新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

保湿成分の分類

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

お鍋の美味しい季節がやってきましたね。(去年も言っていた気がします)

だいぶ空気も乾燥していますので、色々なウイルスに負けないようにしたいですね。

乾燥といえば、毎年この時期は保湿力の高いスキンケアを取り入れますよね。

私も夏場は使わないクリームをつけたり、パックをする回数も増えます。

ということで今回は、

化粧品によく使用されている保湿成分を復習も兼ねてまとめていきたいと思います。

 

保湿」は化粧品に欠かせない素敵なワードですよね。

しかし保湿とは言っても、

みずみずしく水分を補いたいのか

それともしっとりとさせてうるおいを保ちたいのか

という風に、

どのような保湿効果を与えたいのか?」という箇所が非常に重要です。

保湿成分には様々な機能を持つものが存在しています。

そして、その機能によって大きく分類されています。

では、どのように分類されているのでしょうか?

 

〇モイスチュアライザー〇

自ら空気中の水分を集める性質を持つ保湿成分を指します。

つまり、吸水性を持つ成分ということになります。

代表的なのは「砂糖」です。化学的に言えば「スクロース」ですね。

お料理する時を想像してみてほしいのですが、

保管しておいたお砂糖を取り出す時、ゴロッとした塊ができていることはありませんか?

あれは、砂糖自身が空気中の水分を集める性質があるために、湿ってくっついてしまうからなのですね。

身近な現象と結びつけるとイメージしやすいですね。

<メリット>

時間が経過しても、持続的に肌に水分を与えてくれます。

<デメリット>

空気中が乾燥している冬場などは、水分を集めることができなくなります。

そのため、肌から水分を吸収し、逆に乾燥を招いてしまいます。

 

〇ヒューメクタント〇

こちらは与えられた水分を構造中に保持する性質を持つ保湿成分です。

つまり、保水性を持つ成分ということになります。

代表的なのは、皆さんよくご存じの「ヒアルロン酸」です。

ヒアルロン酸は1gにつき6Lもの水分を保持することができるのもご存じの方が多いかと思います。

なぜこんなにも水分を保持することができるの!?純粋にすごいですよね。

というのはですね…ヒアルロン酸の構造に秘密が隠されています。

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ヒアルロン酸の構造式

こちらはヒアルロン酸の構造式です。

参考HP:ヒアルロン酸とは | ファインケミカル | キユーピー

ヒアルロン酸の分子量は、80~120万とされています。最大で200万ほどです。

図の中の赤い丸で囲んだ箇所に注目していただくと、nの文字がありますよね。

このカッコに囲われているのが最小単位になります。最小の分子量は411だそうです。

例えば分子量が120万のヒアルロン酸であれば、赤丸で囲んだnは…

2900くらいになりますね!

つまり、カッコで囲われた分子が2900個ほどあるということになります。

かなり高分子なのではないでしょうか?

私たちはこのような成分を「ポリマー」とも呼んでいます。

では、今度は水色の丸で囲んだ箇所をご覧ください。

これは、ヒドロキシ基(-OH基)を丸で囲んでいるのですが、

この官能基は水と結合しやすい性質を持ちます。

詳しい説明は、以前グリセリンについてお話した際にまとめていますので、

ぜひそちらもご覧になってみてください。↓

sawayaka0302.hatenablog.com

つまり、ヒアルロン酸が持つ高い保水機能のミソは、

①分子量80~120万という高分子であること

②その高分子な構造中に、水と結合しやすいヒドロキシ基(-OH基)を多く保有していること

この2つの特徴を持つことによって、

ヒアルロン酸は水を与えられるとスポンジのように非常に多くの水分を抱え込むことができるのです。

<メリット>

非常に大量の水分を抱え込むことができます。

<デメリット>

自力で水分を集めることができないため、時間とともに保持していた水分が蒸発し、

乾燥してしまいます。

 

〇エモリエント〇

皮膚の外へ水分が蒸発しないよう保護してくれる成分です。

つまり、バリア機能を持つ成分ということになります。

このエモリエント効果は主に「油性成分」が持ちます。

特に乾燥が気になる冬場は、皮膚を保護している皮脂の分泌も低下しますので、

それを補う形で油性成分がたっぷり配合された保湿クリームを肌につけるのですね。

保湿クリームってだいたいスキンケアの最後につけるかと思います。

それは油性成分がエモリエント効果、つまり皮膚から水分が蒸発しないように保護する力を持つからなのですね。

<メリット>

皮膚表面を保護し、水分が蒸発しにくくなります。

<デメリット>

モイスチュアライザーやヒューメクタントのように、空気中の水分を集めたり、

構造中に水分を保持することはできません。

 

ということで、保湿成分のそれぞれの機能を簡単にまとめました。

「保湿」という共通点はありますが、保湿の仕方にそれぞれ異なる特徴を持っているということがわかりますよね。

化粧品の開発は、これらの性質を理解しつつバランスよく配合することが非常に重要

なのだということを学びました。

うるおい重視なのか、持続性重視なのか…具体的な保湿効果をイメージしてから、

保湿成分の選択をしていくということですね。

「化粧品は混ぜ物」という言葉がよくわかる分野だなと思いました。

 

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