新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

化粧品と微生物①

 

皆さんこんにちは!

8月ももう半ばに入り、皆さんはお盆休み中でしょうか?

本来ならば旅行や花火大会など楽しい予定がたくさんつまっている時期ですが、

中々厳しい状況が続いていますね…

今年はいろんな意味で新しい夏になりそうです!

ウイルスや暑さに負けず、夏を楽しみましょうね!

 

さて、ここまで化粧品の品質管理について記事を書き続けてきました!

今回もそれに沿った内容となります!

まずは題名にもあるように、微生物のお話からいきましょう!

微生物は、私たちの生活にとって非常に良い影響を与える存在でもあり、

とんでもない問題を引き起こしてしまう存在でもありますよね…!

皆さんは微生物と聞くとどんなイメージをお持ちになるでしょうか?

〇良いイメージ〇

・食品

お酒、味噌、醤油、パン、チーズ、乳酸飲料などなど、他にも色々あると思いますが、これら全てに共通するのは「微生物の発酵」です!

・肌フローラ

お肌の健康を維持するために常在している細菌のことです!

この常在細菌のバランスを保つことが美肌の秘訣と言われています!

お肌を常に弱酸性に保つことによって、その常在細菌が暮らしやすい環境になり、バランスを保つことができると言われています!

これだけではなく他にも微生物はたくさん良いことをしてくれています!

〇悪いイメージ〇

・疫病

・食中毒

などなど…目に見えない非常に小さな生物なので、私たちに害を与える存在となると簡単には太刀打ちできません。

現に今もコロナウイルスという新たな脅威と戦っていますからね。

とても恐ろしいです…

 

ということで良い影響と悪い影響、どちらにもなりうる微生物ですが、

化粧品にとっての微生物はどんな存在になるのでしょうか?

〇良いイメージ〇

・肌にも環境にも優しい、微生物の発酵生産素材を用いた化粧品原料

・肌フローラを整える化粧品原料やアイテム  など

〇悪いイメージ〇

商品の腐敗による品質劣化と肌トラブル  など

ほとんどの化粧品には微生物が生きていくのに欠かせない水が配合されているため、

何も対策をしなければ菌が増えたり、カビが生え、腐敗していきます。

腐敗してしまうと異臭や変色、異物の発生など様々な品質劣化を生じさせたり、気づかず使用してしまえば大きな肌トラブルにつながります!

そうならないためにも化粧品には防腐剤が配合されているのですね!

しかし、ただ配合すれば化粧品は安全!と思ってはいけません!

重要なのは、

化粧品の使用中に微生物が混入した場合、それらが増殖しないかどうか?

⇒日常生活のいたるところに微生物は存在しているため、化粧品を使用すればそれらが中に混入することは当たり前にあるのです!

例えば、お風呂場でシャンプーの詰め替えをしたときに水滴が入ったら、それにも微生物が無数に存在しているので、汚染の原因となります。

ちなみに、残りが少なくなってきたからといって蛇口から出た水で薄める…

なんてしてる方…あまりいないと信じたいですが、あえて菌を入れてしまっていることになるのでよくないですよ…ボソボソ…

ということで、もし防腐剤が配合されていなかったら、混入した微生物はシャンプーに含まれる水や成分を栄養にしてどんどん増殖してしまいます。

防腐剤が配合されていれば、混入した微生物はそれによって死滅するか静菌することになります。

配合した防腐剤は、長期間効果を発揮し続けることができるのか?

⇒以前の記事でも書いたように、化粧品は3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています。

つまり最低でも3年以上は防腐剤も効果を発揮し続ける必要があるということです!

これらを確認することが非常に重要なのですね!

そして、この試験のことを「防腐効力試験」と呼びます!

 

<防腐効力試験>

防腐効力試験は、日本薬局方における医薬品のための試験方法

また、海外の薬局方海外の化粧品工業会によるガイドラインなどを参考にして行われています!

〇試験方法〇

指定された種類の微生物を一定量の化粧品に添加し、その微生物が、配合した防腐剤によって指定された期間内に死滅、静菌したかどうかを確認します。

指定の微生物は、過去に汚染された化粧品から検出された頻度や、肌トラブルや健康被害をもたらした例を考慮して選択されます。

それ以外に各メーカーでは、自社製品から出た微生物を追加し、試験する場合もあります!

 

続いて指定の微生物はどのようなものがあるのかを書いていきたかったのですが、長くなりそうなので、次回にします!

化粧品に防腐剤は微量しか添加されませんが、それだけの量で混入してきた無数の微生物と戦い、安定性と安全性を維持してくれています!

最近は防腐剤フリーという言葉が当たり前のようにあり、

ユーザーさんにあまり良いイメージを持たれませんが、

そんな防腐剤も化粧品にとっては重要な存在なのだなということが分かります!

しかし、防腐剤は刺激になるものもあり、配合しないに越したことはないので、

防腐剤フリー処方には化粧品の技術力が問われると思います! 

 

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