ポロポロの正体とは?
皆さんこんにちは!いろはねです!
皆さんはスキンケア、もしくはメイクをしている時に
ポロポロとカスのようなものが出てきた…という経験はございますか?
もし経験がある方、実際に出てきた時は非常に驚かれたのではないでしょうか。
ピーリングジェルを使っているわけでもないのに、一体何が出てきているの!?と。
私はあまりそういう経験がないので逆に体験してみたいところなのですが(笑)
そういえば、美容部員時代にお客様からこんなお問い合わせがあったことを思い出しました。
「スキンケアをした後にポロポロとカスが出てくる。その上からメイク下地をつけるとさらに出てくる。これは一体何が出てきているのでしょうか?」
という内容でした。
美容部員の私達は美容成分の効果や商品の特徴を知っていても、
細かな中身の設計までは知りませんでした。
その為、お客様に使用時の状況や使用方法などを事細かにお伺いし、
コットンを使用しているからそれの繊維が出てきたんじゃない…?
など色々と原因を探った記憶があります。
結局私達だけでは答えが導き出せなかったので、研究の方に聞いたところ、
「特殊なポリマーを配合している為それが時々カスとなって出てくることがある」
という回答をもらいました。
この時の私はポリマーって何だろう…?とあまり理解できなかったのを覚えています。
それを思い出した今、研究の方はこれを言いたかったのかー!と納得しました。
今回は、このポロポロの謎についてまとめていきたいと思います。
〇ポロポロの正体は?〇
先程出てきた「特殊なポリマー」これがポロポロの正体です。
もう少し細かく説明しますと、カルボキシビニルポリマー(略してカルボマー)などの水溶性高分子がその特殊なポリマーとして挙げられます。
これは水に溶かし、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤と中和することによってプルッとしたジェルのような粘性が出る成分でした。
最近は多くのスキンケアアイテムに配合されていて、
とろみを出したり、ジェルにしたり、テクスチャーに様々な特徴を与えてくれる成分でもあります。
〇ポロポロが出てくる原因〇
ポロポロの正体が分かったところで、その発生原因を探りましょう。
先程ポリマーは多くのスキンケアアイテムに配合されているとお話しました。
例えば、とろみのある化粧水、フェイスマスク、美容液、オールインワンジェル、
他には乳液、クリームなどにも乳化の安定性向上や粘度調節を目的として配合されています。
スキンケアのルーティーンは人それぞれですが、
多い方は化粧水⇒美容液⇒乳液⇒クリームといった形でケアをされますよね。
ポリマーは高分子と言われているように非常に大きい分子であるため、
皮膚には浸透していかず、皮膚表面に残った状態となります。
化粧水からクリームまで全てにポリマーが配合されていたとしたら、
それらを塗り重ねていくことでどんどんポリマーが皮膚上に蓄積されていってしまうのですね。
それがある一定量超えてしまうと、塗布する際の物理的な摩擦によってポロポロと消しゴムのカスのように出てきてしまうことがあるのです。
〇ポロポロが出ないようにするには?〇
①ポリマー配合のアイテムを避ける
カルボマー・〇〇コポリマーなどの表記があるアイテムですね。
トロミのある化粧水を避けたり、オールインワンジェルをやめたり、ポリマーが配合されていない乳液やクリームを探して使用すれば、ポロポロは出なくなると思います。
②使用方法の見直し
お気に入りのアイテムにもポリマーが入っていた…でも使い続けたい…
という場合はそれらの使用量を少し減らしてみたり、メイクをする朝はシンプルなスキンケアにし、夜にしっかりケアをするなどポロポロ発生のメカニズムを理解した上で使用方法を変えてみると改善されるかもしれません。
〇私達が気をつけなければいけない事〇
特に温泉水など特殊な水を基剤として使用する場合もあるのですが、
pHの影響などにより、ポリマーの粘性がいつもより出なくなることがあります。
いつもはこの配合量でとろみが出るはずなのに、今回はまだサラサラだな…
もっとポリマーを増やそう。
その判断ちょっと待ったー!となるのですね。
もしそのまま配合量を増やしてしまったら、使用時にカスが出やすくなってしまいます。
一つのアイテムだけではそこまで影響ないんじゃないの?
と思う方もいらっしゃいますよね。
もう一度スキンケアルーティーンを思い起こしてみましょう。
多い方は化粧水、美容液(フェイスマスクもあり)、乳液、クリーム…
とたくさん重ねて使用すると思います。
これら全てにポリマーが入っていたら、ポロポロが発生しやすくなるんでしたよね?
化粧品の開発をするときは、そういうシチュエーションも想定して、
設計を行う必要があるのです。
トータルポリマー量として考えた時に、この配合量で果たして良いのだろうか?
と踏みとどまることも大切ということですね。
このポロポロは一応肌に害があるわけではありませんが、
スキンケア効果やメイクの機能を落としてしまったり、
メイク時にヨレの原因となったりするため、できれば避けたい現象ですよね。
今回の内容が少しでもユーザーさんのお悩み解決に繋がったら良いなと願う、
いろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
洗い流すトリートメントと洗い流さないトリートメントの違い
皆さんこんにちは!いろはねです!
仕事中も勉強の毎日を送るいろはねですが、
特にヘアケアアイテムについてはまだまだ知らないことが多いです。
今までは洗い流しが当たり前だったトリートメントも、
お風呂上りにスペシャルケアとして使用する洗い流さないタイプが販売されるようになりました。
もちろん商品をよく見れば洗い流しなのか洗い流さなくてよいのか、
記載はされておりますが、実際何が違うの?と疑問に思うところです。
そこで!今回も色々調べてみました!
それでは本題へ参りましょう。
〇洗い流すトリートメントと洗い流さないトリートメントの違い〇
~効果編~
トリートメント自体の効果としては、
「髪の内部の不足した栄養分を補い、ダメージを補修する」
「髪の水分と油分のバランスを整えてうねりや乾燥をケアする」
など様々な役割があります。
これは洗い流すタイプも洗い流さないタイプも同じです。
それを踏まえてそれぞれの効果をまとめますと…
<洗い流すトリートメント>
シャンプー後のキューティクルが開いた状態の時に使用することで、
髪内部に成分を浸透させて痛みを防いだり、栄養を届けて弱った髪を元気にする効果があります。
<洗い流さないトリートメント>
一晩中トリートメントの成分をじっくり髪に浸透させ、
尚且つその成分が残り続ける為、日中の様々な外的ダメージ(ドライヤーの熱・紫外線・摩擦など)から髪を守ってくれるバリアのような効果があります。
つまり、洗い流すトリートメントは内部、洗い流さないトリートメントは外部にそれぞれ効果をもたらしてくれるというイメージでしょうか。
同じトリートメントであっても、働きかけ方が異なる為、どちらも使用した方が髪の健康を保つためには良いのかもしれませんね!
~成分編~
では、大体トリートメントの効果が理解できたところで、
今度は成分の方に参りましょう。
これらの一番の違いは、「カチオン界面活性剤の配合量の違い」だと思います。
それぞれの全成分を調べて比較をしますと、洗い流すトリートメントの方がカチオン界面活性剤の配合量は多いです。
何故かといいますと、カチオン界面活性剤は水に溶けるとプラスに帯電する性質を持つのに対し、毛髪はマイナスに帯電している為、磁石の要領で吸着しやすいのですね。
洗い流すトリートメントは水でトリートメントを流してしまうわけですから、
補修成分や栄養が洗い流されず髪にしっかり残るようにしなきゃいけませんよね。
そのためにカチオン界面活性剤をメインの成分として配合しているのです。
トリートメントについては以前このようなブログも書いておりますので、
ご覧になっていない方はぜひ。↓
それに対し、洗い流さないトリートメントはそのまま髪につけておく為、
カチオン界面活性剤の電気的な力はそこまで必要ではありません。
配合するとしたら微量添加にし、帯電防止や指通りの改善、
柔軟性の向上など他の効果を付与しています。
カチオン界面活性剤のようなイオン性を持つ界面活性剤は、
効果がある反面刺激が強いとも言われています。
洗い流さないトリートメントなのに、洗い流すトリートメント並みにカチオン界面活性剤を配合したとなると、万が一頭皮についてしまっていた場合、肌トラブルの原因にもなります。
この成分は洗い流すアイテムだからこそ、多く配合し、その効果を発揮することができるのですね。
このように、ケアの目的は同じだとしても、効果や使用方法、中身も異なる為、
全く違うアイテムとして認識する必要があるのかもしれません。
お客様からこのような依頼を受けた時はしっかりとその違いを認識した上で、
開発をしなければいけないなと思いました。
ちなみに、今フェイス用の乳液を洗い流さないトリートメントとして別のアプローチで開発できないかと奮闘しているところでして、これが中々に使用感が良いのです!
ここからもう少し滑りや滑らかさを出すために工夫して…
色々イメージをしているのですが、改良を重ねることによってこれからどのような使用感に変化していくのか今から試作が楽しみです。
良いトリートメントの開発ができるよう、そして何よりお客様が使って喜んでいただけるようなものになるよう頑張りたいと意気込むいろはね研究員なのでした。
<参考HP>
これだけは、押さえておきたい!洗い流さないトリートメントと洗い流すトリートメントの違い | パンテーン (Pantene)
洗い流す?流さない?トリートメントの違い、知ってますか?|ラサーナ公式通販サイト (lasana.co.jp)
洗い流さないトリートメントと洗い流すトリートメントは併用して良いの? | 知らなきゃ損!?正しいヘアケア講座 (atama-bijin.jp)
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
エクソソームって何?
皆さんこんにちは!いろはねです!
私が最近耳にするようになった「エクソソーム」
人幹細胞培養液などと同じように美容医療的なイメージを持ちますが、
これは一体何者なのでしょうか?
なぜ美容業界で注目されているのでしょうか?
様々な疑問が生まれましたので、今回はそんな「エクソソーム」について色々調べたことをまとめていきたいと思います。
〇エクソソームとは?〇
エクソソームは細胞から分泌される直径50~150nmの顆粒状の物質。
このような物質は「細胞外小胞」と呼ばれています。
その表面は細胞膜由来の脂質、タンパク質、
内部は核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含んでいます。
エクソソームは表面に細胞膜成分、内部に細胞内の物質(遺伝子系)を含み、
分泌されるときに元の細胞の特徴を反映して細胞外へと放出されます。
今までは細胞内に溜まった老廃物を排出するための物質と考えられてきましたが、
研究が進み、実は細胞間同士の情報伝達を担っているということが明らかになってきたのだそうです。
エクソソームは体内のあらゆる細胞から分泌されており、細胞間に存在するだけではなく、血液中などにも存在し、常に体内を循環しています。
その数はなんと100兆個以上と考えられています。
〇情報伝達役としての働き〇
上記でお話したように、エクソソームの内部には分泌元の細胞の核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA)、つまり遺伝情報が含まれています。
分泌した細胞は、この遺伝情報を他の細胞へとエクソソームを介して伝達しているのですね。
マイクロRNAなどは非常に壊れやすく、そのまま細胞外へ放出されるとすぐに分解されてしまうのだそうです。
しかし、エクソソームに内包されていればそのような心配がなく、
他の細胞へ無事に伝達することが可能になるのですね。
また、体内を駆け巡るエクソソームは、隣り合った細胞だけではなく、
遠く離れた場所の細胞にも情報を確実に届けることができます。
確実に届けられる理由はその構造にあります。
エクソソームの表面は鍵と鍵穴のような仕組みになっており、
それに合う細胞を探し出して中に入り込むことができるのですね。
この仕組みによって遠く離れた細胞同士のコミュニケーションも可能にしています。
エクソソームの情報伝達機能は病気とも関連しており、一つはガンが挙げられます。
最近の研究でガン細胞もエクソソームを分泌していることが明らかになり、
これがガンの転移に大きく関与しているのではないかと言われています。
つまりエクソソームは分泌される細胞によって、善となるか悪となるか分かれるということですね。
〇美容との関係〇
エクソソームは情報伝達物質ということがわかりましたので、
本題となる美容効果についてまとめていきましょう。
とある研究結果では、真皮幹細胞が分泌したエクソソームが繊維芽細胞へ指令を送り、コラーゲン産生を促進しているということが明らかになっています。
このようにエクソソームは皮膚細胞からももちろん分泌されており、
常に肌を健康で若々しく保てるような情報を伝達してくれています。
しかし、これも年齢を重ねるにつれて分泌量が減っていってしまうのですね。
それにより、肌を美しく保つことが難しくなり、老化へと繋がっていきます。
そこで今注目されているのが、ヒト由来の幹細胞培養上清液です。
ヒト幹細胞培養液ならもうよく耳にするお話ですが、上清液って何?と初めて聞いた時は思いました。
ヒト由来の幹細胞培養上清液は、ヒトの体に存在する細胞を培養した上澄み液のことです。
この細胞を培養する際に、エクソソームが分泌され、
それが上澄み液に存在しているのですね。
現在は美容医療による注射や点滴などの施術により、
体内や肌に浸透させることによって、
・コラーゲンやエラスチンの産生を促進させアンチエイジング
・傷ついた細胞を再生させる創傷治癒効果
・細胞分裂の活性化によるシワ改善、予防効果
・メラニン生成抑制
・抗酸化効果
など、様々な若返り効果が期待できるのだそうです。
このように、直接投与することで効果を発揮するエクソソーム。
まだこれを配合したコスメは多くないとのことですが、
美容先進国の韓国では開発が進められているそうです。
果たしてエクソソームをスキンケアとして肌に塗布することで、
きちんと効果を発揮することはできるのでしょうか?
それに関しては、まだまだこれからデータが増えていくのかもしれませんね。
弊社も最近このようなお話をいただきましたので、
国内のエクソソームコスメ先駆者として、関わることができているのであれば、
未来は明るいなと感じたいろはね研究員なのでした。
<参考HP>
エクソソームは細胞からのメッセージ!?|地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター研究所 (tmghig.jp)
健康を支える「エクソソーム」とは?その働きと効果、病気との関連性 | NHK健康チャンネル
エクソソームが美容業界を変える?!基本知識から治療への応用まで解説 | グランプロクリニック銀座 (granpro-clinic.com)
【肌再生】を高速化する!効果実感が早い最新進化コスメ【目利きの「早耳ビューティ」】|美容メディアVOCE(ヴォーチェ) (i-voce.jp)
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
花粉をブロック!
皆さんこんにちは!いろはねです!
3月に入り、気温も日に日に暖かくなってきましたね。
暖かくなるとどこかへお出かけしに行きたくなりますが、
この季節になると厄介なのがやはり「花粉」でしょうか。
花粉症の方は今がまさに辛い時期ですよね…
花粉症ではない私でさえも、日によっては少し鼻がムズムズすることがあるので、
もしかして…なんて焦ることがあります。
花粉症って日本人の約4人に1人が持っているアレルギー疾患なんですね。
想像以上に多いな!?と驚いたいろはねです。
しかもその人数は増加傾向にあり、さらに花粉症で苦しむ方が増えると見込まれているそうです。
そんな方々を救ってくれるアイテムが「花粉ブロックスプレー」!
この季節になるとドラックストアの入り口など目立つところに置かれるこちらのアイテム。
よく考えたらどのようなメカニズムで花粉をブロックしてくれているんだろう?
と疑問に思いますよね。
マスクをしているわけでもないのに、本当に花粉をブロックすることはできるの?
今回はこれについてお話していきたいと思います。
〇花粉ブロックの鍵は「静電気」だった〇
個人的に静電気と聞くと、よく冬にバチっとくるあの心臓に悪いやつ…というイメージです。
実は私達は日々過ごしている中で、常に静電気を帯びていて、
それが影響して花粉やウイルス、PM2.5、ハウスダストなどの有害物質を引き寄せてしまっているそうなのです。
外でマスクをして防ぐことができたとしても、静電気を帯びた体には有害物質がいつの間にかびっしり…
それらを自宅に持ち帰ってしまっていると考えると、花粉症の方にとっては恐ろしい話ですよね。
では、どうやって有害物質の付着を防げばよいのでしょうか?
簡単な話、私達の体が静電気を帯びないようにすれば良いわけです。
そこで注目されているのが、「花粉ブロックスプレー」なのですね。
〇帯電防止作用〇
花粉ブロックスプレーの主成分として有名なのが「ヒドロキシプロピルキトサン」
被膜効果があることから肌や毛髪を保護してくれる為、
本来はスキンケアやヘアケアに配合されることが多いです。
また、帯電防止作用も持つため、特にヘアケアにおいては毛髪のくし通りを良くするなどの効果が期待できます。
その帯電防止作用を活用したのが花粉ブロックスプレーです。
これをまとうことによって帯電しにくい身体となり、花粉などの有害物質が付着する心配がなくなるのですね。
〇イオンの力でブロック〇
資生堂のIHADAから出ている花粉ブロックスプレーには上記のヒドロキシプロピルキトサンが配合されておりません。
代わりに「ポリクオタニウム-51」という成分が配合されております。
この成分はカチオン性を持つ保湿剤で、これが肌や毛髪に吸着することにより、
保湿感アップやくし通りを良くしてくれるということで色々と重宝しております。
IHADAはこの成分が持つカチオン性(陽イオン)を活用して花粉を跳ね返す設計をしているのですね。
また、ポリクオタニウム-51は水と油両方の性質を持つ両親媒性物質です。
要は界面活性剤のような役割も持っているということですね。
帯電防止剤について調べますと、界面活性剤の作用によって物体表面に空気中の水分が吸着され、電気抵抗を下げる役割があるとされています。
水は電気を通しますから、水分が吸着されることによってそちらへ電気が逃げていき、静電気が起きにくくなるのだそうです。
乾燥する冬に静電気が多いのはこういうことだったのですね。
つまり、ポリクオタニウム-51も両親媒性物質ということで界面活性剤のように吸湿作用を持つため、静電気の発生を防ぐ働きがあるということです。
それによっても花粉をブロックすることができるのですね。
それにしても、普段スキンケアやヘアケアに配合している成分がこのような面白い商品の基剤として活躍しているということを知ることができ、非常に面白かったです。
花粉症の方からすると使用するのとしないのとではやはり違うのでしょうか?
効果があるのか実際私自身の身体でも試してみたかったのですが、
花粉症ではないのできっとわからないだろうな…と少し残念に思ったいろはね研究員なのでした。
<参考HP>
イハダ アレルスクリーン EX|IHADA〈イハダ〉|資生堂 (shiseido.co.jp)
なぜ吹きかけるだけで花粉が付きにくくなる?覚えておきたい花粉対策スプレーのしくみ|@DIME アットダイム
静電気の「バチッ!!」 静電気が花粉もウイルスも引き寄せる?発生する仕組みと防止法を知ろう | はたらく服と道具とクロスする。 (hataraku-fuku.com)
ポリクオタニウム-51とは…成分効果と毒性を解説 | 化粧品成分オンライン (cosmetic-ingredients.org)
帯電防止剤|日新化学研究所(静電気でお困りなら当社にお任せ!) (nissin-kk.co.jp)
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
マスク生活の味方!クレイのパワー!②
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回に引き続き、クレイについてまとめていきたいと思います。
まず、クレイとは「粘土鉱物」であり、非常に長い年月をかけて蓄積された土の粘土層から掘り起こし、乾燥させ、砕いたものでしたね。
ミネラルやイオンが豊富に含まれているまさに大地の恵み。
クレイは吸着力に優れ、肌に付着している汚れや頑固な毛穴の詰まり、
古い角質などの老廃物を吸着し、取り除く効果があります。
日々のマスク生活により、毛穴の詰まりや開き、ニキビなどを気にされる方が増えているということで、その肌悩みに対してクレイは最適だよね!
というお話を前回させていただきました。
細かいお話はこちらのブログをご覧ください。↓
クレイは大地の恵みということで、その産地によってそれぞれ異なる性質を持ちます。
今回はクレイがどのように分類され、それぞれどのような特徴を持つのかをまとめていきたいと思います。
〇鉱物学的な分類〇
クレイは粘土鉱物ということで、原子レベルまで解析すると、
主に以下のように分類されるのだそうです。
・イライト
・スメクタイト(モンモリロナイトもこの一種)
・クロライト
・マイカ(雲母) など
カオリンやモンモリロナイト、マイカなどは私も聞いたことがあります。
これらが産地によって異なり、使用感などにも影響を与えているのですね。
〇クレイの種類〇
クレイの中身を知ることができたので、ここからが本題です。
①ホワイトクレイ
主原料は火山灰。
カオリナイトは白色であるため、その特徴が色に表れています。
微粒子で、非常に柔らかいのが特徴。
ボディパウダーや歯磨き粉などにも使用されています。
メラニン色素を鎮静化させる作用もある為、日焼け後の肌に使用したり、
気になるくすみ肌をクリアにする効果があります。
②レッドクレイ
こちらも主原料は火山灰。
鉄を多く含んでいるため朱色の泥なのだそう。
レッドクレイに豊富に含まれる鉄分は、血流を促進させる働きがある為、
冷えやむくみに効果的と言われています。
③ピンククレイ
ホワイトクレイとレッドクレイをブレンドしたもの。
ホワイトとレッド、二つの良い効果が緩やかに作用するため、
使用感が非常にマイルドなのが特徴なのだそうです。
④イエロークレイ
①~③は細かい粒子で柔らかいのが特徴でしたが、イエロークレイは粒子が粗いです。
高い洗浄力を持ち、サッパリとした使用感が特徴で、
毛穴の黒ずみや汚れをしっかり取り、引き締め効果もあります。
他にも痛みの緩和や真菌の活性化を防ぐなどの効果も認められているのだそうです。
⑤グリーンクレイ
主な鉱物は、イライト、マイカ、クォーツ。
ミネラル成分が非常に豊富なクレイ。
洗浄力が最も高いと言われており、べたつきが気になる脂性肌に最適と言われています。
抗炎症作用も強い為、ニキビ肌にもおすすめとされています。
⑥ブラウンクレイ
主な鉱物は、スメクタイト。
粒子はやや大きめですが、使用感は柔らかめで洗浄にも汚れ吸着力にも優れているクレイ。
このクレイの面白いところは、水分をなじませるとジェル状になって汚れを吸着してくれるところ。
その特徴を活かし、水で溶いたブラウンクレイをヘアパックとして使用することもあるのだそうです。
実際に触れてみたい…!
クレイといえば、グレーやグリーンをイメージしていたので、
他にもこんなに鮮やかな色のクレイが存在したのですね。
他にも調べてみると、ブルーやバイオレットなどのカラーもありました。
今回色々調べて分かったクレイの高い汚れ吸着力。
特に今年の夏はクレイ洗顔やクレイクレンジングを積極的に取り入れてお手入れをしようと決めたいろはね研究員なのでした。
<参考HP>
vol.081 使い方や効果も沢山あるクレイ② 大地のエネルギーのパワーを持つクレイの種類と使い方 | Villa Lodola(ヴィラロドラ) | 株式会社ミルボン
クレイセラピーとは?クレイには使い方や効果が沢山!ガスール・カオリンなど種類一覧も | Timeless Edition (timeless-edition.com)
最大の魅力は"吸着"作用!クレイのことを、ここでおさらい | up PLUS online (アッププラス) (uppmag.com)
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
マスク生活の味方!クレイのパワー!①
皆さんこんにちは!いろはねです!
皆さんは肌のお手入れで一番どこをケアしたいですか?
私は毛穴ケアですね。
毛穴の汚れをしっかり取って、きゅっと引き締めたい!
そんなスキンケアアイテムをいつも選びがちです。
しかし、スキンケアアイテムって本当に色々ありますよね。
ありすぎて何にしよう…って悩まれる方、実際多いのではないでしょうか?
実は最近、クレイ配合のクレンジングや洗顔、パックなどの依頼が多く、
それらの試作を研究開発メンバーで一生懸命取り掛かっております。
なんでこんなに依頼が多いのだろうか…?とふと疑問に思ったいろはねですが、
1つ目はたくさんのアイテムがある中で、クレイや炭が入ったものってかなり見た目のインパクトが強いですよね?
色がそもそも灰色だったり真っ黒で、効果高そう…そんなイメージを持ちます。
そういう意味で数あるアイテムの中で差別化をしたり、インパクトを残すのには最適な成分なのかもしれません。
2つ目はマスク生活による肌荒れ問題が大きく関わっているのではないかと思います。
これについて調べますと、やはり比較的多いのが毛穴の詰まりや開き、ニキビなどの症状でした。
最近はその辺りに悩み、ケアをしたいユーザーの方が増えているからなのかなと感じます。
ちなみに、アットコスメの洗顔ランキングを見ても1位~3位まで、スクラブやクレイ、炭配合の毛穴ケアに特化したアイテムが勢ぞろいでした!
コロナ前のランキングは泡立ちの良さや後肌の保湿感なども求められていて、
もう少しテイストがちがったような気がしましたが…
もっときちんとチェックしておけばよかった…!
しかし、こういうところも含めて洗い流しアイテムにクレイ配合の波が来ているのかもしれませんね。
クレイってなぜ毛穴ケアに向いているのでしょうか?
まだまだ知らないことが多いので、実際どのようなものなのか色々調べてみました!
〇クレイとは?〇
クレイは「粘土鉱物」です。
何千年~何億年単位という非常に長い年月をかけて蓄積された土の粘土層から掘り起こし、乾燥させ、砕いたもののことを指します。
粘土層は火山が噴火して灰が堆積していき、それが風にさらされたり、
雨や海水によって水分にさらされたりしながら形成されていきます。
その為産地によって若干違いはありますが、長い年月をかけ、
様々な自然の影響を受けながら作られた粘土層には、シリカ(ケイ素)・カルシウム・マグネシウム・鉄分などのミネラルやイオンが豊富に含まれています。
まさに「大地の恵み」ですね。
〇クレイの効果〇
一番はなんといっても「吸着作用」です。
実は、クレイはマイナスに帯電しています。
それに対し、肌に付着している汚れや古い角質などの老廃物はプラスに帯電している為、それらをクレイが磁石の要領で吸着し、取り除く効果があります。
この高い吸着作用が、毛穴に溜まって酸化した皮脂や角栓などの除去に最適なのだそうです。
だからクレンジングや洗顔に配合し、毛穴ケアに特化したアイテムとして有名なのですね!納得いたしました。
ちなみに、先程お話したアットコスメの2021ベストコスメアワード、洗顔ランキングで2位を受賞したKANEBOのスクラブクレイ洗顔もこの吸着効果を活かした使用方法を推奨していました。
一般的な洗顔はもこもこに泡立ててから肌に乗せますが、
こちらの洗顔は泡立てずに肌に乗せるところから始まっています。
これによりダイレクトにクレイが毛穴汚れや角栓を吸着し、
浮いたところをさらにスクラブが絡め取り、最後に水を含ませ泡立てて、
ごっそり汚れを取り去る…
この流れ、クレイのパワーをフル活用できる使用方法ですよね。
そこにスクラブまで入りますから、完璧な毛穴ケアアイテムだと思いました!
もちろん強くこすりすぎるのはご法度ですけどね。
こうして見ると、使用方法って非常に重要ですね。
クレンジングや洗顔などの洗い流しアイテムは、使用した直後に効果が分かるものなので、特に重要になってくるなと感じました。
どんなに中身が良くても、その効果をしっかり感じられる使用方法かどうかによって、
リピートに繋がるか繋がらないかが決まるのかなと思いました。
クレイ自体にも種類がいくつかあり、それによって効果や特徴も異なるのだそうです。
その内容については次週にいたしましょう!
<参考HP>
最大の魅力は"吸着"作用!クレイのことを、ここでおさらい | up PLUS online (アッププラス) (uppmag.com)
vol.080 使い方や効果も沢山あるクレイ① 大地のエネルギーのパワーを持つクレイの効果を知ろう | Villa Lodola(ヴィラロドラ) | 株式会社ミルボン
クレイセラピーとは?クレイには使い方や効果が沢山!ガスール・カオリンなど種類一覧も | Timeless Edition (timeless-edition.com)
クレイ洗顔・クレイパックで毛穴の汚れが落ちる理由とは?|あしたの美肌|美容コラム (duo.jp)
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
安定性試験のリアル
皆さんこんにちは!いろはねです!
さて!今回は研究開発の裏側をチラッとお見せしたいと思います。
この間展示会に出展したこともあり、
ありがたいことにお客様から試作依頼を多くいただいておりまして、
私も日々試作に勤しんでおります。
化粧品の研究開発といえば、ビーカーやホモミキサーを使って様々な試作を行うイメージですが、もう一つ忘れてはいけないのが「安定性試験」です。
これも化粧品の研究開発者にとっては非常に重要なお仕事になります。
なぜそこまで安定性試験が重要なのでしょうか?
一番は、時間が経ってもその状態を維持し、ユーザーさんに安心してお使いいただける高品質な化粧品を提供する為ではないかと私は思います。
もちろん化粧品の安定性は法律に則って管理されておりますので、
それはまた後程お話いたします。
例えば、とっても使用感の良いクリームを試作することができた!
じゃあこれをお客様に試してもらって、高評価だったら早速商品化しよう!
…これではダメなのですね。
「クリーム」って聞こえは簡単だけれど、よくよく考えると中身は水と油、
それぞれ相反するもの同士を界面活性剤の力を使って混ぜ合わせていますよね。
ですので最初は綺麗に作ることができたとしても、時間が経つとそれらが分離してしまう可能性も大いにあるわけです。
だからこそ定期的に試作品の安定性を確認する必要がありますし、
法律によって定められた条件をクリアしたもののみ、商品化することができるのです。
化粧品は混ぜ物ですので、原料同士の相性が悪かったり、
配合比率が釣り合っていなかったり…
他にも様々な要因が重なると、継時で品質の劣化が起きてしまいます。
今までたくさんそういった検体を見てきましたので、
化粧品って結構繊細なものだなと私は思っています。
それではここで、安定性試験の基本的な知識を簡単におさらいしていきましょう。
過去にも詳しくまとめた記事がありますので、ぜひこちらもご覧ください。↓
〇安定性試験〇
基本的に化粧品の安定性は、3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています。
しかし、3年以上も試験を行い続けるのは時間やコストもかかります。。。
その為、あえて検体を様々な悪環境に投じ、その品質状態を加速させ、
3年以上の品質維持が可能かどうか、通常よりも早く結果が出るように試験を行っています。
これを一般的に「加速試験」と呼んでいます。
<加速試験>
代表的な加速試験は、40℃の環境下に検体を保管し品質状態を加速させる試験。
これであれば試験期間6ヵ月で3年間の品質維持を担保したことになり、
3年以上試験する必要がありません。
これでだいぶ試験期間は短縮できますが、企業によっては45℃で4か月、
50℃で3か月などさらに過酷な条件で試験を行うところもあるようです。
簡単に安定性試験について書かせていただきましたが、
私達が実際に行っているのは、室温(25℃)で3年間と40℃で6ヵ月、
この2つの手法で今まで安定性試験を行ってきました。
試験内容は、pHや比重・粘度測定、色やにおいの確認などが主です。
それぞれ作成日、翌日、一週間後、1か月後、2か月後…という風に定期的に検体の安定性を確認しています。
検体が多い日は下の写真のようにカゴいっぱいに詰めて一気に試験を行っています。
これが正直結構時間がかかる作業でして、半日時間を費やす日もあります。
計測している時はただひたすら集中!ですね。
試作品も、改良を重ねていくにつれてどんどん増えていきます。
それらを全てチェックするため、このようにかなりの量になるのですね。
安定性試験は先程も述べたように、期間が決められているため、その通りに試験を行う必要があります。
私は忘れっぽいので、PCのカレンダーには検体の名前がびっしり…!
中々リアルなお話になってきておりますね(笑)
最近嬉しいことに、新しい機械を導入していただき、安定性試験の幅が広がりました。
先程お話したように、今までは室温(25℃)&40℃の2つの環境下で検体を保管し、
安定性試験を行ってきていましたが、新たに45℃保管、5℃~40℃を行き来するサイクル試験も可能になりました。
45℃保管は4ヵ月、サイクル試験は10日間で結果を出すことができます。
また、最近流行りのバームなど、温度依存性の高い検体も安定性を見ることが可能になった為、安定性試験の幅が広がったことで、試作の幅も広がりました。
これからも高品質な化粧品開発を目指し、日々安定性試験も頑張っていきたいと思ったいろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!