温泉水からの挑戦状①
皆さんこんにちは!いろはねです!
冬は本当に空気が澄んでいて、雲一つない快晴の日はとっても気持ちが良いですね。
晴れの日最高!
そんなお休みの日は朝早く起きて朝日を身体いっぱいに浴びることから始めます。
そうすると、その日一日明るく元気よく動けるのです。
最近のモーニングルーティーンには欠かせないひと時です。
それでは本題に入りましょう。
題名の通り、今回は温泉水とコスメの関係ついてまとめていきたいと思います。
最近私は温泉水を使ったコスメの開発に色々と取り組んできたのですが、
これがなかなかに難しかったのです…!
「これは、温泉水からの挑戦状だ…!」とふと思い、今回の題名となりました。
皆さんは「温泉水=肌が綺麗になる」といったイメージありませんか?
私も「温泉水」と聞いたら肌に良さそうだなと感じます。
細かい成分はわからなくても、触ってわかるあの肌のツルツル感は一目瞭然!
身体を温めてくれるだけではなく、美容にも良いなんて…
日本の文化はやはり素晴らしい!と心から思ういろはねです。
温泉水コスメと言えば、アベンヌの温泉水ミストなどが有名でしょうか?
という風に、すでに温泉水を配合したスキンケアがたくさんありますから、
まずは温泉水自体が肌にどのような効果を与えてくれるのか、
しっかりとお勉強しなければなりませんね!
〇温泉水が肌にもたらす効果とは?〇
日本には非常に多くの温泉がありますよね。
温泉水には「泉質」というものがあるらしく、
肌への効果がある泉質として出てきたのは、
・塩化物泉
・炭化水素塩泉
・硫酸塩泉
・酸性泉
・硫黄泉
の5種類でした。
他にも温泉水に含まれている成分や温度、pH、色、匂い、味、肌さわりなどの違いによって様々な種類に分類されるそうです。
①豊富なミネラル
温泉水によっては、ナトリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。
泉質としては、「塩化物泉」が代表的ですかね。
塩化物泉は塩分が豊富に含まれている温泉で、
・殺菌・抗菌作用
・血流促進
・痛みを和らげる
などの効果があるとされ、
さらに塩分が肌に付着することによって肌表面に薄い膜を作り、
水分の蒸発を防いでくれる為、肌のうるおいを保ち、しっとりとした肌に仕上げてくれると言われています。
このように、ミネラルが豊富に含まれていることによって肌への様々な効果が期待できます。
②pHの違い
温泉水は大きく「アルカリ性」「中性」「酸性」に分けられます。
化学の授業でおなじみ、この「pH」の違いも、肌へ様々な効果を与えてくれるそうです。
<アルカリ性>
これはだいたいpH7.5~10以上がアルカリ性の温泉水だそうですね。
色々調べてみますと…なんとpHが11以上のアルカリ性の強い温泉もありました。
アルカリ性の温泉水はクレンジング作用があると言われており、
・古い角質などを柔らかくする
・毛穴に詰まった汚れを浮かす
・メラニン分解を促進する
などの効果があるようです。
確かに、アルカリ性の温泉に入ると肌がぬるぬる、すべすべしてきますよね。
そして、出た後にはざらつきが軽減され、ツルツルの肌になっていることがよくあります。
あれは古い角質がほぐされ、落ちていたからだったのですね!
<中性>
これはだいたいpH6~7.5未満が中性の温泉水だそうですね。
中性の温泉は日本で最も多いらしく、肌への刺激が少ないのが特徴です。
肌の弱い方や敏感肌の方でも長時間安心して入ることができます。
<酸性>
これはだいたいpH2未満~6未満が酸性の温泉水だそうですね。
こちらも色々調べてみますと…
なんとpHが1.05の温泉もありました!(秋田県、玉川温泉)
酸性の温泉水は殺菌作用やピーリング作用があると言われており、
・ニキビや水虫、皮膚疾患、切り傷などに良い
・古い角質などを柔らかくする
・古い角質がはがれた新しい肌に、酸性温泉水が刺激を与え、自然治癒力を高める
・ピーリング作用により、くすみ・美白・収れん効果も期待できる
硫黄の香りがする温泉は酸性の温泉が多いそうなので、こちらも肌をツルツルにしたいときは入りに行くのがベストということですね。
温泉水には、ミネラルが豊富に含まれ、pHの違いが美肌の秘訣となることが分かったわけですが…
実は、これらが温泉水から化粧品技術者に向けての挑戦状だったです。
では、化粧品を開発するにあたり温泉水はどのような試練を与えてくるのでしょうか?
これについては、次回をお楽しみに!
それにしても、よく旅行先で温泉に入ると、常連さんかな?と思しきおじいさんおばあさん達がいらっしゃいますが、皆さんとても若々しくてお肌もツルツルな気がします。
毎日温泉に入ることって、実は最強のスキンケアなのかも?と思ったいろはね研究員なのでした。
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肌の感覚は意外と鈍い?⑤
皆さんこんにちは!いろはねです!
この間は節分でしたね。
124年ぶりに節分が2月2日ということを聞いて、なんだか特別な気分になりました。
私はこの歳になっても毎年家族みんなで豆まきをします。
(豆むき出しだと掃除が大変なので、袋に入った状態ですが(笑))
その後年齢分、豆を食べるのですが、20個食べたところでもうギブアップでした…
気持ちだけでも福を身体に取り込んだということでまあ良いでしょう!
毎日を幸せに過ごすためにも、日本の風習は継承していきたいですね。
さて、本題に入ります。
いよいよこの話題も最後となりました。
前回はグリセリンとヒアルロン酸を組み合わせたら使用感はどのようになるのか?
というのをまとめさせていただきました。
グリセリンの配合量が多ければ、べたつきや厚みがしっかりと感じられ、
逆にヒアルロン酸の配合量が多ければ、キシキシとした被膜感がしっかりと感じられ、
配合量の違いによってそれぞれの特徴が大きく表れる結果となりました。
そして、今回は前回の応用編となります。
グリセリンとヒアルロン酸だけではなく、他の代表的な保湿成分も配合し、
簡単な化粧水を作ります。
それの使用感はどんなものなのか!というのをまとめていきたいと思います。
E. 1-②(グリセリン10%)+ 2-②(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.05%)
こちらですね。
最も良い配合バランスとして、Eが挙がりました。
これに下記の保湿成分を仲間に入れ、簡単な化粧水を作ります。
・1,3-ブチレングリコール(以下1,3-BGと表記)
・PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)
・ベタイン
これら保湿成分の簡単な説明は、こちらの記事に記載しておりますので、
良ければ合わせてお読みください!↓
詳しい配合量は下記の通りです。
①グリセリン 10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%
②グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 1%
③グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 4%/PCA-Na 1%
④グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%/PCA-Na 2%/ベタイン 1%
計4種類の簡単な化粧水を作りました。
これらの保湿成分が追加されたことによって何が変わるのかを集中して比較しました。
それでは早速本題の結果にいきましょう!
〇結果〇
①グリセリン 10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%
⇒1,3-BGが入ったことにより、最も違うなと感じたのは、肌に滑らかに伸びていく感触です。
もともと1,3-BG自体が、グリセリンより軽く、滑らかにスルスルと滑っていくような感触ですので、それが①でも特徴として現れたのではないかと思いました。
グリセリンとヒアルロン酸だけではどうしてもギシギシと肌に引っかかるような感覚が強く、あまり良い使用感とは思わなかったため、1,3-BGが入っただけでここまで感触が良くなるなんて!という驚きもありました。
ほとんどの化粧品に配合されている1,3-BGですが、その保湿性能の高さだけではなく、
感触改良の意味としても配合されているのではないかと感じました。
②グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 1%
⇒①より1,3-BGの配合量が5分の1に減っただけで、またグリセリンとヒアルロン酸の特徴が前に出てきたように感じました。
しかし、1,3-BGが1%配合されているだけでも少し肌への滑らかさというのはあり、
改めて1,3-BGが入ることでの感触の良さというものを感じました。
③グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 4%/PCA-Na 1%
⇒今度はPCA-Naが加わりましたね!
ここでは保湿力の違いを大きく感じました。
PCA-Naが加わったことにより、後肌の保湿感が向上したように感じました。
配合量が分かっているので、数字のマジックということもあり得ますが…
それでも①や②に比べ、明らかに後肌のしっとり感が高まったように感じました。
④グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%/PCA-Na 2%/ベタイン 1%
⇒今度はベタインも加わりましたね!
これにより、さらに後肌のしっとり感+吸い付くようなぺたぺた感も感じました。
ここまで保湿成分が揃うと、いよいよ化粧水として形ができてきたのではないかという印象でした。
前回まではグリセリンとヒアルロン酸のみでしたので、それぞれの特徴が前に出すぎて、使用感にまとまりがありませんでしたが、ここまで保湿成分が揃ってくると…
・程良い厚み、とろみ(グリセリン)
・ツルツルと肌へ伸びていき、うるおいをたっぷり閉じ込める(ヒアルロン酸)
・滑らかなテクスチャー(1,3-BG)
・後肌の吸い付くようなしっとり感(PCA-Na、ベタイン)
というように、これらそれぞれの特徴がバランス良く機能することで、
まとまりのある使用感へと近づいたように感じました。
最初1,3-BGだけが加わった時は、感触の違いが大きく出て感動しましたが、
さらにPCA-Naやベタインが加わることによって後肌の吸い付くようなしっとり感が高まるという結果にも驚きました。
化粧品に当たり前のように配合されている保湿成分も、
バラバラにすればそれぞれの特徴が大きく表れる。
そしてそれらをバランス良く配合することで、初めて使用感の良さや保湿力の向上につながるのだなということを、この実験を通して学ぶことができました。
「化粧品は混ぜ物」という言葉をよく聞きましたが、本当にそうだなと心から実感した実験となりました。
ここから代表的な保湿成分を他にも色々と配合して調整すれば、立派な化粧水になる気がした、いろはね研究員なのでした。
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肌の感覚は意外と鈍い?④
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近は都内で雪が降ったりと寒い毎日が続いておりますが、
私はお風呂に長く浸かって身体を芯から温めることにハマっています。
お風呂場にスマホを持っていき、好きな音楽をかけてリラックスできる時間は
最高のひと時です。
個人的に身体を温めると眠りも深くなり、朝の目覚めも快適なように感じます。
日本人のお風呂文化には感謝するしかありませんね。
それでは、本題に入りましょう。
前回はグリセリンとヒアルロン酸をそれぞれ目隠し状態にし、配合率を当てられるのか?という話題でしたね!
見事に数字が伏せられると差がわからなくなるという面白い結果となりました。
今回は、グリセリンとヒアルロン酸を組み合わせた使用感の比較結果をまとめていきたいと思います。
改めてその詳細を記載しておきましょう。
1. グリセリン
①5%
②10%
③15%
④20%
2. ヒアルロン酸
※グリセリンを5%配合に固定し、ヒアルロン酸の使用感の比較を行いました。
①0.01%
②0.05%
③0.10%
④0.20%
A. 一番軽い
1-①(グリセリン5%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
B. 一番重たい
1-④(グリセリン20%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
1-④(グリセリン20%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
1-①(グリセリン5%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
E. A~Dの結果を踏まえて最も良いバランスの配合量を予想
1-②(グリセリン10%)+ 2-②(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.05%)
先にグリセリンとヒアルロン酸それぞれの使用感を肌で実感しましたので、
組み合わせや配合量の違いによってどのような特徴が表れるのかを意識しながら比較していきました。
それでは早速、結果発表へと参りましょう。
〇結果〇
A. 一番軽い
1-①(グリセリン5%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
⇒これはほぼ水に近い使用感で、非常にサラサラとしていました。
1と2を合わせてグリセリンは10%配合されておりますので、ほんの少しそのグリセリン特有のべたつきを後から感じました。
B. 一番重たい
1-④(グリセリン20%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
⇒これは塗布時のとろみや厚みを最も強く感じました。
グリセリンのべたつき、ヒアルロン酸のツルツルと滑る感触と後肌のパキッとした膜感…両方の特徴がはっきりと出てきました。
ここで面白かったのが、グリセリン20%のみ(1-④)よりも使用感が少し軽く感じたことです。
グリセリン20%のみは塗布時、肌に引っかかるような重たさを感じたのですが、
ヒアルロン酸が0.2%プラスされたことにより、その特有のツルツル滑る感触が
グリセリンの重たさを緩和したのではないかな?感じました。
1-④(グリセリン20%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
⇒これはそのままグリセリンの特徴が大きく出すぎて、ヒアルロン酸の使用感はほとんど感じませんでした。
後肌のべたつきが強く、時間が経過してもしばらくこの感触は残っていました。
1-①(グリセリン5%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
⇒今度はヒアルロン酸の特徴が大きく出すぎて、グリセリンの保湿感をほとんど感じませんでした。
グリセリンの特徴が埋もれてしまったことで、保湿力の持続性がなく、
すぐに乾き、肌表面がパリパリになりました。
皮膚の上に一枚、非常に薄い膜が張られているような強い膜感でした。
CとDに関しては、それぞれ多く配合した方の特徴が大きく出てきてしまい、バランスは非常に悪いと感じました。
また、このように極端に配合量を設定すると、特徴やバランスが比較しやすいなと感じました。
E. A~Dの結果を踏まえて最も良いバランスの配合量を予想
1-②(グリセリン10%)+ 2-②(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.05%)
⇒CとDの結果から、グリセリンとヒアルロン酸ともに中間の配合率にすれば、
使用感のバランスが良くなるのではないか?と思い、この組み合わせにしました。
その考えが的中したのか、非常にバランスの良い使用感となりました。
ヒアルロン酸がグリセリンの重たさをカバーし、グリセリンが後肌の程よいしっとり感を演出し、お互いのデメリットをカバーし合っているような使用感でした。
まだこの二種類しか保湿成分は配合されておりませんので、肌への伸びが不十分だったり、感触の改善点はたくさんあるのですが、今回比較したA~Eの中では最もバランスの良い使用感となりました。
ということでいよいよ、このEの配合バランスにいくつか他の保湿成分を追加し、
簡単な化粧水を作ります。
それについての結果はまた次回!
たった2種類の成分の配合比率を変えただけでもこれだけの違いが出るんですよね。
しかし、これはすでに配合量が分かった状態で比較しているからというのもあると思います。
これをまた目隠し状態で比較してみたらどうなっていたのでしょう?
時間がある時にまたやってみようと思ったいろはね研究員なのでした。
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肌の感覚は意外と鈍い?③
皆さんこんにちは!いろはねです!
さて、リンゴを毎日食べ続けて1週間以上が経過しました。
一番効果を感じているのは、お通じが抜群に良くなったことです。
リンゴは食物繊維を豊富に含んでいるそうなので、そのおかげかもしれませんね。
やっぱり旬の食べ物をいただくのは気分にも身体にも良いですね。
リンゴはまだたくさん残っているので、今後も継続して身体がどのように変化していくのかが楽しみです。
それでは本題に入りましょう。
比較を行った結果をまとめさせていただきました。
今回は、それぞれの配合量を目隠し状態にし、クイズ形式にして比較を行った結果
をまとめていきたいと思います。
果たして肌の感覚ではどのくらい察知することができたのでしょうか?
〇結果〇
いやー…率直に言いますと全然当てることができませんでした!
本当に驚いたのですが…
目隠し状態にすると一気に違いがわからなくなるのですよ。
これは5%だな…いやこっちかも…と何度も塗布して比較すると、
どんどんはてなマークが増えていき、余計にわからなくなるという始末(笑)
数字の先入観ってすさまじいパワーを持っているのだなと同時に、
これほどまでに人の感覚って曖昧なのだなということを思い知らされました。
そして、もう一つ重要なのは、その評価方法です。
評価する場所も重要ですね。これ、どこだと思いますか?
皆さんは、よく化粧品コーナーに行ってテスターを試すとき、だいたい手の甲に付けることが多いでしょうか?
じゃあ、そうすると手の甲…?という回答になりますが、実は違うのです。
正解は、腕の内側です。
使用感の評価をするときは必ず腕の内側に塗布するようにと教わりました。
手の甲ではテクスチャーの重い、軽いはある程度わかるかもしれませんが、
塗布面積が小さいですし、何よりその浸透性や厚み、継時でどのような肌変化が起きるのかまでは評価しにくいのです。
腕の内側であれば、面積がありますし、スッと広く伸ばして塗布することによって、
重さや軽さはもちろん、手の甲では評価しにくかった浸透性や厚み、継時変化までも比較しやすくなります。
ヒアルロン酸は、塗布時のツルツル、キシキシ感と後肌の膜感。
という風に評価方法は少し変わってきます。
しかし、どちらも広い面に塗布しなければわからない領域ですよね。
本当に手の甲と腕の内側とでは同じ化粧品を塗布しているのに使用感が変わるのです…!
恥ずかしながら、美容部員をしていた私でもこの評価方法は知りませんでしたので、
この違いに感動しました。
皆さんもお買い物の時テスターを触る機会があれば、腕の内側で比較するとよりわかりやすくなるかもしれません!
では、評価方法も分かったところでもう一度、実験に使用したグリセリンとヒアルロン酸の配合率を見ていきましょう。
<グリセリン>
①5% ②10% ③15% ④20%
①0.01% ②0.05% ③0.10% ④0.20%
グリセリンはかろうじて④の20%を当てることができました。
後はほとんど当てずっぽう…という感じで本当に違いがわかりませんでした。
実際の現場で保湿効果を高めたい!となった時はせいぜい、グリセリンは2%程度、
ヒアルロン酸は0.01%程度プラスしていくと教わりました。
ところで、今回実験に使用したグリセリンは5%間隔で配合率を変えています。
ヒアルロン酸に至っては①と③で10倍も配合率が違いますよね。
ここまで差があるのに、判別することができなかった!
つまり、些細な配合量の変化に人は意外と気づくことができないのです。
ここが今回のブログ内容で一番伝えたかったポイントです。
だからこそ、私達化粧品技術者はしっかりとゴールを見極めて、配合量の指定をしていかなければならないのですね。
肌の感覚は意外と鈍いということを知り、より繊細な肌感覚を鍛えていきたいと思ういろはね研究員なのでした。
そして、この話題はまだ続きます。
次回は、グリセリンとヒアルロン酸を組み合わせた使用感の比較結果です!
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肌の感覚は意外と鈍い?②
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近家にリンゴがたくさんあるので、毎日食べるようにしています。
そんな時、母親からこんな言葉を聞きました。
「リンゴが赤くなると医者が青くなる」
これとっても面白い言葉ですよね。
リンゴの効果効能が、病気知らずな体にし、
医者に通うことが少なくなることからきているんですよね。
特に最近はコロナウイルスが蔓延し、色々と問題になっていますが…
そんなこんなで私も以前より体調管理をするようになりました。
昨今は様々なサプリや健康食品などがありますが、それには極力頼らず、
旬の食材で栄養をたっぷり摂って、丈夫な身体づくりを目指したいですね!
皆様もリンゴを食べてウイルスなんて吹き飛ばしてしまいましょう!
さて!では本題に入りましょう。前回の続きになりますね。
肌の感覚って意外と鈍いんだということを知るべく、
代表的な保湿成分を使ってその性能を実際に肌で体感してみよう、
という内容でしたね。
今回からは、その実験結果をまとめていきたいと思います。
前回のブログに実験内容がまとめられていますので、
まだご覧になられていない方はこちらへ!↓
〇実験結果〇
1. グリセリンの保湿性能を知る
精製水にグリセリンを添加し、使用感の比較を行いました。
配合率によってどのような違いが表れたのでしょうか?
…とその前に、ただ塗布して終わりでは意味がありません。
まずは、グリセリンそのものの使用感をイメージすることが大切ですよね。
グリセリン特有のテクスチャーとして注目したのは…
①べたつき
②厚み
③とろみ
です。これらを意識し、下記の配合量で使用感の比較をしていきました。
①5%
①べたつき・・・ほんの少しぺたぺたと引っかかりを感じたが、時間が経つとあっという間にサラサラになった。
②厚み・・・ほとんどなかった。
③とろみ・・・ほぼ水に近い使用感でサラサラしていた。
②10%
①べたつき・・・①よりも肌が覆われているような膜感があった。時間が経っても少しぺたぺた感が残っていた。
②厚み・・・①よりもほんの少し感じた。
③とろみ・・・①よりもほんの少しとろみがついたような感触。
③15%
①べたつき・・・①と②はぺたぺたと気持ちべたつきを感じる程度だったが、③の15%からは肌が吸い付いてくるくらいべたつきが強くなった。
時間が経ってもしばらくべたつきは残っていた。
②厚み・・・①、②に比べて強く感じた。
③とろみ・・・①に比べると水のようなサラサラ感はだいぶ薄くなり、ほんの少しグリセリン特有のとろみを感じるようになった。
④20%
①べたつき・・・非常にべたつき、皮膚にグリセリンが残っているような膜感もかなり強く感じた。
②厚み・・・皮膚との間にワンクッションあるかのような厚みを感じた。
③とろみ・・・ほんの少し糸を引くような程、とろみが強かった。
ということで、4種類の配合率で使用感の比較をしましたが、どうでしょう!
当たり前ですが、グリセリンの配合量が増えるにつれ、
後肌のべたつきが強くなり、塗布時にとろみや厚みを強く感じるようになっていっていますよね。
この結果から、グリセリンの配合量としては15%がギリギリかなと感じました。
それ以上配合してしまうと、グリセリン特有の重たさやべたつきが際立ってしまい、逆に使用感が悪くなってしまうのではないかと思いました。
2. ヒアルロン酸の保湿性能を知る
グリセリンを5%配合に固定し、ヒアルロン酸の使用感の比較を行いました。
ヒアルロン酸はポリマーになりますので、ポリマー特有の使用感として注目したのは…
①膜感
②キシキシ感
③とろみ
です。これらを意識し、下記の配合量で使用感の比較をしていきました。
①0.01%
①膜感・・・ほとんど感じなかった。
②キシキシ感・・・ほとんど感じなかった。
③とろみ・・・ほとんど感じず、ほぼ水に近いサラサラとした感触だった。
これはグリセリン5%の使用感が表に出ており、あまりヒアルロン酸特有の使用感は感じませんでした。
②0.05%
①膜感・・・ほとんど感じなかった。
②キシキシ感・・・ほんの少しキシキシとした引っかかりを感じたが、①とほとんど変わらないように感じた。
③とろみ・・・①と同じく、ほぼ水に近いサラサラとした感触だった。
③0.10%
①膜感・・・ここからやっと膜感を感じた。
後肌の肌表面がパリッとする感覚が少し出てきた。
②キシキシ感・・・塗布時にキシキシと肌に引っかかるような感覚が②よりも強くなった。
③とろみ・・・ここからとろみを感じた。若干塗布時に厚みがあった。
④0.20%
①膜感・・・塗布後はぺたぺたとしているが、かなり後肌の膜感が強かった。
特に時間が経つと肌表面がパリッとし、パキパキとした膜があるように感じた。
②キシキシ感・・・塗布時にキシキシ感を通り越して、ギシギシと肌に伸びていくような感触だった。あまり良い使用感とは言えない。
③とろみ・・・予想よりとろみがあるように感じなかったが、最も厚みのある使用感であった。
ということで、ヒアルロン酸はこんな感じでした。
こちらもヒアルロン酸の配合量が増えるにつれ、膜感やキシキシ感、とろみが強まっていきました。
特にヒアルロン酸の配合量が多い③と④は、時間が経つと水分が蒸発し、パリッとした膜感だけが強く残りました。
ここに、ヒアルロン酸のヒューメクタントとしての特徴が表れているなと感じました。
ヒューメクタントは保水力を持ちますが、自ら水分を集めることはできないので、時間とともに乾いていっていまうからです。
化粧品は混ぜ物なので、このようにグリセリンやヒアルロン酸が単一でどのような使用感を演出してくれてるのかを知ることができ、非常に勉強になりました。
そして、これらの結果はあくまで配合量がわかった状態での感覚です。
ヒアルロン酸なんかは配合量が分かっていても、①と②の違いを見分けることが難しかったです。
つまり、これを目隠し状態で比較した場合にどのような結果になるのか?
というのが一番気になるところ。
その詳細は、また次回に持ち越します!
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肌の感覚は意外と鈍い?①
皆さんこんにちは!いろはねです!
毎日本当に寒すぎるので、私は最近体が温まる梅昆布茶にハマりました。
梅干しも昆布も体に良いと聞いたことがあるので、これらが合わさったこの飲み物…
かなり効能高いのでは!?と思い、調べてみますと…
疲労回復、新陳代謝向上、殺菌・消毒作用、血圧上昇抑制、コレステロールを下げる、便秘改善などなど。
さらには、寝る前に飲むと身体が温まって寝つきも良くなるとか。
な、なんて素晴らしい飲み物なんだ…!これは毎日続ける甲斐がありますね。
皆さんもぜひお試ししてみてください!
では、本題に入りましょう。
今回は、前回の内容に繋がるお話になります。
題名の通り、肌の感覚って意外と鈍いんですよね。
私は、人間って味覚・聴覚・嗅覚・視覚…などの様々な感覚器官を持っている為、
肌に触れる感覚も人間はある程度鋭いのでは?と勝手に思い込んでいたのですが、
研修期間中に、その考えが覆されました。
では、一体どのような実験を行ったのでしょうか…?
〇実験内容〇
1. グリセリンの保湿性能を知る
精製水にグリセリンを添加し、配合量の違いによる使用感の比較を行いました。
配合率は、
①5%
②10%
③15%
④20%
の4種類を用意しました。
2. ヒアルロン酸の保湿性能を知る
グリセリンを5%配合に固定し、
こちらもヒアルロン酸の配合量の違いによる使用感の比較を行いました。
配合率は、
①0.01%
②0.05%
③0.10%
④0.20%
の4種類を用意しました。
⇒この①と②は、肌の感覚は果たして鋭いのか?鈍いのか?を検証するために、
配合量を伏せ、わからないようにし、
感覚だけで当てられるかどうかをクイズ形式で比較もしてみました。
過去のブログにまとめておりますのでそちらもぜひご覧ください!
3. 1+2 の使用感の違いを見る
グリセリンとヒアルロン酸、どちらも保湿成分の代表格ですよね。
その為、化粧品アイテムの中に一緒に配合されていることが多いです。
これらを混ぜ合わせたら一体どのような使用感になるのか…?
その組み合わせの違いによって、グリセリン特有の使用感が強く出てくるのか?
それともヒアルロン酸特有の使用感が強く出てくるのか?
そんなことを考えながら、以下5種類の検体を作り、それぞれ比較しました。
A. 一番軽い
1-①(グリセリン5%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
B. 一番重たい
1-④(グリセリン20%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
1-④(グリセリン20%)+ 2-①(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.01%)
1-①(グリセリン5%)+ 2-④(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.20%)
E. A~Dの結果を踏まえて最も良いバランスの配合量を予想
1-②(グリセリン10%)+ 2-②(グリセリン5%+ヒアルロン酸0.05%)
4. 簡単な化粧水を作り、使用感の違いを見る
Eの1-②+2-②(グリセリン10%+ヒアルロン酸0.05%)をベースとして簡単な化粧水を作り、それぞれ比較をしました。
化粧水を作るため、グリセリンとヒアルロン酸以外にも保湿成分を配合しました。
・1,3-ブチレングリコール(以下1,3-BGと表記)
これは多価アルコールで、ヒドロキシ基(-OH基)を2つ持つので、
2価のアルコールになります。
グリセリンと同じく、保湿成分としてよく化粧品に配合されます。
前々回のブログで多価アルコールの比較を行った際にも出てきた原料です。
1,3-BGはグリセリンよりもさらっとしており、軽い質感なので、これを入れることによってどのように使用感が変わったのかは後ほど…!
・PCA-Na(ピロリドンカルボン酸ナトリウム)
これは、お肌のうるおいを保つ「NMF(天然保湿因子)」に含まれている代表的な成分です。
PCA-Naは、NMFの約12%を占める保湿成分で、保湿力が高く、バリア機能を高めたり、乾燥による小じわやくすみ、キメの乱れなども改善してくれるとてもハイスペックな保湿成分です。
もともとお肌にいる成分として、安心して配合できることから、よく配合されている保湿成分の一つです。
・ベタイン
これは、ビート糖(甜菜糖)の糖蜜から抽出して得られる天然のアミノ酸誘導体です。
優れた保水性と角層水分量の増加機能を持つので、こちらもよく化粧品に配合されています。
これら3種類の保湿成分も仲間に加え、以下4種類の簡単な化粧水を作成しました。
①グリセリン 10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%
②グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 1%
③グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 4%/PCA-Na 1%
④グリセリン10%/ヒアルロン酸 0.05%/1,3-BG 5%/PCA-Na 2%/ベタイン 1%
ということで以上が実験内容になります。
長くなってしまいましたので、結果は次回まとめさせていただきます!
果たしてこれらの実験は、いろはねにとってどのような経験となったのでしょうか?
次回もぜひ読みにいらしてくださいね!
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研修記録~保湿成分の特性を肌で感じるー糖類編ー~
皆さん、新年あけましておめでとうございます!いろはねです!
昨年はお忙しい中このブログをお読みくださり本当にありがとうございました。
今年は果たしてどんな一年になるのでしょうか!ドキドキな私ですが、
これからもこちらの奮闘記を温かい目で見守っていただければ幸いです。
本年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。
では早速、今年も張り切ってまいりましょう!
今回は前回の続き、~保湿成分の特性を肌で感じる~「糖類編」になりますね。
糖類も化粧品にとって非常に重要な存在です。
主に保湿剤としてよく配合されますが、
「糖」と聞くと、肌につけた時ベタベタしそう…なんて思われる方も多いのではないでしょうか?
実際はどうなのでしょう?気になりますよね!
ということでそれぞれを肌に付けて比較してみました。
〇糖類について〇
まずは、糖類について簡単にまとめていきたいと思います。
以前ポリマーのお話をしたときにも少し触れておりますので、気になる方はぜひ!
糖類は大きく、ブドウ糖や果糖などの単糖類と、ショ糖などの二糖類に分類されます。
また、炭水化物の一種であり、私たちが消化&吸収できる「糖質」としては、
キシリトールやソルビトールなどの糖アルコールが挙げられます。
それぞれの特徴はと言いますと…
単糖類:糖の最小単位であり、これ以上加水分解できないもの
二糖類:二つの単糖類がグリコシド結合した糖
小糖類:単糖類が2~10個ほど結合した糖
多糖類:多数の単糖類が数十~数千個重合してできた糖
糖アルコール:糖質の構造中のアルデヒド基(-CHO基)を還元し、ヒドロキシ基(-OH基)に変換することにより製造される糖
糖アルコールは、構造中に通常のアルコールと同じくヒドロキシ基(-OH基)を有する為、このように呼ばれています。
前回お話しした多価アルコールも構造中にヒドロキシ基(-OH基)を持っていましたね。
糖アルコールは、食品業界では甘味料の一つです。
砂糖の数百倍もの甘味度を持ち、体内で消化されにくい性質を持つ為、多くの食品に使用されています。
このように、糖類も構造の違いによって大まかに分類されています。
〇比較した糖類〇
②トレハロース
⑤ショ糖(スクロース)←おまけ
これら5種類は全て粉末状ですので、それぞれ10%水溶液を作成し、使用感の比較を行いました。
おまけのショ糖は、化粧品に配合されることはありませんが、
なじみ深いものを実際肌につけるとどのような感触なのか?
他の糖類と比較してどのような使用感なのか?
ということが気になりましたので、今回こちらも比較しました。
まず、これらの特徴は…
①キシリトール ⇒ 糖アルコール
・白色の結晶または結晶性の粉末で、においはなく甘みが強い
・あまり化粧品に配合されることは少ないが、配合すると保湿力があるにも関わらず、使用時のべたつきが少ない
②トレハロース ⇒ 二糖類(単糖類のグルコース2分子が結合している)
・高い保水力を持つ
自然界に存在している糖で、キノコ類や植物、微生物の細胞に含まれている。
例えば干し椎茸が水に漬けるだけで元の姿に戻るのは、トレハロースの保水力が影響していると言われている。
・皮膚との親和性及び浸透性は低く、吸湿性もほとんどないが、保湿性は確認されている
③マルチトール ⇒ 糖アルコール
・ソルビトールほどではないが、吸湿性、保湿性に優れている
・温度変化に影響されることが少なく、一定の水分を保持することが可能
・グリセリンとほぼ同じくらいの保湿効果だと言われている
④ソルビトール ⇒ 糖アルコール
・単糖類のグルコースを還元し、得られる糖アルコール
・低カロリーの甘味料としてよく食品に用いられている
・糖アルコールの中でも吸湿性、保水性に優れている
・べたつきが強い
⑤ショ糖(スクロース) ⇒ 二糖類(単糖類のグルコースとフルクトースが結合している)
・食用の甘味料として多量に生産され、使用されている
これらの構造や特徴を知ったところで、実際自分の肌に塗布しました。
①キシリトール ⇒ 糖アルコール
塗布時:ほとんどべたつきを感じなかった
後肌:ほんの少しぺたぺたと肌が張り付く感覚があった
その後どんどん肌がサラサラになり、しっとり感は残らなかったため、保湿成分としては向かないように感じました。
②トレハロース ⇒ 二糖類(単糖類のグルコース2分子が結合している)
塗布時:塗布した瞬間ギシギシと肌に引っかかるような感覚
後肌:キュッととまるような感触とべたつきも少し感じた
肌表面に残る感覚があり、特徴の通り皮膚への浸透性は低いのだな感じました。
③マルチトール ⇒ 糖アルコール
塗布時:肌にキュッキュと引っかかるような感触で、滑らかさはない
後肌:トレハロースよりもべたつきが強いと感じた
他の糖類と違って、塗布後時間が経過してもそのままべたつきが残るような感覚がありました。
グリセリンとほぼ同じくらいの保湿力ということも納得できる結果となりました。
④ソルビトール ⇒ 糖アルコール
塗布時:ギシギシ感はそこまで強くない
後肌:トレハロースと同等のべたつき感だった
特徴では、べたつきが強いということでしたが、マルチトールよりべたつきを感じない結果となりました。
⑤ショ糖(スクロース) ⇒ 二糖類(単糖類のグルコースとフルクトースが結合している)
塗布時:ほかの糖類に比べ、滑らかに伸びていく感覚があった
後肌:砂糖特有のべたつきが非常に強かった
ショ糖はイメージ通り、砂糖特有のべたつきを顕著に感じました。
ということで、以上5つの糖類の比較を行いましたが、
多価アルコールに比べて、構造に大きな違いがあるため、経験の浅い私でもわかる程、
使用感が異なる結果となりました。
実際糖類をつけてみて思ったのは、想像以上にべたつかなかったことです。
確かにイメージ通り、ショ糖は砂糖特有のべたつきを強く感じたのですが、
他の4種類は表面をほどよく保護してくれているなと感じるべたつきでした。
糖類のイメージとは異なる結果となり、非常に勉強になりました。
このように、原料自体に直接触れ、その使用感を比較することは非常に重要で、
試作した化粧品の使用感は、一つ一つの原料が複雑に絡み合って表現されています。
そこで、このしっとり感はどの原料が演出してくれているのだろう。
もう少し使用感を軽くしたいけど、どの成分の配合量をいじろうか…
そんな判断をするのに、研修期間中経験した原料の使用感・特性の比較が非常に役立ちます。
まだまだ未熟な感覚なので、これからどんどん経験を積み、
磨いていきたいと思ういろはね研究員なのでした。
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