洗顔クリーム作ってみた!
皆さんこんにちは!いろはねです!
12月に入り、2019年も残り1か月となりましたね!
12月は忘年会やクリスマスに大晦日…たくさんイベントがあってワクワクします!
さて!題名の通り私は先月、処方のメカニズムをリアルに学ぶ為、洗顔クリームを作りました!今回はそれについてお話していきます!
まず、洗顔クリームについてです!
脂肪酸と水酸化カリウム(KOH)を中和させて作ることができます。
この反応を「けん化」とも言います。
脂肪酸とは、植物油脂の主成分「トリグリセライド」からグリセリンを取り除いたもののことを指します。
<よく使用される脂肪酸>
・ラウリン酸(炭素数12)
・ミリスチン酸(炭素数14)
・パルミチン酸(炭素数16)
・ヤシ油脂肪酸(炭素数12~18)
使用する脂肪酸とその配合バランスによって、泡の立ち方や、その質感、洗浄力などに違いを持たせることができます。
基本は洗浄力を持たせるために炭素数の低い脂肪酸を使用しますが、それ以外の機能として炭素数の多いステアリン酸も配合すると、その結晶がキラキラしてパールっぽい見た目になることで高級感を演出することもできます。
シャンプーでもよくありますよね!
また、洗顔クリームは水分を多く含んでいる為、保湿成分や美容成分などを配合することが可能です。
そうすることでメーカーごとに差別化もしやすく、とてもバリエーションの多いアイテムとなっています。
では早速、実際に作った洗顔クリームのお話をしていきます!
洗顔クリームを作る上で重要な反応が「けん化」と「乳化」です。
その反応を起こす土台となるのが、水系成分・油系成分・精製水・水酸化カリウム。
これらをそれぞれ量りこんでおきます。
〇けん化反応を起こす
①油系成分は80℃になるまで加熱します。
②その間に精製水と水酸化カリウムを混合させます。
※必ず精製水に水酸化カリウムを入れることです!
そして、撹拌しながら一気に入れます!
そうしないと、ビーカーの底で水酸化カリウムの濃度が高くなってしまい、そこの温度が急激に上昇することで沸騰し、大爆発してしまう危険性があるからです…
この時はドキドキしました…触れると危険というか本当に危ないので…!
③精製水と水酸化カリウムの混合液も80℃になるまで加熱します。
※この時、水系成分も80℃になるまで加熱しておきます。
④80℃に到達したら、油系成分に③を入れてけん化反応を起こします。
※徐々に中和していく為、最初はしっかり撹拌することが重要です。
ただし、やりすぎてしまうと泡が立ってしまうので力加減が難しかったです…!
また、温度が下がってしまうとけん化反応が起きにくくなってしまう為、温度の管理にも気を付けました!
〇乳化反応を起こす
⑤けん化反応を終えた試料に、80℃まで加熱した水系成分を加えることで乳化反応が起きます。
※この時も泡を立たせないように、でも乳化を起こすためにしっかり撹拌することが求められました…!これも難しかったです!
⑥あとは温度計とにらめっこしながら、30℃以下になるまでしっかり撹拌しながら冷却していきます。
この時、徐々にクリームっぽい硬さになっていき、その変化を観察するのがとても面白かったです!
⑦30℃以下まで冷却したら、「脱泡」という作業に入ります。
脱泡とは・・・試料の中に混在している不要な泡を取り除くことです。
私が行った脱泡方法は、真空状態にして一時的に気圧を下げることにより試料を沸騰させやすくして、不要な泡を取り除くという作業を行いました!
脱泡の注意点は、あまりやりすぎないことです!
沸騰させているわけですから、洗顔クリームの中の必要な水分までもが蒸発してしまい、固形になってしまうからです。
冷却時しっかり撹拌したことによって泡をどうしてもかんでしまう為、この工程はとても重要です!
脱泡をする時は試料が沸騰する為、どんどん泡がもこもこしてきます…!
なので、大きい容器に少しずつ入れて脱泡していきます。
この作業を何度も繰り返していきます!
少し見づらいですが、途中で脱泡前と脱泡後の比較写真を撮ってみました!
脱泡前は、かなり泡を含んでいたので硬めでした。
しかし!脱泡後は見違えるようにツヤが出て、トロトロになりました!
これを2,3日置いて完成です!
写真だと硬さが伝わりにくいのですが、2,3日置いたところ、よく見る洗顔クリームの硬さにきゅっと締まっていました!感動です!
さらに!ステアリン酸の結晶が少し見られ、パールっぽくなっていました!
…と、ここまではうまくいったと思ったのですが、実際に泡を立ててみようとすくってみたところ、ダマができてしまっていることに気づきました…
泡が立ってしまうのを恐れて、中和時と冷却時の撹拌が足りてなかったのかな?と考えました。
悔しい…!
見てください!ちゃんと洗顔クリームとしての機能を発揮してくれました!嬉しい…
泡は、とてもきめ細かくてクリーミーな状態でした!
もう少し弾力のある泡になったらさらに洗顔として恰好がつくかな?と思いました。
それには脂肪酸の配合バランスを変えてみればいいのかな?など色々考えました。
やはり実践をすることで、より反応のメカニズムが理解しやすくなります!
次こそは完璧なものを作りたい…!と思いを馳せるいろはね研究員なのでした。
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください!↓
化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!
最後までお読みいただきありがとうございます!
ブログランキングにも参加しています!
下のバナーをクリックしてくださると嬉しいです!