新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

アルコールハンドジェルを作りたい!

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

最近世界中で話題が絶えないコロナウイルス

感染者の方が増えていくニュースを見ると心が痛みます…

一刻も早く終息することを願うばかりです…

感染を拡大させないためにも個人で体調管理、徹底しなければなりませんね!!

皆様もどうかお体には気をつけてお過ごしください…。

 

さて、この騒動でユーザーさんが入手困難になっているアイテムの一つが

アルコール除菌系のアイテム」ですね…!

ウイルスも殺してくれるということで、喉から手が出る程欲しい方も多いはず…!

化粧品OEM会社として、除菌アイテムを必要としている方やお困りの方の力になりたい…!という一心で、アルコールハンドジェルを作ろう!というお話になりました。

初めての試みなので、ゴールへ向かうにはまず、基礎実験が必要ですね!

そういえば…ジェルと言えば…?

前回カルボマーの基礎実験をしたばかりでした!

sawayaka0302.hatenablog.com

前回の記事では、3種類の中和剤を用いてカルボマーのジェルを作成し、それぞれの粘度や質感などを比較しました。

今回はこれをさらに応用しまして…

透明なジェルのまま、アルコールを何%まで配合することができるのか?

基礎実験で作成した3種類のカルボマージェルを用いて、それぞれ検証してみました!

 

〇実験内容〇

目標:アルコール配合濃度60%以上の透明なジェルを目指しました!

実験方法:それぞれ量りこみした3種類のジェルを撹拌機にかけながら、10gずつアルコールを加えていき、その様子を観察しました!

〇結果〇

①アルギニン

アルギニンのジェル40gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。

結果、アルコール濃度約43%で完全に白く濁り、白い粒子のようなものを確認しました。

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アルギニンジェル アルコール添加後

②水酸化Na

水酸化Naのジェル30gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。

結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました

③水酸化K

水酸化Kのジェル40gに対し、アルコール40g配合するところまでが限界でした。

結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました

しばらく放置していたら、濁りが取れて半透明にまで変化していたので、さらにアルコールを10g加えてみましたが、やはり白く濁ってしまいました…!悔しい!

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アルコール添加後の様子(左からアルギニン/水酸化K/水酸化Na)

※この写真だと、アルギニンがアルコール添加から少し時間が経過していた為、すでに白さが少し抜けています。アルコール添加直後は白く濁っていました!

(上部の写真参照)

 

全体を通して、アルコール濃度60%以上の目標に到達することはできませんでした…!

3種類の中和剤を用いたカルボマージェルでは、アルコール濃度が40~50%以上に差し掛かると透明感を保てなくなり、白く濁ってしまうことがこの実験で分かりました。

アルコール添加時は、少しずつ入れる度に白く濁り、しっかり分散されるとまた透明に戻る現象を繰り返し、それが限界に達すると白く濁ったまま戻らなくなるという傾向が見られました。

また、静置しておくと白さが抜けて透明感が戻るという現象も見られたので、試しに2日後の様子も見てみました!

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アルコール添加2日後(左からアルギニン/水酸化K/水酸化Na)

2日経過するとかなり白さが抜けていますね!

しかし…完全に透明ではなかったことと、粘度がサラサラでジェルとは言えない状態だったので、この3種類の中和剤ではアルコールハンドジェルを作るのが難しいのだということも分かりました!

また、アルコールの殺菌効果は、40%あたりから現れ、70%で最大の効果を示すと言われています。

つまり、今回の結果は一応殺菌効果を示すことができるアルコール濃度に達していましたが、最低ラインなので、確実とは言えません。

 

市販のアルコール除菌ジェルの中和剤としてよく用いられるのは「トリエタノールアミン」と呼ばれる成分です。

アルギニンや水酸化Na、水酸化Kが中和剤としてあまり使われていないのは、アルコールを多く抱え込むことが難しいからである!ということを今回の基礎実験で知ることができました!

こうして基礎実験から多くのことを知ることができ、とても良い経験をさせていただいております!

カルボマーの中和剤も、どのようなアイテムを作るかによって変わってくるのですね…

うーん!奥深い!

また経験値が増えたいろはね研究員なのでした。

 

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