新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

はかりのお話

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

もうあっという間に8月が終わろうとしていますね…!

何となくですが秋のさっぱりとした匂いや風を感じるようになってきました。

真夏のジリジリとした暑さは苦手でしたが、それが過ぎ去ってしまうとなんだか少し寂しいような…なんとも不思議な気持ちになりますね(笑)

 

それでは本題に入りましょう。

今回は「はかり」をテーマにお話ししていきたいと思います。

はかりと言えば、私生活では郵便物の重さをはかったり、料理やお菓子作りなど様々なシーンで使用していますよね。

そしてもちろん私達研究者にとっては、試薬や原料の重さをはかるのに必要不可欠なアイテムです。

今回なぜこの話題にしたのかと言いますと、

化粧品を話題に出す時ってほとんどが成分のお話だったり化学のメカニズムなどが多い気がします。

私も今までそのようなお話が多かったのですが、

初心に帰ってみると私達研究者が当たり前に使用している「はかり」のことって意外と知らない方が多いのではないだろうか?

私たちが普段お仕事をしている現場の裏話とかしたら面白そう!

ということに気がつき、この話題になったということですね。

(ブログのネタ探しに困っていたので、師匠にアドバイスをいただいたというのはここだけの話…笑)

ということで!

そんな私達研究者の相棒とも言える「はかり」について、早速まとめていきたいと思います。

 

〇化粧品技術者がよく使用しているはかりは?〇

まず、実験に使用するはかりのことを「電子天秤」と呼んでいます。

 

実験や研究レベルになりますと、原料の配合比率や試薬の濃度など精密に調整する必要があります。

実験のスタートははかりこみから。

何事もスタートが肝心です。

少しでもその数値にブレがあれば、実験結果に大きく響いてしまうことがあるため、

高精度なものを使用しなければなりません。

その高精度なはかりが「電子天秤」なのです。

私がよく使用しているのは、大きく分けて2種類です。

①0.01gから計量できる電子天秤

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0.01gから計量可能な電子天秤

写真:分銅内蔵型汎用天びん GXシリーズ | 計量 | 商品・サービス | 株式会社エー・アンド・デイ (aandd.co.jp)

②0.01mgから計量できる電子天秤

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0.01mgから計量可能な電子天秤

写真:分析天びん AUW-Dシリーズ|島津製作所の天びん(天秤)・はかり : 株式会社島津製作所 (shimadzu.co.jp)

これらを使い分けています。

 

〇どのように使い分けているの?〇

「化粧品は混ぜ物」とよく言うように、液体から個体、粉体まで様々な原料を掛け合わせて化粧品は作られています。

それらの配合量も処方によって細かく割り振られています。

特に、植物エキスや香料などは非常に微量でも効果を発揮してくれるため、

配合量は0.00〇%~0.0〇%とかなり少なく設定することもあります。

その際に②のような電子天秤を使用します。

ここまで軽いものをはかるとなると、ほんの少しの振動や刺激で数値が動いてしまうため、精密に計量できるように写真のような風よけの装置も付いています。

このレベルの計量、意外と難しく、あとちょっと足りない…多すぎた…

と繰り返してやっと計量できた…なんてことがよくあります(笑)

それ以外のベースとなるような成分は全て①の電子天秤で計量するような形ですね。

 

 

〇家庭用と実験用の違い〇

電子天秤のお話をしてきましたが、実際家庭用とは何が異なるのでしょうか?

ちなみに家庭用のはかりと言えばこのようなイメージですよね。

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家庭用のはかり

写真:家庭用デジタルホームスケール UH-3305 | 計量 | 商品・サービス | 株式会社エー・アンド・デイ (aandd.co.jp)

一般的な家庭用のはかりは、最低でも0.1gから計量できるものがほとんどで、それより精度の高いものはほとんどないのではないかなと思います。

後は、電源ボタンと、風袋を引けるボタンが付いているくらい。

もちろん家庭用であれば十分の機能です。

ここで実験用と家庭用の写真を比較しますと、電子天秤の方は何やらボタンがたくさんついていますよね?

そうなんです。電子天秤には電源ボタンと風袋を引くボタンに加え、

・MODEボタン

gだけではなく%や宝石類を計量する時のカラットまで様々な単位に切り替えられるボタン

・CALボタン

キャリブレーションと呼ばれる、電子天秤の感度調整を行うボタン

・PRINTボタン

プリンターに計量値データを印刷することのできるボタン

製造現場などでは、製造時の計量データを記録しておく必要がある為、よく使用しています。

などのボタンもついています。

実際のところ、この中ですとMODEボタンはあまり使っていません。

%は計算できますし、カラットは必要ありませんからね(笑)

重さをはかるという意味では同じでも、活躍の場が違えばこんなにスペックが異なるのですね!

 

はかりと言えば少し余談になりますが、私が小学生くらいの頃、

地元のお肉屋さんなどで受け皿にお肉を乗せると針が動いて〇gとわかる「ばね式はかり」もよく見かけました。

しかし、最近はほとんど電子タイプのものになってきていますよね。

はかりについて色々と調べていたら画像が出てきたので、少し懐かしい気持ちになりました。

さらにもっと昔は天秤で重さをはかっていたんですよね。

はかりだけでも多くの歴史が語れてしまいそうだなと思ったいろはね研究員なのでした。

 

最後までお読みいただきありがとうございます! 

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