新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

泡立ち=洗浄力?

 

皆さんこんにちは!いろはねです!

今回は花王さんのHPで面白い記事を見つけましたので、それについてお話していきたいと思います。

洗顔やボディソープにシャンプー…

皆さんは、これらにどのような機能を求めますか?

泡立ち?洗浄力?それとも泡切れの良さ?保湿力?

色々あると思いますが、中でも泡立ちの良さを求める意見はやはり多いのではないでしょうか?

泡立ちが良ければそれだけで汚れもスッキリ落ちたように感じますし、

もこもこの泡であればあるほど、使用時に充実感があります。

つまり、泡立ち=洗浄力と感じている方が多いと思うのです。

しかし、この関係って実際のところどうなのでしょうか?

それについてまとめてくださっていたのが、花王さんです。

花王さんの泡研究は、とても素晴らしいものでした…。

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 〇泡立ち=洗浄力ではない〇

実は、泡立ちの良さは直接洗浄力に関係しているわけではないらしいのです。

花王さんの記事にも書いてありますが、

「衣類用洗剤は非常に洗浄力は高いけれど、洗濯機の中が泡まみれになることはないですよね。」

確かにそうだな…

では何が洗浄力に寄与しているのでしょうか?

それが、界面活性剤なのですね。

皆さんもご存じの通り、界面活性剤は親水基と親油基を構造中に持っているんでしたよね。

この水にも油にも馴染みやすい機能が、水と汚れという相反するもの同士を繋げる役目を担ってくれています。

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界面活性剤による洗浄のイメージ図

参考HP:日本石鹸洗剤工業会 石けん洗剤知識 洗濯

つまり、洗浄力は界面活性剤の力によって機能している為、泡とは直接関係がないということなのですね。

いくら泡立ちが良くても、界面活性剤のような汚れを浮かせて取りこむ力がなければ、結局汚れは落ちていかず残されたままになってしまいますよね。

 

〇なぜ泡立ちの良さが求められるのか?〇

洗浄力に関係していないのであれば、そこまで泡立ちの良さにこだわらなくても良いのではないか?と思いますよね。

しかし、ほとんどの洗顔やボディソープなどの洗浄系アイテムは泡立つように設計されています。

それは泡立ちの良さによって様々なメリットがあるからなのですね。

①肌への負担を減らしてくれる

洗顔をするときはしっかり泡立てた方が肌に負担が少ないと聞きます。

衣類用洗剤や食器用洗剤は、肌を洗浄するものではないため、もこもこの泡が立たなくても界面活性剤が汚れを十分に落としてくれます。

しかし、洗顔やボディソープなどは肌を洗浄する為、その負担を減らす優しさや心地よさが非常に重要となるのですね。

泡は肌と手の間にクッションとなって摩擦を低減してくれるからこそ、洗浄力と直接関係はなくても泡立ちの良さが重視されるのですね。

②密着性を高めてくれる

もし、シャンプーなどが衣類用洗剤のようにサラサラであまり泡立たなかった場合、頭につけてもすぐに流れ落ちてきてしまって上手く洗えませんよね。

いくら界面活性剤の力で汚れを落とすことができるとはいえ、落としたい汚れに直接作用できなければ意味がありません。

そういう時に泡立ちの良さが鍵になるのですね。

水で流したりへたったりしなければ、その場に密着してとどまってくれるところが泡が持つメリットの一つというわけです。

③付けたこと、落ちたことが一目でわかる

泡とともに洗浄できるのであれば、それがきちんと洗いたいところに付いて、しっかり落ちたと一目でわかる方が安心ですよね。

肌に付けて良いとはいえ、きちんと落とせていなければそれが肌トラブルに繋がることもあるので、重要な機能と言えます。

つまり、泡立ちはこれらのメリットがあるからこそ、ふわふわな泡やもちもちの泡、ぬるぬる残らない泡などアイテムやニーズに合わせて設計されていたのだなと知ることができました。

 

洗浄系アイテムは、

洗浄力=肌への刺激が強い

肌への刺激が少ない=洗浄力がイマイチ

というのが昔からの課題だったそうですが、

花王さんはそれを解決する新機能を発見しました。

それが「高密度泡なら勝手に油を吸引してくれる」という新機能!

つまり、高密度な泡なら洗浄力も高めることができるということ。

泡立ちは洗浄力と関りがないという常識を見事覆したのですね。

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この記事を読んだときに、洗浄力がマイルドなアミノ酸系界面活性剤でより高密度な泡を実現することができれば、市販の石けん系アイテムよりもさらに肌にマイルドで、

尚且つ洗浄力も高い、高機能なアイテムを生み出すことができるのではないか…?

と思ったいろはね研究員なのでした。

 

最後までお読みいただきありがとうございます! 

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