W/OとO/W?
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回ブログにて告知しました、ダイエット&ビューティーフェア2020は本日までです!
あっという間の最終日、張り切って頑張ってきます!
そして、その後は4連休も待っていますので、今から何をしようかワクワクしているいろはねです(笑)
さて!今回は乳化アイテムのちょっとした見分け方を教えてもらったので、それについてまとめていきたいと思います!
皆さんは、乳化アイテムにタイプがあるのをご存じですか?
題名にも書いた通り、大きく分けて二種類あります!
まず、「乳化」はもうご存じの通り、
水と油の相反する液体同士を界面活性剤の力を利用して混ぜ合わせることですよね!
そして、これら液体同士が混ざり合った状態を「エマルション」と言います!
このエマルションにタイプがあるのです!
それが、「O/W型エマルション」と「W/O型エマルション」です!
どんなイメージかと言いますと…
自分でイラストを作成してみました!(笑)
つまり、
水の中に油が存在しているのが、O/W型エマルション(水中油型)
油の中に水が存在しているのが、W/O型エマルション(油中水型)
ということになります!
イメージしやすくなったところで、身近な例を挙げますと…
O/W型エマルションは、生クリーム
W/O型エマルションは、バター
なのです!
さらに発想を膨らませると、コーヒーに生クリームは容易に溶けて混ざりますが、バターはなかなか溶けないですよね。
食べ物で例えるとこんなイメージです!
では、化粧品はどうでしょうか?
<O/W型エマルション>
使用感:ベースが水になるので、肌にスッと軽く伸びてみずみずしい使用感が特徴です!
今は乳液やクリームのほとんどがこのタイプと言われています!
<W/O型エマルション>
使用感:ベースが油になるので、濃厚でリッチな使用感です!
水になじみにくい性質を利用して、ウォータープルーフの日焼け止めなどもこのタイプになっています!
しかし、O/W型やW/O型があると言われても、どちらも見た目は白く乳化した状態…
どっちがどっち?というのは、使用感で確実に区別することはできませんし、それだけでは確証もありませんよね。
ここで簡単な見分け方があるのですねー!
実際にやってみました!
まず適当に精製水を用意しまして…
そこへ市販の乳液を投下!
そうしますと…投下した瞬間にフワーッと溶けていきました!
そのまま少し観察していますとさらに溶けていき…
水面に少しオイルのようなものが浮いているだけで、最後に白い塊はほとんど溶けて消えていきました!
このように容易に水に溶けていったということは、
この乳液はO/W型エマルション!
先程のイメージ図で、O/W型エマルションは周りが親水基で囲まれていましたね!
つまり、水と非常になじみやすい為こうして容易に溶けていったのですね!
対して、濃厚でリッチな使用感のクリームを滴下してみました!
こちらは滴下してもすぐに溶けていきませんでした!
そして、時間が経過してもそのままクリームの塊が残っている状態でした!
ということは、これはW/O型エマルション!
先程のイメージ図で、W/O型エマルションは周りが疎水基で囲まれていましたね!
つまり、エマルション自体が水となじまず撥水性を持つ為、なかなか溶けていかなかったのですね!
今回のちょこっとした実験で、
O/W型かW/O型か容易にわかってしまうのですね!
こうして実際に実験してみると、先ほどのイメージ図や使用感の違いとリンクできて、さらに理解しやすくなります!
こうした地道な確認実験も化粧品を知る上では非常に重要だなと感じた、いろはね研究員なのでした。
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展示会への意気込み
皆さんこんにちは!いろはねです!
早く秋らしい気候になりませんかね…今年は残暑が厳しいです(汗)
さて!題名にもある通り、ある展示会に出展させていただくことになりましたので、
それについて書いていきます!
ついに来週に迫りました!
9/15(火)~17(木)10:00~18:00、東京ビッグサイトにて開催される美容の祭典!
ダイエット&ビューティーフェア2020(第19回)に向けて現在ドタバタと準備が進んでおります!
今回の展示会は入場者数が制限されており、入場には事前登録が必要です!
招待状のみ持参での入場はできませんので必ず事前登録をよろしくお願いします!
来場されたい方は下記のURLから飛んでいただくと登録が可能です!
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そして!
今回の展示会では美里先生のセミナーも開催されます!ぜひいらしてください!
無料でお話を聞けちゃいます!
美里先生ご本人がブログに詳細を書かれていますので、セミナーをご覧になられる前にこちらを読まれるとより面白いと思います!
今回展示会へ出展するにあたり、準備をする中で新たに経験できたこと、学べたことがたくさんありました!
一つ目は、前回記事にしたエビデンスを取りに行けたことです!
以前美容部員として働いていた時もお肌の水分量と油分量を計測する機器を使用していましたが、あれは目安的な物で、そこまで精度が高いわけではないということに気づくことができました!
だからこそ、専門の機関に依頼をし、精密な測定機器で様々な肌データを取ることで、自社の独自技術の効果を証明することができるのですね!
今回は自分も被験者の一人となって、実際に測定機器に触れることができ、
非常に良い経験となりました!
二つ目は、自社の製剤技術をしっかり学べたことです!
今回の展示会では、独自の製剤技術達をメインにブースを設けます!
入社した当初は、何これ!使用感めっちゃ良い!今まで触ったことのない感触!
なんてすごい技術なんだ!と感覚的な面でしかその技術を把握できていなかったように感じます…。
しかし今回の展示会へ向けて、一般的な技術とどのように異なるのか?
どのような仕組みでこの使用感が成り立っているのか?その結果お肌に与える効果は?
この技術の開発経緯は?など具体的な部分を落とし込むことができました。
他社には真似できないこの素晴らしい技術を、来場されたお客様に上手くお伝えしたい…!その心意気で今回ブースに立たせていただきます!
どっしり構えている者がいたら私かもしれません(笑)
今回の展示会での個人的な目標は、これらの技術をアウトプットしていくことで、さらに理解を深め、しっかりと頭に定着させることです!
自身のさらなる成長の為、このチャンスをフルに活用したいと思います!
少しずつできる仕事が増えてきたタイミングでの展示会、今の自分には何ができるのかしっかり考えながら無駄のない時間にしたいと思っています。
そして、1人だけではなく会社の皆さんと一緒に作り上げる展示会だと思っています!
今回の展示会は、こんなご時世なので開催が危ぶまれ、中々思うように準備を進めることができませんでしたが、無事に開催が決まり、まさに今ラストスパート!というところです!
いろはねは果たして今回の展示会において、出展する側として、本番で何を学び、感じとることができるのでしょうか!
当日がとても楽しみです!精一杯頑張ります!
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エビデンスを取りにいきました!パート2
皆さんこんにちは!いろはねです!
9月突入ということで、暦では秋ですが、まだまだ暑い日が続きますね(汗)
さて!今回は題名の通り、エビデンスを取りに行ってきましたので、それについて書いていきたいと思います!私はこれで2回目になります!
1年の間に2回もエビデンスを取りに行かせていただけるなんて光栄です…!
ちなみに、初めての時もブログに書いておりますので、まだお読みになったことがない方はぜひ!↓
今回のエビデンス試験は…
対象検体:自社開発の乳液と一般的な乳液(2種類)
被験者:3名(年齢20代~40代)
試験目的:検体を塗布し、2時間後の肌への影響を比較
測定項目:1.水分量 2.水分蒸散量 3.弾力量
試験方法:
①クレンジング&洗顔をし、15分間待機
②塗布前測定
③半眼ずつ検体を塗布
④2時間待機
⑤洗顔し、15分間待機
⑥塗布後測定
という流れで行いました!
前回と試験方法がいくつか異なり、また新しい経験をすることができました!
<異なった点>
①クレンジング&洗顔方法を統一
これは人によって力加減やなじませ方、洗い方が異なりますよね!
その違いだけでも正確なエビデンスデータが取れなくなってしまうのです!
例えば、
・強い力でゴシゴシ洗うと、肌本来の弾力が変わってしまう
→正確な肌弾力を測定できない
・洗浄が不十分だと毛穴の中に汚れが残り、検体が浸透しにくくなってしまう
・洗浄後はペーパータオルで丁寧にふき取り、水気が残らないように十分注意する
→水分量データに影響が出てしまう
このように、被験者同士の条件が同じになるよう徹底されていました!
②非常に正確な時間管理
ストップウォッチで毎回時間を計り、被験者ごとに少しでも時間にズレが生じないよう徹底されていました!
また、今回はコロナウイルスの影響もあり、密を避けるため、
緻密なスケジュールが組まれており、被験者同士が被らないよう、
1人ずつ別室で計測をしていただけるようになっていました!
③待ち時間の過ごし方
ここにもいくつか条件がありました!
・顔に手を触れてはいけない
→肌に手が触れてしまうと水分量が変化してしまうリスクがあるため
・寝ない、しゃべらない
→皮膚を動かしてしまうとそれによって水分が余分に蒸散してしまうため
・たまに顔を上に向ける
→待ち時間中、スマホやパソコンはOKだったのですが、それだとずっと同じ体制になってしまい、皮膚が固まり、偏ってしまうため、上を向いてリセットする必要がありました!
④プロの方による計測
プロということは、計測機器の使い手ということになりますね!
ここまで書いてきたように、エビデンスは被験者同士をほぼ同じ条件に統一する必要があるので、プロの技術をお借りするのが一番なのです!
測定時は顔を固定し、目も閉じ、表情筋を動かさないように測定を行いました!
目を閉じなければならなかったので、自分の肌がどのような状態だったのか
リアルタイムで見ることができなかったのは悔しいところですが…!
計測後にプロの方が説明をしてくれたので、そこで色々とお話を伺うことができました!
実はこの時、測定項目になかった毛穴やシワの状態も写真に撮ってくださったのです!
ここでとても面白かったのが、普段のスキンケアの癖が毛穴やシワの状態で分かってしまうということです!
私の場合は小鼻横の毛穴が開いてしまっていて、真横にスキンケアを伸ばしてつける癖がありました(笑)
逆にフェイスラインの毛穴流れは下に向いてしまっていたので、このままだとこれが将来ほうれい線の原因になるかもしれないとのことでした…
なので、スキンケアは下から上に少しリフトアップするような気持ちでやるとほうれい線対策になり、より浸透しやすくもなって良いということを教えていただきました!
⑤検体の塗布方法
④で一人ずつ毛穴やシワの流れが異なることを教えていただいたので、もちろん検体の塗布方法も統一しなければなりません!
その方法とは…
毛穴の溝が目立たなくなるように皮膚を少し上に持ち上げながら塗布しました!
こうすることで毛穴流れの違いをカバーすることができるのですね!
ということで、これらの条件に従い、自社開発の乳液を塗った私のお肌はどうだったのでしょうか?
細かいところは見ることができませんでしたが…
結果、水分量が上昇し、うるおいが増しましたー!うれしいですね!
対して、毛穴やシワの部分は塗布前とそこまで変化が見られませんでした。
水分量などは1日でもデータが取れるのですが、毛穴やシワに関してはすぐに効果が出るわけではないので、最低でも2週間以上は時間が必要になるのだそうです!
2週間かけてお肌がどう変化していくのか見てみたかったですねー…!
それに関してはどうしてもお金が関わってきますのでなかなか厳しい…(汗)
こうして実際に体験すると、原料メーカーさんや大手化粧品メーカーさんは何十人で何十日間のエビデンスデータをたくさんお持ちなので、規模の違いに改めて驚きました!
次は長期間のエビデンスデータを取ってみたいと願ういろはね研究員なのでした。
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小さな小さな世界
皆さんこんにちは!いろはねです!
8月が終わるというのに毎日毎日暑いですね!
これだけ毎日暑いと身体が慣れてきても良いはずなのに全くそんな気配がありません!
相変わらず大汗をかきながら職場へ向かっております(笑)
9月もこの暑さ…続きそうですね…頑張りましょう…
さて、前回は防腐効力試験のお題から、微生物のお話をさせていただきましたが、
微生物達のいる世界って、私達人間の目には見えないとっても小さな小さな世界なんですよね!
あんなに小さな生物が様々な働きをしているのだと知ると、生命の神秘とはなんと素晴らしい…
そんな世界を覗くことができる優れもの…それが「顕微鏡」ですね!
顕微鏡と言えば、前回からお話ししている微生物の観察をしたりするのが有名ですよね!
それだけではなく、顕微鏡は化粧品の品質を観察するのにも必要不可欠な存在なのです!
顕微鏡にも様々な種類がありますが、化粧品の観察によく用いられるのは、
「実体顕微鏡」と「光学位相差顕微鏡」です!
<実体顕微鏡>
検体をそのままの状態で拡大して観察します!
肉眼で見ている時と同じ状態なので、検体の立体感もわかる機械です!両眼に超高性能な虫眼鏡を装着して観察しているようなイメージですね!
この特徴を活かして、化粧品には主に以下のように使われます!
①メイクや日焼け止めアイテムに使用されている粉体成分の分散状態や凝集の確認
②結晶性成分が結晶化したかしていないか
③ゴミや繊維など、混入した異物の特定
これらは実体としてとらえて観察することができますので、実体顕微鏡の力で拡大して化粧品の品質を確認しています!
<光学位相差顕微鏡>
この顕微鏡は、光の屈折を利用して明暗のコントラストを作り、無色透明な検体を可視化してくれます!
この無色透明な検体というのは、植物や人の細胞であったり、微生物などの細菌類ですね!
つまりこれらは、ただ拡大する実体顕微鏡では観察することができないのです!
この特徴を活かして、化粧品には主に以下のように使われます!
①微生物の菌種の特定
②乳液やクリームなどの乳化アイテムの観察
→エマルジョンの粒子が凝集したり、肥大化していないかを確認する(乳化安定性を見る)
顕微鏡自体の性能は違えど、どちらも肉眼では簡単に見ることのできない領域を観察することができる為、化粧品の品質管理には欠かせない存在となっているのですね!
そして私はこの間、光学顕微鏡の方を使って、目に見えない小さな世界を実際に観察しました!
ある微生物を捉えて写真も撮影したのですが…
これは一体何でしょうか…!
答えは…黄色ブドウ球菌でした!
よく観察しますと、小さな丸い菌がいくつも塊を作っていますね!
まさにブドウのように!
観察時は倍率を100倍200倍…と上げていき、
400倍にしてやっとこの様子を観察することができました!
これが自分の皮膚の上にもいるのですね…!
そしてひどくなると、食中毒を引き起こしたり、ニキビを悪化させたりするのですね…!
こんな小さな微生物に人間は負けてしまうことがあるのか…
目に見えないプラス、束になってこられたらひとたまりもないなと思いました。
さらに顕微鏡で私は、クリームの状態も観察しました!
これは自分のアイフォンで撮影したものになるのですが、
無数のエマルジョンが見えますね!!
これを見たときとても興奮しました…(笑)
きちんと油滴が界面活性剤によって小さなエマルジョンとなり、分散している…!
今までイメージ図でしか見たことがなかった乳化の状態を、この目で実際に観察することができて感動しました!
この油滴が均一で小さければ小さいほど、分散していればしているほど、乳化状態が安定しているということで、
これが凝集したりしてしまうと分離に繋がるということなのですね!
他にも乳化アイテムを色々観察したのですが、
たとえ見た目が白い乳液やクリームになっていたとしても、
実際に顕微鏡で観察すると実はエマルジョンの粒子が粗かったりして、目視だけでの判断は良くないのだなと思いました!
私は検体をスライドガラスにのせる量がどうしても多くなってしまって苦戦しております(笑)
これは何度も観察していってコツをつかむしかありませんね!
学生時代にも顕微鏡に触れて、微生物の観察などしましたが、
化粧品にとっての顕微鏡は、どのような存在なのか…!
それを実際に体験して知ることができました!
安全で高品質な化粧品を販売するには、顕微鏡による状態の観察も必要不可欠なのですね!
ミクロの小さな世界を観察するのが楽しくて、しばらく顕微鏡に張り付いていたいろはね研究員なのでした。
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化粧品と微生物②
皆さんこんにちは!
連日の暑さでバテバテないろはねです(汗)
皆様も外出の際はどうか無理はされませんように…
さて!前回に引き続き化粧品と微生物のお話ですね!
今回は防腐効力試験に使用される指定の微生物にはどんなものがあるのかを書いていきたいと思います!
…とその前に、防腐効力試験を行う目的を明確にしておきましょう!
<防腐効力試験の目的>
防腐効力試験の一番の目的は、防腐剤の効力が最も機能できる最低濃度を導き出すことです!
防腐剤は多量に配合すれば良いというわけではありません!
過剰に防腐剤を配合してしまうと、肌への負担が大きく、刺激になることがあるのです!
微生物の細胞膜も人の皮膚と同じたんぱく質で構成されていますので、そこを刺激して微生物を殺す防腐剤は、過剰に配合すると当然人の皮膚にも影響が出てしまうということなのですね!
つまり、化粧品を使用するユーザーの方々にとって、いかに安全に防腐剤をフルに機能させることができるのか…
微生物だけではなく、人に焦点を当てて防腐効力試験は行われているのです!
<防腐効力試験の指定微生物>
ということで本題ですね!
防腐効力試験に使用される菌種は日本薬局方によって定められています!
①大腸菌
②緑膿菌
⑤黒コウジカビ
①~③は細菌で、④・⑤は真菌になります!
化粧品の製造や使用中に、人や周りの環境から混入・増殖してしまう可能性のある代表的な微生物が指定されています!
①大腸菌
環境中に広く分布していて、鳥類や哺乳類、私たち人の腸管内にも常在している菌の一つです!
腸内の大腸菌はほとんど無害なのですが、病原性を持つものも存在し、その一群が糞とともに排出され、環境を汚染します。
その汚染された食べ物を食べてしまったり、感染した動物に触れたり、汚染されたプールなどの水を飲んでしまったりすると下痢や腸炎などを引き起こす恐ろしい細菌です…
②緑膿菌
この細菌も環境中に広く分布していて、人の腸管内にも常在しています!
水周りによく見られ、栄養分の少ない環境でも増殖できる細菌です…
日和見感染症の代表的な細菌で、健康な人に病原性を発揮することはないのですが、抗生物質に抵抗性が強いので、抵抗力の非常に低下した人には様々な恐ろしい症状を引き起こしてしまいます…
顕微鏡で見るとブドウの房のように集まっているので、こんな名前が付けられています!
食中毒の原因菌としてテレビでもよく聞いたことがあるかもしれません…!
他にもニキビやアトピー性皮膚炎などを悪化させてしまう細菌です。
これも環境中に広く分布していて、人の皮膚や髪の毛、喉、鼻の中など多くの場所に存在していますので、これによる汚染に十分気を付けなければなりません!
イースト菌は酵母とも呼ばれていて、その発酵能力が様々な食品に良い影響を与えてくれていますね!
カンジダ菌は、細胞性免疫を強める働きをしたり、善玉菌の栄養源にもなるので、良い影響を与えてくれる菌なのですが…
加齢や生活習慣などによって免疫機能が弱まると、このカンジダ菌が大量に繁殖してしまい、病原性を発揮してしまいます。
⑤黒コウジカビ
黒コウジカビは、食パンや生鮮果実など広範囲にわたり食品を汚染し、環境中にもよく存在しているカビです!
カビは乾燥した環境でも生育でき、胞子を飛散してどんどん増えていきますし、さらには日光やアルコールなどの薬剤にも比較的耐性のある強い菌なので、発生してしまうと非常に厄介な存在です…
これらを用いて防腐効力試験を行っていきます!
試験対象の製品にそれぞれの菌を植え付け、一週間後、二週間後、三週間後と菌数の減少率を観察していきます!
試験期間は準備期間も含めて約二か月ほど必要で、なかなかの長期間になります。
こうして各微生物の特徴を調べてみると見えてくるのは、私たちが生活する環境に、
身体に、身近に存在するものばかりだということですね。
だからこそ、いつどこでどのように化粧品に混入してしまうかわかりません!
それを未然に防ぐために防腐剤を配合し、しっかり効力を発揮することができるのか試験をする…その必要性と重要性が身に染みて分かったいろはね研究員なのでした。
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化粧品と微生物①
皆さんこんにちは!
8月ももう半ばに入り、皆さんはお盆休み中でしょうか?
本来ならば旅行や花火大会など楽しい予定がたくさんつまっている時期ですが、
中々厳しい状況が続いていますね…
今年はいろんな意味で新しい夏になりそうです!
ウイルスや暑さに負けず、夏を楽しみましょうね!
さて、ここまで化粧品の品質管理について記事を書き続けてきました!
今回もそれに沿った内容となります!
まずは題名にもあるように、微生物のお話からいきましょう!
微生物は、私たちの生活にとって非常に良い影響を与える存在でもあり、
とんでもない問題を引き起こしてしまう存在でもありますよね…!
皆さんは微生物と聞くとどんなイメージをお持ちになるでしょうか?
〇良いイメージ〇
・食品
お酒、味噌、醤油、パン、チーズ、乳酸飲料などなど、他にも色々あると思いますが、これら全てに共通するのは「微生物の発酵」です!
・肌フローラ
お肌の健康を維持するために常在している細菌のことです!
この常在細菌のバランスを保つことが美肌の秘訣と言われています!
お肌を常に弱酸性に保つことによって、その常在細菌が暮らしやすい環境になり、バランスを保つことができると言われています!
これだけではなく他にも微生物はたくさん良いことをしてくれています!
〇悪いイメージ〇
・疫病
・食中毒
などなど…目に見えない非常に小さな生物なので、私たちに害を与える存在となると簡単には太刀打ちできません。
現に今もコロナウイルスという新たな脅威と戦っていますからね。
とても恐ろしいです…
ということで良い影響と悪い影響、どちらにもなりうる微生物ですが、
化粧品にとっての微生物はどんな存在になるのでしょうか?
〇良いイメージ〇
・肌にも環境にも優しい、微生物の発酵生産素材を用いた化粧品原料
・肌フローラを整える化粧品原料やアイテム など
〇悪いイメージ〇
・商品の腐敗による品質劣化と肌トラブル など
ほとんどの化粧品には微生物が生きていくのに欠かせない水が配合されているため、
何も対策をしなければ菌が増えたり、カビが生え、腐敗していきます。
腐敗してしまうと異臭や変色、異物の発生など様々な品質劣化を生じさせたり、気づかず使用してしまえば大きな肌トラブルにつながります!
そうならないためにも化粧品には防腐剤が配合されているのですね!
しかし、ただ配合すれば化粧品は安全!と思ってはいけません!
重要なのは、
①化粧品の使用中に微生物が混入した場合、それらが増殖しないかどうか?
⇒日常生活のいたるところに微生物は存在しているため、化粧品を使用すればそれらが中に混入することは当たり前にあるのです!
例えば、お風呂場でシャンプーの詰め替えをしたときに水滴が入ったら、それにも微生物が無数に存在しているので、汚染の原因となります。
ちなみに、残りが少なくなってきたからといって蛇口から出た水で薄める…
なんてしてる方…あまりいないと信じたいですが、あえて菌を入れてしまっていることになるのでよくないですよ…ボソボソ…
ということで、もし防腐剤が配合されていなかったら、混入した微生物はシャンプーに含まれる水や成分を栄養にしてどんどん増殖してしまいます。
防腐剤が配合されていれば、混入した微生物はそれによって死滅するか静菌することになります。
②配合した防腐剤は、長期間効果を発揮し続けることができるのか?
⇒以前の記事でも書いたように、化粧品は3年以上の品質維持をすることが薬機法において定められています。
つまり最低でも3年以上は防腐剤も効果を発揮し続ける必要があるということです!
これらを確認することが非常に重要なのですね!
そして、この試験のことを「防腐効力試験」と呼びます!
<防腐効力試験>
防腐効力試験は、日本薬局方における医薬品のための試験方法、
また、海外の薬局方や海外の化粧品工業会によるガイドラインなどを参考にして行われています!
〇試験方法〇
指定された種類の微生物を一定量の化粧品に添加し、その微生物が、配合した防腐剤によって指定された期間内に死滅、静菌したかどうかを確認します。
指定の微生物は、過去に汚染された化粧品から検出された頻度や、肌トラブルや健康被害をもたらした例を考慮して選択されます。
それ以外に各メーカーでは、自社製品から出た微生物を追加し、試験する場合もあります!
続いて指定の微生物はどのようなものがあるのかを書いていきたかったのですが、長くなりそうなので、次回にします!
化粧品に防腐剤は微量しか添加されませんが、それだけの量で混入してきた無数の微生物と戦い、安定性と安全性を維持してくれています!
最近は防腐剤フリーという言葉が当たり前のようにあり、
ユーザーさんにあまり良いイメージを持たれませんが、
そんな防腐剤も化粧品にとっては重要な存在なのだなということが分かります!
しかし、防腐剤は刺激になるものもあり、配合しないに越したことはないので、
防腐剤フリー処方には化粧品の技術力が問われると思います!
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化粧品の品質管理③
皆さんこんにちは!
とうとう8月に入りましたね!
梅雨がやっと明け…青空と入道雲のコントラストがとても綺麗な毎日ですね!
夏らしい空を久々に拝むことができるようになってとても気持ちが良いです!
日焼けをより一層気を付けなければいけませんね…!(笑)
さて!今回も化粧品の品質管理について書いていきたいと思います!
前回は加速試験について色々と書かせていただきました!
前回最後の方にも書きましたが、これら化粧品の品質試験は各メーカーさんによって非常に様々な試験方法が確立されていて、前回の内容が全てではありません!
化粧品は日々進歩していて、非常に様々なタイプのアイテムが誕生していますよね!
今までにない新しい化粧品を開発するとなれば、昔から取り入れている試験方法だけでは品質維持の条件を満たすことができない場合も出てくると思います。
そのような場合にも臨機応変に対応し、新しい試験方法を試行錯誤し、
対象の化粧品に合わせた試験方法を取り入れていく必要があるのですね!
そんなこんなで私はこの間、加速試験の一環で面白いことをしました!
皆さんチューブタイプの化粧品って一つはお持ちだと思うのですが…
チューブといえば洗顔やクレンジング、クリームなどなど…
皆さんもちろん手の力で中身を押し出して使用していることと思います!
毎回当たり前にやっているこの動作…これを侮ってはいけません!
同じ動作とはいえ、その時の力加減や中身を押し出す位置、回数は使う人によって絶妙に異なります。
この独特な衝撃を何度も与えられた先にはどんな現象が待ち構えているのでしょうか…?
それを予測した品質試験を考えて実践する必要があるのですね!
ではこの独特な衝撃をどのようにして再現するか…
ここがメーカーさんによって異なるポイントだと思います!
大手のメーカーさんであれば、それに特化した特注の機械をお持ちなのでしょう!
しかし残念ながら私たちの手元にそのような高価で高度なものはありませんので…
その場にある機械を活用して、自作で試験してみれば良いのだ!
…となるわけです!
ということで作りました!ほとんど美里先生が作ってくれたのですが(笑)
どどん!見た目はさておき…(笑)
写真の右側にあるのが実験でよく使用されるシェイカーですね!
これに検体のチューブを貼り付けて固定し、隣に障害物となるものを設置しました!
後はシェイカーの動きで障害物にチューブを押し当てて、中身に衝撃を与えていくという作戦です!
これを室温で6~8時間くらい継続させて、中身の品質が劣化するのかどうかを検証しました!
身近なものをこうして活用する。こういう実験ってとても大切だなと感じました!
うまく再現できるかどうかは結果次第ですし、何事も挑戦してみないとわかりませんし!
挑戦してみて、求めている結果が出なかったとても、代わりに何か新しいものを発見できるかもしれませんし、挑戦することは可能性を広げることに繋がるなと思いました!
単純に見えるかもしれないこの機械も、あーでもないこーでもないと試行錯誤していた時は、発明品が生み出されていくようでとてもワクワクしました(笑)
ちなみに自作試験機での結果は、最初と変わらず中身は正常な状態のままでした!
人の手の衝撃を再現できていた!とははっきり言えませんが、少なくとも機械による衝撃には耐えられるということがわかりました!
(もっと長い期間実施したらまた異なる結果が出るかもしれませんね!)
静置状態では安定していた検体でも、チューブで押し出すような衝撃を与え続けることによってはじめて分離や粘度低下などの品質劣化が起きてしまうケースがあります。
このようなリスクを予測して、様々な試験方法を実施していくことが品質管理においてとても重要なのだなということも知ることができたいろはね研究員なのでした。
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