新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

増粘剤比較してみた!~番外編~

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

前回は、増粘剤を2%水溶液にして比較実験を行った結果についてお話しました!

増粘剤には、調整方法によってさらに特異的な増粘を示すものもあります!

比較実験で使用した増粘剤の中に面白いものがいたので、その実験もやってみました!

今回はそれについてのお話をしていきます!

ということで、使用したのは「タマリンドガム」です!

タマリンドガムは、東南アジアに生息する巨大常緑樹であるタマリンドの種子を分離・精製した多糖類になります。

タマリンドの果実は古くからインドや東南アジアで家庭常備薬・調味料として利用されてきました。

果肉の甘酸っぱさを活かし、食品分野では清涼飲料水・ジャム・デザート・カレー・お菓子などに使用されています。

化粧品に使用しても安心安全な増粘剤です。

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タマリンドの種子

タマリンドガムの何が面白いのか!といいますと…

糖類やアルコール類と併用することで増粘・ゲル化するところです!

◎糖類・アルコール類の持つ脱水作用によってタマリンドガム分子が凝集する

◎水素結合によってネットワークを形成する

これら2つの化学反応によって、増粘とゲル化が起こるというメカニズムです。

今回は、化粧品によく用いられる、多価アルコールのグリセリンを用いてゲル化の様子を実際に見てみることにしました!

配合比率は、タマリンドガム1%、グリセリン30%、残りは精製水

これを80℃くらいまで加熱し、室温まで冷却した状態を観察しました。

 

〇結果〇

前回、水溶液の時はとてもサラサラとしたトロミであったのに対し…

グリセリンと併用すると…

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プルプルのタマリンドガム!

写真のように、手で持てるほどプルプルとした弾力のあるゲルに変化しました!

多価アルコールを加えるだけでこんなにも質感に変化が現れるのか!

化学反応のパワーってすごい!と改めて感動しました!

でも、こんなプルプルの質感って食品なら想像できるけど、化粧品の場合は…?

このプルプルな感触、どこかで触ったことがあるような…?

と思った時、以前美里先生とアシスタントのゆっきーさんと一緒に行った横浜中華街のとあるお土産屋さんで見た「こんにゃく石けん」を思い出しました!

そこで、実際にこんにゃく石けんの全成分を調べてみたところ、やはりタマリンドガムが配合されていました!

あの時はまだ、なぜこんなプルプルの質感が出せるのだろう?と謎に包まれたままだったので、それを実際に実験することができ、とてもスッキリしました!

 

増粘剤のお話はここでいったん終わりになりますが、

今や化粧品のニーズとしてテクスチャーは非常に重要です。

増粘剤もその調節に必要不可欠な存在となっています。

また、最近は保湿クリームなどの粘度調節にカルボマー(合成ポリマー)が配合された商品がたくさん市場に出ています。

化粧品原料の開発技術も発展し、ポリマー系の界面活性剤が流通し、乳化技術のノウハウがなくても、とても簡単に保湿クリームが作れる世の中になりました。

またそれが本当に簡単にクリームが作れてしまうのです!

しかもテクスチャーが良い!とても便利ですよね!

しかし!

もちろんカルボマーを使用しなくても保湿クリームはきちんと作ることができます!

その技術を習得してこそ化粧品技術者です!

そのお話についてはまたの機会にしたいと思います(^^)/

 

タマリンドガムのプルプルな質感が病みつきになりかけた、いろはね研究員でした。

 

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