グリセリンのおもしろ機能
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近11月とは思えないほど昼間は暖かいですが、朝と夜は風が冷たく、
身体も冷えやすくなってきましたね。
ということで、今回はそんな肌寒い毎日にピッタリな話題にしました。
以前私はヒートテックがなぜ暖かいのかをブログ記事にまとめましたが、
その内容に少し似ているお話しです。
ちなみにその記事はこちら ↓
題名にも書いたグリセリンは、ほとんどの方が知っている成分かと思います。
化粧品には必ず配合されていると言っていいくらい、とっても代表的な成分です。
そんなグリセリンの効果として有名なのは、もちろん「保湿効果」なのですが…
実は他にも面白い効果を発揮してくれるということをご存じでしたか?
それはズバリ、「温感」です。
グリセリンで温感?一体どういうことなのでしょうか?
〇グリセリンの保湿機能〇
まずはグリセリンについて基本的なところに触れていきましょう。
グリセリンはグリセロールとも呼ばれ、アルコールの一種になります。
構造は、以下のようにOH基(水酸基またはヒドロキシ基と呼ぶ)を3つ持っています。
この、OH基を2つ以上持つアルコールは「多価アルコール」と呼ばれ、グリセリンもその内の一つです。
このOH基を構造中に持つ成分は、水の中に入るとマイナスの電荷を持つため、水と結合しやすいと言われています。
これはどういうことかと言いますと…
水の分子式は「H2O」ですよね。
このH2Oは、以下の図のように水の中で電気的に解離していると考えられています。
そのためOH基を持つ成分は水の中に入るとマイナスの電荷を持ち、水と結合しやすくなるということなのですね。
つまり、水に溶けやすく、空気中の水分を集めるため、高い吸湿性を持つということになります。
グリセリンも構造中にOH基を3つ保有しているので、水に溶けやすく、非常に吸湿性が高い保湿成分として、多くの化粧品に配合されているのですね。
〇グリセリンの温感はどこから?〇
さて、グリセリンの保湿機能を知ったところで、本題に入りましょう。
グリセリンは水と相性が良く、吸湿性の高い成分ということがわかりました。
グリセリンの温感は、この保湿効果が発揮されるときに現れるのです。
グリセリンの構造式をもう一度思い出していただいて…
グリセリンのOH基に水が結合することで、高い吸湿性を持つのでしたよね。
そう、この結合時に熱が発生するのです。
この反応を「水和熱」と呼びます。
ただ、水が多く配合されているアイテムでは、そちらとすでに反応しきってしまっているため、塗布時に温感は生じません。
温感を得ることができるのは、全成分表示の一番最初にグリセリンが表記されるような、グリセリンベースの化粧品になります。
よくあるのはホットクレンジングやマッサージジェルなどですね。
ホット○○というアイテムを見つけたら、全成分表示を見てみてください。
グリセリンが一番最初にいると思います。
これらのアイテムには水がほとんど配合されていないため、
塗布時に皮膚の水分とグリセリンが反応して水和熱が発生し、じんわりとした温感効果を得られるのです。
ドラックストアなどで販売されているただのグリセリンでも同様に温かさを感じることができますよ。
グリセリンについては美里先生のブログ記事がとても分かりやすいので、是非ご覧になってください。
このグリセリンの水和熱と、ヒートテックの吸湿発熱が似ているなと思い、今回この記事を書いてみました。
温感を得られる化粧品は、凝り固まった身体をほぐしたり、皮膚を柔らかくして毛穴に詰まった汚れを落としやすくしてくれるため、クレンジングなどにはもってこいですよね。
グリセリン特有の、じんわりポカポカする温感は、身体が冷える今の時期にはぴったりかもしれませんね。
グリセリンを化学的に見てみるとこんなに面白い現象も持っているのだなと、また一つ勉強になったいろはね研究員なのでした。
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください!↓
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