新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

縁の下の力持ち?②

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

最近日中の日差しが強くなってきたように感じます。

これからさらに暖かくなり、肌が出るような服装に変わっていきますので、

日焼け止めがたくさん活躍する予感。

学生の頃は大丈夫!と謎の自信で日焼け止めを全く塗らずに外出していたことが恐ろしいと思うほど、今は紫外線対策必須です。

 

では、本題に入りましょう。

前回の続きになりますね!

化粧品における、縁の下の力持ち達をご紹介!という内容です。

前回の記事↓

sawayaka0302.hatenablog.com

どうしても化粧品の第一印象として、

ブランドやパッケージ、容器、使用感、美容効果…この辺りに注目しがちですが、

それ以外になくてはならない非常に重要な成分達がいました。

前回に引き続きそれらをご紹介していきたいと思います。

 

まずは前回のおさらいから。

〇縁の下の力持ち達とは?〇

防腐剤

酸化防止剤

pH調整剤

pH緩衝剤

増粘剤(乳化安定剤としても機能)

 私はこれらを挙げさせていただきました。

前回は①防腐剤と②酸化防止剤について書かせていただきましたので、今回は③pH調整剤から参りましょう。

 

pH調整剤

pH(ペーハーorピーエイチ)とは、水溶液中の水素イオン濃度(H⁺の量)を指します。

0~14までの数値で表し、中間の7が中性とされています。

7より低いと酸性、7より大きいとアルカリ性を示します。

そして、私達人間の肌はpH4.5~6の弱酸性を維持する機能を持っていて、化粧品もこのpH領域に調整するのが好ましいとされています。

そこで登場するのがpH調整剤なのです。

あまりにも化粧品のpHが酸性だったりアルカリ性だったりすると、

肌トラブルの原因となるため、pH調整剤は必要不可欠なのです。

主に化粧品に使用されているpH調整剤は、

酸性に調整する成分・・・クエン酸、リン酸、乳酸など

アルカリ性に調整する成分・・・水酸化カリウム水酸化ナトリウム、アルギニンなど

が挙げられます。

さらに、pH調整剤の真骨頂といえば、クレンジングジェルやオールインワンジェルなどのジェルアイテム!

このようなアイテムには、一般的に「カルボキシビニルポリマー(通称:カルボマー)」と呼ばれる水溶性高分子が配合されています。

このカルボマーは、アルカリ性に調整するpH調整剤を使用し、中和することによって、プルッとしたジェルに変化する成分です。

つまり、ジェルアイテムにもpH調整剤は必要不可欠なのですね。

そんなアイテムを見つけたら、ぜひ全成分表示を観察してみてください。

必ず水酸化ナトリウム(水酸化Na)、水酸化カリウム(水酸化K)という表記が最後の方にあると思います。

 

pH緩衝剤

③に続きまして、pH緩衝剤ですね。

buffer(バッファー)とも呼ばれているのですが、これはpH値を維持するために配合する成分のことです。

なぜこのpH緩衝剤が必要なのかと言いますと、化粧品に配合している純粋な水(精製水)は、空気中の物質(二酸化炭素など)に反応して容易にpHが変動してしまうことがあるのです。

pH調整剤でせっかく肌のpH値に近づけたのに、その数値が下がったり上がったりしてしまうと、それがまた肌トラブルの原因になりかねません。

そのような影響を受けないためにも、化粧品の品質を保つためにも、

ph緩衝剤は必要不可欠ということなのですね。

 

増粘剤(乳化安定剤としても機能)

これで最後になりますね。

これは、化粧水や美容液のとろみ演出、粘度の補助役、感触改良、ジェル系アイテムによく使用される成分のことを指します。

また、この増粘機能を利用し、乳液の分離を抑制する乳化安定剤として用いられたりもします。

増粘剤だけで、これだけの機能を付与することができるのですね。

かなり心強い縁の下の力持ちです。

つまり、増粘剤がなければ、ジェルも作れませんし、あのトロッとした高級感のあるとろみ演出もできないということなのです。

増粘剤の種類としては、

・合成ポリマー・・・カルボマーなど

・天然ポリマー・・・キサンタンガム、セルロースガム、タマリンドガムなど

が挙げられます。

カルボマーは先程もお伝えしましたが、pH調整剤を用いて増粘する成分ですね。

天然ポリマーは植物由来のものがほとんどです。

 

ということで、化粧品における縁の下の力持ち達を簡単にご紹介させていただきました。

化粧品の処方を考えるとき、当たり前に配合されている成分だからこそ、

その存在を忘れてはいけませんよね。

今回挙げた縁の下の力持ち達はお料理で言ったら、調味料的な立ち位置でしょうか?

お味噌汁を作るのにお出汁を入れなければ味気ないのと同じように、

必ずなければならない大きな存在に、改めてありがたみを感じました。

私達が心地よく安心して化粧品を使えるのは、これらの成分達が配合されているからだということを私も忘れずに、これからも化粧品開発に携わっていきたいと思います。

今回の話題もまとめていて面白かったなあと思ういろはね研究員なのでした。

 

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