クリーム作り~目に見えない世界のお話①~
皆さんこんにちは!いろはねです!
もう完全に夏が到来しましたね!
外は気温が高く室内はエアコンガンガン…という生活が始まりました。
外と中での気温差、そして季節の変わり目、さらにはマスク生活を強いられる毎日…
皆様体調は崩されていませんか?
気候の変動に負けず、頑張りましょうね!
さて、今回はガラッと話題を変えまして、乳化のお話をしていきたいと思います。
乳化といえば、皆さんは乳液やクリームが思い浮かぶでしょうか。
肌を美しく保つために必要な水分と、バリア機能を高めるオイル成分をダブルで効率良く補給できることから、スキンケアには欠かせないアイテムとなっています。
乳化反応は肉眼で見ることのできない、ミクロな世界で繰り広げられています。
今回は、乳化アイテムの代表格であるクリームに焦点を当て、どのようにして完成していくのか、目に見えない世界をイメージ図に起こしていきたいと思います。
それでは参りましょう!
〇乳化技術について〇
乳化の世界は非常に複雑で、奥深い分野になります。
乳化自体はもう皆さんもご存じの通り、本来混じり合わない油と水の相反する成分同士を、界面活性剤によって繋ぎとめ、混ぜ合わせる反応のことです。
この乳化にもいくつか技術がありまして、私もまだまだ勉強中の領域です。
今回焦点を当てるのは「転相乳化法」という技術になります。
これは、エマルションが油中水(W/O)型から水中油(O/W)型に逆転する温度「転相温度」を利用して行う乳化技術です。
この技術は、非常に微細なエマルションの形成が可能で、それによる使用感や安定性の高さが特徴です。
<W/O型?O/W型?>
これは過去のブログにもまとめさせていただきました!
乳化にはエマルションタイプがいくつか存在し、それぞれが持つ特徴を活かして化粧品アイテムが作られています。
このように真逆なタイプなのです。
W/O型は、水をはじく油がベースとなっているため、ウォータープルーフの日焼け止めなどに活用されています。
O/W型は、ほとんどの乳液やクリームが該当します。
<転相?転相温度?>
近年よく乳化に使用される界面活性剤として、ノニオン界面活性剤(非イオン界面活性剤)が挙げられます。
これは、水に溶けた時にイオン化しない親水基を持ち、水の硬度や電解質の影響を受けにくい非常に使いやすい界面活性剤です。
中でも代表的なのが、酸化エチレン(エチレンオキサイド:EO)を付加させたタイプになります。
これの持つ特徴が、転相と深く関わっています。
それは何かと言いますと…
酸化エチレン型ノニオン界面活性剤のHLB(親水性・親油性バランス)は、温度によって大きく影響を受けます。
高温では親油性、低温では親水性を示すのです。
つまり、このタイプの界面活性剤を使用した乳化は、
加熱されたばかりの高温時 ⇒ W/O型
だんだん冷却していき、ある温度に達すると ⇒ O/W型
このように、温度の変化によってエマルション状態が逆転する現象を「転相」
その現象が起こる温度のことを「転相温度」と呼んでいます。
〇クリーム作り〇
さて、少し難しいお話が続きましたが、転相乳化法については理解できたでしょうか?
ここからいよいよ本題に入ります。
今度は、この乳化法をイラスト化していきながら話を進めてまいりましょう。
<クリーム作りの手順~転相乳化法~>
①オイル(植物オイルやエステル油)+界面活性剤を加熱する。(油相)
②水相も加熱する。
③①をホモミキサーにかけながら、②を少しずつ添加していく。
④最後は手撹拌でゆっくり冷却。
という手順になります。
ここでは③の工程が最も重要であり、目が離せないポイントになります!
この先の細かいお話は、次回にいたしましょう。
お楽しみに!
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