新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

SDGsと化粧品

皆さんこんにちは!いろはねです!

今年も残すところ後1ヶ月を切りました。

毎日寒い日が続きますが、身体を温めて、いっぱい食べて、

寒さに負けず元気に過ごしたいところです!

 

さて、最近はSDGsを意識した化粧品を作りたい。

というご依頼をお客様からいただくことがあります。

地球環境への配慮やジェンダー平等など、とても素敵な取り組みですよね!

消費者からの印象も良いので、是非とも化粧品に取り入れたいところ。

しかし実は、化粧品でSDGsを叶えるのって少々ハードルが高いのです。

ということで今回は、化粧品でSDGsを叶えるにはどんなハードルがあるのか?

これについて、まとめていきたいと思います。

 

SDGsとは?○

まずはSDGsについて簡単にまとめておきましょう。

最近テレビなどでもよく聞くこの言葉。

SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」の略称です。

国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことを指します。

17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

<SDGsの17の目標>

SDGs17の目標

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任 つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公正をすべての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

以上です。

SDGsとは?17の目標を分かりやすく徹底解説|イマココラボ (imacocollabo.or.jp)

長々と書いてしまいましたが、地球で生きていく上で非常に重要な目標ばかりです。

人も環境も皆平等。それを叶える為の目標ということですね。

個人的には、やはり13~15までの地球環境を守る取り組みが気になるところですが、皆さんはいかがでしょうか?

 

〇化粧品が取り組むSDGs〇

SDGsの全体像が掴めたところで、

今度は化粧品業界のSDGsの取り組みを見ていきましょう。

主に下記のような取り組みが挙げられます。

1.プラスチックボトルの削減

2.サステナブルな原料を用いる

3.女性活躍でジェンダーギャップ指数を高める

4.化粧品のジェンダーレス・ジェンダーフリー

特に最近は、地球環境・肌・体に優しい化粧品への注目度が上がっていて、

いかにナチュラルな作りになっているかが

消費者の購買基準になっているように感じます。

地球環境への配慮といえば、プラスチック容器や過剰包装、

石油系原料の使用を減らすというもの。

バイオプラスチックの導入

・詰め替えや付け替え可能な容器の開発

・植物由来原料の開発

・プラスチックの回収、リサイクル

こういうのを知ると、各容器&原料メーカーの努力がうかがえます。

しかし、これらを実現するには、共通して「コストの問題」が絡んできます。

これが、化粧品でSDGsを叶えるのに立ちはだかる壁となるのです。

具体的にどういういことかまとめますと…

~容器編~

上記に書いたバイオプラスチックや詰め替え容器などは、

植物からプラスチックを作る特殊な技術が必要だったり、

複雑な形態をしているため、開発コストがかかっています。

その為、容器自体の値段が通常のプラスチック容器よりも

ぐんと跳ね上がってしまうのですね。

また、一度に生産できる個数なども限られている為、

予算や生産個数とかみ合わず、結局あきらめざるを得なくなることがあります。

~原料編~

最近は化粧品の美容成分として、植物の抽出エキスや天然精油など、

植物由来の原料が好まれますね。

しかし、この手の原料は安定供給や環境の影響などもあり、

希少であればあるほどコストがかかってしまいます。

SDGsに反する石油由来成分といえば、ミネラルオイルなどが有名ですが、

保湿剤としてよく配合されているBGも実はこれに当てはまります。

最近は植物由来のBGが原料メーカーから開発されておりますが、

安定かつ大量に生産することが難しく、高コストです。

今流行りのクレンジングバームも課題がありますね。

オイルを固めるポリエチレンが石油由来で環境に悪影響ということで、

あまり良く思われていないのが現状です。

しかし、とろけるような独特の使用感が非常に良いので、

まだまだ使われているのも事実。

その代替原料もいくつか出てきておりますが、

やはりそれも環境に配慮し植物由来のものである為、コストは高くなります。

ここのコストの差で、開発するとき結構頭を抱えることがあります(笑)

 

つまり、デパコス級では叶えられるSDGsでも、

プチプラへの参入は今のところ難しいというのが現状なのですね。

SDGsの化粧品を開発するには現状、コストがかかるということを念頭に置いて、

化粧品開発をする必要があるということです。

しかし、SDGsは持続可能な開発目標ですから、10、20年後にはその差もなくなり、

プチプラ界隈でもSDGsが取り入れられる未来が来るんだろうな、

と想像を膨らませたいろはね研究員なのでした。

 

最後までお読みいただきありがとうございます! 

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