維内で水に変えます。

そうすると凝縮熱が発生し、暖かくなる!という仕組みなのですね!

汗をかいても吸湿発熱によって身体が温まるとは…

なんとハイスペックな素材なのでしょう!

特にヒートテックはこの仕組みを利用して、より多くの水分を吸収・放出できるように化学繊維を何種類か組み合わせて作られているのだそうです!

 

〇この吸湿発熱に落とし穴が…!〇

ヒートテックがなぜ身体を暖かくしてくれるのかを知ることができたところで本題です!

ヒートテックはより多くの水分を吸収・放出できるようになっていましたね!

これ、裏返すと皮膚に必要な水分まで吸収してしまうので、より乾燥肌が悪化する原因になるのです…!

だから身体の乾燥が余計にひどかったのか!と納得しました。

また、化学繊維によるかぶれなどが原因の方もいるそうで…

ヒートテックには、ポリウレタン、レーヨン、アクリル、ポリエステルなどの化学繊維が入っていて、特にレーヨンが吸湿発熱の働きを持つと言われています!

お肌が敏感な方は上記の原因でヒートテックを着るとトラブルを引き起こしてしまうということですね…!

それでもヒートテックは根強い人気…!ということはそこまで気にならない方も多いのでしょう!本当に肌質って人それぞれだなと思います!

 

〇敏感肌の方は天然素材を〇

ヒートテックはとても万能が故の欠点もありました…!

着たいけど肌トラブルが…という方はやはり天然素材のインナーをの方が良いとのこと!

そこで!こんなグラフを発見しました!

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湿度と衣服表面温度(綿VSポリエステル)

日経Goodayに掲載されていた記事から抜き取りました!

この記事は吸湿発熱素材は便利だけれど、汗をかきすぎるとかえって身体を冷やしてしまうという内容でした!

この記事もとても興味深かったです!気になった方はこちら!↓

冬の定番「吸湿発熱素材」、使い方誤るとかえって冷える?:トピックス:日経Gooday(グッデイ)

このグラフは綿100%とポリエステル100%のシャツを比較し、吸湿性とそれに対する衣服表面温度の関係性を見たものになります!

綿は吸湿性に優れているとよく聞きますが、吸湿するときに熱も発生させてくれるのですね!

        f:id:sawayaka0302:20201031093520j:plain

さらにこのグラフは足湯をしてからの時間をはかり、それぞれの衣服表面温度を見ていますね!

特に発汗してからの綿の衣服表面温度が急激に上昇しています!

冬場はそこまで汗をかきませんが、自然に蒸発していく汗のことを考えたら、それだけでも綿は身体を暖めてくれそうですね!

私もこれを機にインナーを変えて、身体にどんな変化が出るか実験してみたいなと思いました!

 

肌質は人それぞれなので、それに合わせて化粧品は非常に種類が多いですよね!

そして、ユーザーの皆様はそれぞれ自分の肌質に合った化粧品を選ぶ…

毎日肌に触れているインナー類も同様に、肌質に合う繊維を選択する必要があるということですね!

肌に直接触れるというところでは、化粧品と通じるところがあるなと気が付くことができたいろはね研究員なのでした!

 

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泡の仕組み

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

私はこの間やっと少し衣替えをしました!

そうしましたら、全然来ていない服や、シワシワな服などが引き出しの奥からたくさん出てきてほぼ断捨離状態になりました(笑)

物は極力減らしたいと思うのですが、ついつい買ってしまうのですよね…(汗)

お金の浪費に気を付けます!

 

さて、前回は界面活性剤について書かせていただきましたね!

界面活性剤のお話はこちら↓ 

sawayaka0302.hatenablog.com

今回はそれに絡めて書いていきたいと思います!

皆さんは、泡ってどのような構造をしているのかイメージしたことはありますか?

私は今まであまりイメージしたことがなく、界面活性剤のことを勉強した時に

本当の泡の構造を知りました!

それがとても面白かったのです!

 

〇水の表面張力と泡の関係〇

表面張力という言葉は誰もが聞いたことがあるでしょう!

例えばコップいっぱいに水を入れたときに、コップの淵に盛り上がるような形でギリギリ溢れなかったり…

雨上がりに葉っぱを見ると綺麗な丸い水滴がついていたり…

これらの現象は全て、水の持つ表面張力によって引き起こされています!

水は、表面積を小さくしようとする力を持っているので、このような現象が起きるのです!

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普段何気なく見ている光景に、こうした面白い現象が隠れているんですよね!

さて!なぜ急に表面張力のお話をしたのかと言いますと…

泡と表面張力が大きく関わっているからなのです!

というのも…

ただの水って振ったら泡は立ちますが、一瞬で壊れて消えてしまいますよね。

しかし、水に洗剤を混ぜて洗濯物を手洗いするときなどは、泡はすぐに消えず、残っていませんか?

ただの水の場合泡がすぐに消えてしまうのは、水が持つ表面張力によって泡の膜が壊れてしまうからです。

対して、洗剤を溶かした水の場合は、洗剤に含まれる界面活性剤が水の表面張力を弱くし、泡の膜に並んで膜を強化してくれるため、泡を保つことができるのです!

 

界面活性剤が水の表面張力を弱くするというのは、とっても簡単な実験で誰でも確認することができます!

私もやってみました!

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左:ただの水道水 右:洗剤を適当に混ぜた水

本当に簡単です!

ただの水道水と洗剤を適当に混ぜた水を用意して、その水滴を落とすだけ!

水道水の方は、水の表面張力が働き、丸っとした形をしていますよね!

対して、洗剤が混ざっている水は表面張力があまり働かなくなり、つぶれて広がってしまっています。

これがまさに界面活性剤によって表面張力が弱められている状態です!

 

界面活性剤が泡の膜に並んで強化してくれるというのは…

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泡の膜

こんなイメージになります!

泡の膜は拡大すると、液体の膜となり、そこに界面活性剤の親水基が挟むように並びます!

この液体と気体の境目のことを「気液界面」と呼び、ここを界面活性剤が強化してくれるため、泡が保たれるというメカニズムです!

化粧品で泡の立つアイテムといえば、石鹸や洗顔クリームやシャンプーなどがありますよね!

これらにも界面活性剤は欠かせない存在ということがわかりました!

こうして泡の構造や仕組みを知ると、お風呂場で体を洗って泡を見る度に、これは界面活性剤が水の表面張力を弱めて、気体と液体の界面を強化してくれているから、泡が保たれているのか…と改めて分析してしまいそうないろはね研究員なのでした。

 

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HLBはイメージ力が大切!

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

急に寒くなりましたので、どうか皆様、風邪などで体調を崩されませんように…!

 

さて!

前回、界面活性剤には親水性か疎水性かを判断するパラメータがあるとお伝えしました!それがHLBですね!

このHLBによって私達化粧品技術者はどのように界面活性剤を使い分けているのかを今回はまとめていきたいと思います!

 〇どのように使い分けているの?〇

以前ブログで、乳化の型には水中油型(O/W型)と油中水型(W/O型)があるとお伝えしました!

ちなみにそのブログはこちら↓ 

sawayaka0302.hatenablog.com 

このO/WとW/Oは、界面活性剤のHLBが大きく関わっているのです!

水中油型(O/W型)であれば、HLBが比較的高い界面活性剤を使用します!

基準としてはHLB値8~18の界面活性剤を選択します。

HLBが高い界面活性剤は水に溶けやすい性質を持つため、親水基を外側に疎水基を内側にして、油の粒子を閉じ込める型(O/W型)になります!

油中水型(W/O型)であれば、HLBが比較的低い界面活性剤を使用します!

基準としてはHLB値3~6の界面活性剤を選択します。

HLBが低い界面活性剤は油に溶けやすい性質を持つため、疎水基を外側に親水基を内側にして、水の粒子を閉じ込める型(W/O型)になります!

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左:高HLB値の界面活性剤使用  右:低HLB値の界面活性剤を使用

とは言っても、単純にO/W型の乳液を作りたい場合、HLBの高い界面活性剤のみを配合してしまっては上手く乳化はできません。

水と油の相反する物質同士を安定的につなぎとめ、上記イラストのような球状の微細なエマルジョン形成する為には、HLBの高い界面活性剤と低い界面活性剤の両方をバランス良く配合する必要があるのです!

つまり、ここが化粧品技術者の腕の見せ所というわけです!

 

〇HLBは頭の中でイメージ!〇

HLBは数値として判断するのが一般的だと思いますが、

私は界面活性剤の構造式から、親水性か疎水性かを判断するイメージ力も大切だと教わりました!

界面活性剤は、化学的には油性成分と水溶性成分を結合させて合成されています!

例えば…

ステアリン酸グリセリルという界面活性剤。

スキンケア化粧品をはじめ、様々なアイテムに使用される代表的な界面活性剤です!

この界面活性剤の構造は、油性成分がステアリン酸水溶性成分がグリセリンとなっています!

ステアリン酸は、脂肪酸です!

脂肪酸は動物油・植物油の主成分「トリグリセライド」からグリセリンを取り除いたもので、よく石鹸系・乳化系の処方に使用される重要な成分です!

グリセリンは、ほとんどの化粧品に配合されている水溶性の保湿成分になります!

 

では、ここからは少し化学的なお話に入ります!

ステアリン酸グリセリンの構造をもっと細かく見ていきますと…

 

ステアリン酸はイラストのように、18個の炭素(C)と末端に-COOHカルボキシ基と呼ばれる官能基がついた構造となっています!

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ステアリン酸の構造

このように、18個も炭素がついているので、油性成分としてはボリュームの大きい構造をしています!

 

グリセリンは、3個の炭素(C)と3個の水酸基(OH)がついた構造となっています!

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グリセリンの構造

水酸基(OH)は水と結合しやすいため、これを構造中に多く持つ成分は水溶性成分となります!

油性成分であるステアリン酸にはこの水酸基(OH)はついていないですよね!

 

このように、二つの成分をそれぞれ構造から比較すると、ステアリン酸の方が圧倒的にボリュームが大きいことがわかります!

そこで!こんなイメージができるわけですね!

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脳内イメージ!

つまり、ステアリン酸グリセリルは疎水性の界面活性剤となるのです!

そして、ステアリン酸グリセリルのHLBは3です!

ここで確実に疎水性ということがわかりましたね!

こんな感じで他の界面活性剤も親水性なのか、疎水性なのかをイメージすることを意識しています!

そして、このイメージができるようになれば、実際試作する際にとても役立つのです!

例えば、乳液に使用するオイルと界面活性剤の相性が良くないと上手く乳化しないことがあります。

O/W型であれば、上記のイラストのように、オイルの周りを界面活性剤が覆い、

球状のエマルションを形成しますよね!

しかし、オイルと界面活性剤の相性が悪ければ、それらが上手く結合せず、エマルションの形成がしにくい状態となってしまうためです。

そこで!

まずはオイルと界面活性剤の相性を見極める基礎実験を行うことが大切なのです!

前回のブログでも書いた通り、今や界面活性剤の種類は非常に多いです。

使用するオイルと相性の良い界面活性剤を見つけたら、

疎水基の方は固定し、親水基の方でHLBの調節をするのです!

これを上手く組み合わせることによって安定な乳液を作ることができるのです!

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ただ闇雲に乳液を作るのではなく、まずはオイルと界面活性剤の相性を見極めてから、先の工程に進むのが基本です!

化粧品技術者って化学の知識がないと…ではなく、結構イメージ力も必要なのです!

こんなこと、あまり丁寧に教えてもらえることってほとんどないと思います。

本当に自分って恵まれているなあ…泣!と思うのと、

この考えを忘れずに処方開発をしていきたい!と思ういろはね研究員なのでした。

 

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親水性と疎水性

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

最近は日も短くなり、夜は暗くて肌寒いですね…

先週は台風が接近していたこともあり、秋を通り越して急に冬がやってきたのか!?

と思うほどとっても寒かったですね…

あまりにも寒かったので私はお鍋が無性に食べたくなりました(笑)

 

さて!今回は、界面活性剤の親水性、疎水性についてまとめていきたいと思います!

界面活性剤は、もう何度も書いている通り、水と油の相反する物質同士をつなぎ合わせて、乳化させることができる原料になります!

この界面活性剤をバランスよく組み合わせることで、サラサラな乳液やしっとり濃厚なクリームなど、使用感の異なる化粧品を作ることができるのです!

化粧品原料としてとっても重要な存在であることもあり、界面活性剤はメーカーさんごとに非常に様々なタイプが用意されています!

そのため、実際に化粧品設計をする際、界面活性剤の組み合わせが無限に存在することになってしまうのです!

そうなるとかなりの時間を要しますし、コストも馬鹿になりません。

そこで!界面活性剤の性質がすぐわかるパラメータが存在するのです!

それが今回題名にも書いた、親水性と疎水性に大きく関わってくるのですね!

 

〇親水性、疎水性とは?〇

基本中の基本ですが、まずは親水性と疎水性について簡単にまとめていきましょう!

親水性・・・水となじみやすい性質を持つもの

疎水性(親油性)・・・油となじみやすい性質を持つもの(水に溶けない性質)

読んで字の如くという感じですが、簡単に言えばこのような意味になります!

そして、界面活性剤はこのどちらの性質も持ち合わせているということになります!

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界面活性剤イメージ図

イラストのように、界面活性剤は水にも油にもなじみやすい特殊な性質を持つからこそ、水と油の相反する物質同士をつなぎ合わせることができるのですね!

ちなみに、このような物質を物理化学の世界では

「両親媒性物質(りょうしんばいせいぶっしつ)」と呼んでいます!

 

〇界面活性剤の性質を示すパラメータとは?〇

親水性と疎水性のイメージができたところで、

界面活性剤の性質を示すパラメータについてまとめていきます!

そのパラメータの名前は…「HLB値(エイチエルビー)」です!

Hydrophilic-Lipophilic Balance=親水性親油性バランスの頭文字を取ったものです。

これが、界面活性剤の水と油へのなじみやすさの程度を示しているのです!

 極端に言えば、

親水基を持たない物質をHLB=0

疎水基を持たない物質をHLB=20

とし、界面活性剤はその間の値をとるということになります!

つまり!

HLBが低い・・・油になじみやすく、水に溶けにくい界面活性剤

HLBが高い・・・水になじみやすく、油に溶けにくい界面活性剤

となり、この値を見て界面活性剤の性質を判断しています!

ちなみにHLBは、界面活性剤の親水基と疎水基の分子量から算出されたりします。

しかし、いちいち計算するのは大変ですので、今は当たり前のように原料メーカーさんのカタログにHLB値も記載されています!

それらを参考に、私たち化粧品技術者は界面活性剤を上手く組み合わせて使い分けているのです!

実際この使い分けが非常に難しいのです…!

化粧品技術者は、界面活性剤の相性や配合比率を緻密にコントロールしながら実験を重ね、様々なアイテムを開発しています!

何度も実験を重ねて理想のものが完成した時の達成感は素晴らしいものだと思います!

次回は、実際界面活性剤をどのように使い分けているのかをまとめていきたいと思います!

今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

 

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