頭皮に優しいヘアシャンプーの設計①
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回ははかりのお話をさせていただきましたが、いかがでしたか?
個人的には家庭用と実験用のはかりの違いをはっきりさせることができましたし、
前回の記事を読まれた皆さんも、化粧品開発の現場が少しイメージしやすくなりましたでしょうか?
これからも裏側の面白そうな話題があれば取り上げていきたいと思います。
逆にこんな事知りたいな!などあればネタを募集したいくらいです。
・・・甘えてはいけませんね(汗)
それでは気を取り直して、本題へと入りましょう!
今回のお題は「頭皮に優しいヘアシャンプー」です。
具体的にどういうことかと言いますと、
うるおいを保持しながら頭皮を洗浄してくれるヘアシャンプーのことと考えていただければOKです。
様々な肌質の方がいらっしゃるように、頭皮の状態も人それぞれ。
皮脂でべたつきやすかったり、
逆に乾燥しやすかったり、ひどい時はかゆみやフケが出てしまったり…
頭皮が敏感な方もいらっしゃるということですよね。
そんな方々向けに開発された頭皮に優しいヘアシャンプー。
これについて今回はまとめていきたいと思います。
内容としては、
①どんな洗浄剤が頭皮に優しいの?
②一体どのようなイメージ&メカニズムで開発されているの?
大きく2つに分けてお話していきたいと思います。
〇どんな洗浄剤が頭皮に優しいの?〇
ヘアシャンプーのベースとなる洗浄剤。
これにも様々な種類があります。
中でも頭皮に優しいと言われているのが「アミノ酸系洗浄成分」です。
敏感肌用などのアイテムにはこの手の洗浄剤が使用されています。
主にヘアシャンプーで使用される洗浄剤は、アニオン(陰イオン)界面活性剤でして、
中でもよく見るのは「ラウリル硫酸ナトリウム」ですかね。
ドラックストアで販売されているお財布に優しいヘアシャンプーのほとんどに
この成分が配合されていると思いますので、ぜひチェックしてみてください。
アニオン(陰イオン)界面活性剤は、非常に泡立ちが良く、高い洗浄力を持ち、
皮脂もしっかりと取り除いてくれる為、よく配合されているのです。
洗い上がりもスッキリ、サッパリが特徴的です。
汗や皮脂が出やすい体質の方や夏場などにはぴったりな成分かもしれません。
しかし、先程もお伝えした通り頭皮が乾燥しやすい敏感な方もいらっしゃいます。
そういう方がこの洗浄剤配合のヘアシャンプーを使用し続けると、
うるおい保持に必要な皮脂までもが洗い流されてしまう為、
頭皮のバリア機能が低下し、より乾燥してしまったり、かゆみや炎症を引き起こしてしまうケースがあるのです。
つまり、そういう方にはうるおい保持をしながら汚れを落としてくれる成分が必要になります。
それが「アミノ酸系洗浄成分」なのです。
ではなぜ、この成分が頭皮に優しいと言われているのでしょうか?
アミノ酸は、私達の皮膚や髪の毛の主成分となるタンパク質を構成している成分です。
また、構造的に油分を掴む力が穏やかであるため、頭皮に必要な保湿成分も洗い流してしまう心配はありません。
しかもアミノ酸自体が保湿効果を持つものもあるため、総じて頭皮に優しいということになります。
<アミノ酸系洗浄成分にはどんなものがある?>
過去にもこのような内容でまとめたような記憶があるのですが、
再度改めて復習したいと思います!
上記で頭皮に優しい=保湿成分は残してくれる洗浄成分
としてアミノ酸系洗浄成分を挙げましたが、種類が様々です。
・グルタミン酸系
昆布やチーズなどに多く含まれるアミノ酸「グルタミン酸」タイプの洗浄成分です。
高い保湿効果を持ち、しっとりとした洗い上がりが特徴です。
その反面、泡立ちや洗浄力は非常にマイルドです。
代表格:ココイルグルタミン酸Na、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸TEAなどなど
・アラニン系
豚肉や海苔、ホタテなどに多く含まれるアミノ酸「アラニン」タイプの洗浄成分です。
アミノ酸系洗浄成分の中で最も泡立ちが良いのが特徴です。
洗浄力もやや強いです。
代表格:ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンTEA、ラウロイルメチルアラニンNaなどなど
・グリシン系
エビやカニ、牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類に多く含まれ、菌を抑える静菌作用があると言われているアミノ酸「グリシン」タイプの洗浄成分です。
こちらもアミノ酸系洗浄成分の中では比較的泡立ちが良いのが特徴です。
ややきしみが強くなりがちな傾向があり、石けんの使用感に近い特徴も持ちます。
そのため、メインとしてではなく他の洗浄成分と併用して使用されていることが多いです。
代表格:ココイルグリシンNa、ココイルグリシンTEAなどなど
・タウリン系
イカやタコ、貝類などの魚介類に多く含まれ、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしたり、血圧を正しく保つアミノ酸「タウリン」タイプの洗浄成分です。
きめ細かい泡立ちが特徴で、泡切れが良く、さっぱりとした使用感が得られます。
その反面、グルタミン酸系のような高い保湿効果はないため、
こちらもメインとしてではなく他の洗浄成分と併用して使用されていることが多いです。
代表格:ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ココイルメチルタウリンタウリンNaなどなど
引用HP:アミノ酸シャンプー・アミノ酸洗浄成分の種類と特徴 (t-tree.net)
他にもサルコシン系やアスパラギン酸系などもありますが、よく見るアミノ酸系洗浄成分は上記の通りですかね。
これらをベースとして、頭皮に優しいヘアシャンプーの開発がされています。
それぞれの特徴を活かしながら、緻密に配合バランスが考えられています。
その細かいお話は次回にしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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