新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

アトピー性皮膚炎にはセラミドが有効?②

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

皆さんお盆休みはいかがお過ごしでしたでしょうか?

私もブログをお休みさせていただき、外出はあまりできませんでしたが、

その分ゆっくりとしたお盆休みを過ごすことができました。

長期休みでボケた頭の体操にどうかお付き合いくださいませ…(笑)

 

では早速前回の続きと参りましょう。

前回はアトピー性皮膚炎患者が近年増えていることや、

大人になってから発症してしまうケースなどを取り上げました。

今回は本題となる、セラミドはなぜアトピー性皮膚炎に有効なのか?

これについて、2つのポイントに絞ってまとめていきたいと思います。

 

アトピー性皮膚炎発症のメカニズム

まずはなぜアトピー性皮膚炎を発症してしまうのか、

そのメカニズムを"肌構造と絡めながら"見ていきたいと思います。

前回アトピー性皮膚炎の発症は、食生活やライフスタイルの変化、

室内アレルゲンの増加など様々な要因からなるとまとめました。

アトピー性皮膚炎はこれらに影響され、肌が本来持っているバリア機能が低下してしまうことで発症してしまうのですね。

バリア機能が低下してしまうことで肌状態は一体どのようになってしまうのでしょうか?

簡単に皮膚の構造をおさらいしながら紐解いていきましょう。

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皮膚断面図 illusACより 

(皮膚構造のイラストはさすがに自作することができませんでしたので、

プロの方の画像を拝借いたしました…)

イラストをご覧いただきますと、皮膚は外側から表皮、真皮と構成されていますね。

そして、表皮の最も外側にあるのが角層であり、ここが皮膚のバリア機能を担っていると言われています。

バリア機能というのは、うるおいを保ち、乾燥やほこり、菌などの外部刺激から肌を守るために備わっている機能のことを指します。

角層をより細かく見ていきますと、角質細胞が何層にも構成されていて、

その隙間を埋めるように細胞間脂質が存在しています。

さらにこの細胞間脂質は、脂質層と水分子の層がミルフィーユ状に規則正しく重なっていて、この中の脂質層にセラミドが存在しています。

つまり、セラミドの存在は肌のバリア機能を保つ上で非常に重要ということがわかりますよね。

充分にセラミドで満たされた正常な角層であれば、バリア機能がきちんと働き、

外部刺激に影響されない丈夫で健康な肌状態を保つことができます。

しかしアトピー性皮膚炎の場合は、上記で挙げた要因によってセラミドが不足し、

角層内が隙間だらけの状態になってしまうのです。

そうなるとバリア機能が低下し、うるおいは逃げ、外部から様々な刺激が侵入しやすくなります。

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健康な皮膚とアトピー性皮膚炎の違い

 引用:アトピー性皮膚炎の症状・原因|くすりと健康の情報局 (daiichisankyo-hc.co.jp)

様々な刺激が皮膚内へ侵入してくると、それを追い出そうと免疫細胞が働き、

ヒスタミンという物質を出して炎症が起きるのだそうです。

その炎症によって激しいかゆみが生じ、皮膚を搔きむしってしまうことでさらにバリア機能が低下し、また外部刺激に影響されて…と悪循環に陥ります。

これがアトピー性皮膚炎の正体です。

また、この症状は敏感肌も紙一重で、乾燥しやすく赤みがでたり、

ひどいときはヒリヒリしたり皮むけしたり…

そんな場合も角層内のセラミドが不足し、バリア機能が低下しているからこそ起こる症状なのですね。。。

ここまでまとめますと、より一層セラミドの存在がいかにアトピー性皮膚炎に効果的かということが理解できます。

 

 

セラミドの性質

①でセラミドは角層の細胞間脂質に存在しているとお話しました。

細胞間脂質は脂質層と水分子の層が規則正しくミルフィーユ状になっているとのことでしたが…

これよく考えると不思議じゃありませんか?

例えばコップに油と水を入れて混ぜたら、次第に上が油、下が水という風に分かれますが、交互に層になることは絶対にあり得ませんよね。

しかし、角層内ではそれが実現している…一体なぜなのでしょうか!

この謎にセラミドの性質が大きく関わっています。

セラミドは油の一種なのですが、その化学構造が実に特徴的で、

油と馴染みやすい疎水基と水と馴染みやすい親水基の両方を持っているのですね。

つまり、セラミドが脂質層と水分子の層のつなぎ目として働くことで、

ミルフィーユ状の連続層を構成することができているのです。

セラミドが不足してしまうとそのつなぎ目がなくなってしまうわけですから、

みっちりうるおいが保たれていた角層内のバランスが崩れ、隙間だらけのデリケートな状態に陥ってしまうというわけなのです。

セラミドは「スフィンゴ糖脂質」とも呼ばれ、イラストのように規則的に並び、

脂質層と水分子の層をつなぎとめてくれています。

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 引用:花王 | スキンケアナビ | 角層の細胞間脂質 (kao.com)

 

以上2点のポイントを挙げましたがいかがでしたでしょうか?

アトピー性皮膚炎や敏感肌にはセラミド保湿のケアが必要不可欠ということがこれで分かりましたね。

少しでも肌の調子が悪いときはセラミドで保湿!と心がけていただくと良いのかもしれません。

そういう意味で私はセラミドを大々的にオススメしたいところですが、

実はセラミド、非常に高価で非常に溶けにくく扱いにくい成分なのですね。

そのため、高配合が難しくなかなかの強者です…

もちろん高配合を実現している素晴らしいメーカーさんもありますが、

まだまだ難しいのが現状です。

セラミドの効果をフルに活かすことができ、尚且つ高配合するためには、

高度な技術が必要ということになります。

弊社ではそんな課題をクリアした、一押しの技術もありますので、

気になる方はぜひお問い合わせください!(ちゃっかり宣伝)

セラミドケアをして、一緒に美肌を目指しましょう!

 

参考HP

セラミド | 成分情報 | わかさの秘密 (wakasa.jp)

肌の必須成分「セラミド」とは (kao.co.jp)

 

いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓

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