研究開発現場と製造現場
皆さんこんにちは!いろはねです!
今回はTHE現場の裏側!な内容でお送りしていきたいと思います。
私達化粧品OEMの技術者は、ビーカーワークでの試作を日々何度も繰り返しています。
それが最終的にお客様に採用されますと、製造現場へバトンタッチされていきます。
研究開発現場と製造現場は、スケールが大きく異なりますので、
私達研究者は製造現場でも全く同じものが作れるように処方設計を組み、
製造工程を考えながら日々の試作をすることが求められます。
つまり、ビーカーワーク時に最高の試作品ができた!と思っても、
それが製造現場で製造できるのかと言いますと、工程によっては難しく、
非常に苦戦するというケースもあります…。
弊社でもまさにそういうケースが最近起こりました。
それについて今回は少しお話していきたいと思います。
弊社では、他のメーカーさんでは実現できないような新しい技術を生み出しています。
それについては過去のブログをご覧いただければ嬉しいです!
新しい技術である分、今までにない剤型をしていることが多い為、
通常の製造工程では難しく、ゼロからそれを考えることになります。
製造現場は一度に何十、何百kgもの量を製造する為、
現場の方がいかに効率良く安全に進められるかということを考えなければなりません。
今回この壁にぶつかったのが、弊社の技術HC-R乳液でした。
(技術の詳細は上記のブログに記載しております)
こちらも新しい技術であり、剤型が全く新しい為、
通常のクリームや乳液と同じ製造工程では実現が不可能であるということが判明した為、何度も頭の中で製造工程のシミュレーションを行いました。
例えば弊社の乳化製品(クリームや乳液)は、
真空乳化釜と呼ばれる大きなホモミキサーが搭載された製造機器を使用します。
製造機器にもそれぞれ条件があり、この乳化釜で最も重要となるのはホモミキサーにバルクがかかるまで何kg必要なのか?ということです。
乳化をするにはホモミキサーが必要不可欠です。
油相をホモミキサーにかけながら水相を添加していくというのが絶対条件ですので、
それが実現できなければ綺麗なクリームや乳液は作れません。
まずこの条件に満たない…!という壁にぶち当たり、この問題をどう解決すればよいのだろうか…とかなり苦戦しました。
技術自体を再度おさらいし、この条件に変更すれば乳化も問題ないし、
製造現場でも再現できるのではないか?と推測し、
まずはビーカーワークからもう一度その工程で作成しなおしてみてどうなるか?
それで実際上手くできたらそこから本製造の練り直しです。
あとは製造量を変えたら解決するのではないか…?
でもそうすると最初の工程で躓いてしまうな…
ならばここの工程まではこの機械で行って…それが終わったら次は…
というように一つ一つ問題を噛み砕いて解決していきました。
こうしてみると、研究開発現場と製造現場の関係性は密接につながっていなければならないし、新しい技術であればあるほど現場での再現が可能かどうかをより一層慎重に考えて開発をしなければならないのだなということを学ぶことができました。
私が所属する会社は部署間の壁がほとんどないため、今回のようなケースがあると研究開発と製造現場のメンバーで話し合いを行います。
何とかこの工程ならできる!と確信できるまで話し合いを繰り返すことで、
問題を解決していきます。
このコミュニケーションって非常に大切ですよね。
だからこそ、他のメーカーさんができないような新しい技術を日々生み出すことができているのだなと感動した、いろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
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