尿素配合のスキンケア
皆さんこんにちは!いろはねです!
毎日毎日寒いですね…温かいお部屋にいるのが一番です。
しかし、ずっと暖房ガンガンのお部屋にいるとやってきます…
お肌の乾燥です…!!
かかとや肘なんかは、硬くなってしまったり…
どこもかしこもカサカサになりますよね…
そんな時、皆さんはいつもどうされていますか?
一つ挙げられるのは、題名にもありますが、尿素配合のスキンケアを使うこと。
この時期になるとドラッグストアの入り口付近に
尿素配合クリームなどもたくさん並べられていますよね!
今回はそれに関するお話をしていきます!
なぜ尿素に限定したのかというと、以前角質層のお勉強をしたときに、
うるおい保持の鍵として、NMFが出てきたんですね。
その構成成分の中に尿素がいたのです!
ちなみに、こちらの↓ブログに詳細が書かれておりますのでよろしければ(笑)
お肌のうるおい①を一部抜粋しますと…
”NMF(天然保湿因子)”
「Natural Moisturizing Factor」(ナチュラル・モイスチュアライジング・ファクター)の略。
これは角質層内に10~30%存在しており、水性の保湿成分です。
構成成分はアミノ酸類(40%)、ミネラル(18%)、ピロリドンカルボン酸およびその塩類(12%)、乳酸塩(12%)、尿素(7%)、その他(11%)で構成されています。
ということで尿素がしっかりお肌の中で保湿成分の一部として働いていました!
では、NMF中なら7%存在していますが、尿素配合のスキンケアだと一体どれほどの配合%なのでしょうか?
調べてみたところ、
①医薬部外品と第2類医薬品と第3類医薬品に分かれる
②医薬部外品は基本、10%配合が最大
③第2類、第3類医薬品になると20%配合が最大
ということがわかりました!
そこでまた、新たな疑問が生まれました。
なぜ、20%の配合量になると医薬品になるのでしょうか?
それは、尿素の効果にありました。
〇効果〇
分子量が小さく、水によくなじみ、水分を吸着してくれます。
その為、乾燥肌にうるおいを与えてくれます。
それだけではなく、タンパク質を分解するので、ごわついた手やかかとなどの硬くなってしまった角質を柔らかくしてくれます。
〇デメリット〇
上記のように効果が高い反面、刺激になってしまうこともあるそうです。
硬くなってしまった角質にはとても良いのですが、ヒビやアカギレなど傷口をふさがなければならない部分には逆効果です!
角質を柔らかくする…要は分解し続けることでお肌のバリア機能まで未熟にしてしまう為、顔への使用もNGです!
ただ商品によっては顔に使用できるものもありますので、使用方法をよくお読みになってくださいね!
以上のことから、尿素配合スキンケアは使用する際少し注意が必要なのですね!
ここで、尿素の効果と医薬品の定義が当てはまります。
〇医薬品の定義〇
・第2類医薬品
その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害を生ずるおそれがある医薬品であって厚生労働大臣が指定するもの。
・第3類医薬品
第1類及び第2類以外の一般用医薬品。
日常生活に支障を来す程度ではないが、身体の変調・不調が起こる恐れがあるもの。
とされています。
つまり、尿素配合スキンケアはあまりにもその配合量を多くしてしまうと肌への影響が出てしまうから、というのが答えになりますね!
この冬は特に、自分のお肌と相談しながらスキンケアを選んでくださいね(*^-^*)
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石けんカスとは?③
皆さんこんにちは!いろはねです!
2019年内に石けんカスのお話を終わらせるはずが年が明けてしまいまして…
大変申し訳ございません!
今年の抱負に「計画的に行動する」を追加します…(笑)
去年、石けんカスとは何か?それの答えを書かせていただきました。
年をまたいでしまいましたので、まずは過去記事のリンクを貼りつけます!
お時間ある方はまた見ていただけると嬉しいです!
さて、今回の本題は…
この石けんカスを避けて通るにはどうしたら良いのでしょうか?です。
それには以下の2つが挙げられます!
①軟水を使用する
つまり、通常の水道水(硬水)に含まれているカルシウムイオンやマグネシウムイオンをろ過するフィルターなどをご自宅の蛇口やシャワーヘッドに取り付けることで、石けんカスの発生を防ぐということです!
そうすることで、石けん中の脂肪酸と上記のイオン達が反応してしまうリスクがなくなります。
軟水を使用して市販の石けん系洗顔で顔を洗えば石けんカスは発生しませんし、脂肪酸がお肌にそのままうるおいとして残るので、ギシギシしたり、洗顔後お肌がつっぱったり、嫌な感覚もありません!
ただ、ご自宅の蛇口やシャワーヘッドをろ過フィルター搭載のものに変える必要があります(汗
日本の水道水自体、軟水~中硬水と言われているそうなので海外程強い硬水ではないのですが…
石けんカスはやっぱり嫌だな…という方はぜひ!
やっていただいた方がもちろん良いと思います!
このアイテムは洗浄剤として、アミノ酸系の界面活性剤を使用している洗顔になります。
アミノ酸系界面活性剤は石けんカスを発生させず、肌への刺激も少ないと言われており、赤ちゃん用や敏感肌用の洗顔やシャンプーなどに配合されています。
さらにアミノ酸は、お肌の構成成分であるタンパク質の最小単位になりますので、お肌への相性がとても良いのです!
※個人差はあります。
石けんカスも出ず、お肌にまで優しいとは…素晴らしい成分ですね!
商品の全成分表示を見て、水の次に
「〇〇グリシン〇〇」
「〇〇メチルアラニン〇〇」
「〇〇グルタミン酸〇〇」
「〇〇サルコシン〇〇」
などの成分が表示されているものを探してみてください!
ということで石けんカスのお話パート3でした!
アミノ酸系界面活性剤はとても高価な成分になりますので、低配合にも関わらずアミノ酸系洗顔です!とうたっている商品もあるそうです。
化粧品を使用するユーザーの方々を惑わすような商品が出ない世の中になることを願います。
それと、信頼のおける化粧品を開発したいと思ったいろはね研究員なのでした。
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2020年の幕開け
皆様、新年あけましておめでとうございます!いろはねです!
2020年がついに始まりましたね!
一体どんな年になるのでしょうか!楽しみです!
本年も、いろはね新人の奮闘記を温かく見守っていただければと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます!
さて今回は、2020年しっかり目標をもって成長していけるように、今年の抱負を書いていこうと思います!
前回に引き続きプライベートな内容になってしまい大変申し訳ございません!
しばしお付き合いくださいませ(笑)
私の2020年の抱負は…
①日常のあらゆる情報に興味を持って吸収すること
②人との縁を大切にすること
この2つを大きな柱として、この2020年頑張っていきたいと思います!
化粧品関係ないじゃーん…と思われる方もいらっしゃるかもしれません…!
しかーし!これはかなり重要なことだと私は思うのです。
①を抱負にした理由は、やはり人間の成長に必要なこととして、色んな事に興味を持つことが一つあるなと考えたからです。
前回のブログにも書きましたが、この世の中には私にとってまだ知らないことが非常にたくさんあるなと思いました。
今までは知らないことが多くてもどうにかなってしまっていたのが、お恥ずかしい話でございまして…
それを知りたい!調べよう!なるほど…こういうことだったんだ!と新しい情報をどんどん吸収しようとすることが今の私に必要だなと思いました。
そして、化粧品のみならず様々な情報を取り入れることで、どこかで化粧品開発のアイディアにつながると思うのです。
知識は1日や2日で培われるほど簡単なものではないと思います。
なので将来画期的な発想のできる技術者になれるよう、今からたくさんの情報を吸収する習慣を身につけていきたいです!
中でも面白いと思った情報は、もちろんブログでもどんどん発信していきます!
②は、仕事は自分一人の力だけでは絶対にこなせないと私は思うのです。
10月から仲間入りさせていただいているこの業界も、原料や容器、機器などそれぞれの得意分野でご活躍されている数多くのメーカーさんや、化粧品に愛情を注いで販売しているお客様とのつながりが非常に重要です。
このように、人同士のご縁がないと良い化粧品を作ることはできないんですね。
だからこそ様々な人と出会い、お仕事ができることに感謝する気持ちも当たり前に必要だと私は思いました!
新人だからこそ!まずは基礎から!ですね!
この積み重ねが自分の成長につながると信じています。
こうして年も新しくなりましたので、自分自身の考え方を新しくしていきます!
いざ!自分改革!と意気込むいろはね研究員なのでした。
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あっという間の2019年!
皆さんこんにちは!いろはねです!
10月からこの業界に入り、もう2019年が終わりに近づいています…!
毎日が猛スピードで過ぎていき、あっという間にこんな時期になってしまいました。
早すぎます…!この3か月間で私はどれだけ成長できたのでしょうか…!?
美里先生のもとで毎日化粧品に限らず様々な知識を教えていただきました。
10月は基本的な知識を座学で。
11月と12月は基礎実験も交えて。
これら全てに共通していたことは、
・なぜそうなるのだろう?と常に興味を持って分析すること。
・イメージ力
でした!キリがないので厳選しました(笑)
一つ目は技術者として必要不可欠ですよね!
実験をしていてすべてが上手くいくわけありません。
失敗することもたくさんあります。
それに対し、どうして失敗したのか?と分析するんですね。そうすると次はこんな風にアプローチすれば解決するかもしれない!と策が見えてきます。
大学時代にも実験でそういうことを毎日繰り返していたはずなのですが…
離れると意識しなくなってしまうものですね…(汗)
この3か月間で改めてこの考え方を鍛えることができました!
あとはその解決策を自分一人で見つける力も身につけていきたいです。
今までは美里先生にほぼ答えをいただいて実験していたので…!
その為には経験あるのみですね!たくさん実験したい!
二つ目は、化粧品の処方設計時から必要になります!
処方開発の時は、全体を捉えてイメージしていくことが非常に大切だと美里先生に教えていただきました。
頭の中で丸を描いて、その中に入れていく原料をイメージしていきます。
クレンジングオイルであれば、オイルベースで後は界面活性剤とオイルの酸化防止剤、香料…という感じに。
そうすると、どの成分が処方設計の肝であるかが分かります。
クレンジングオイルの場合は、オイルと界面活性剤ですね。
その肝となる成分の基本性能を見ることが化粧品開発の最大のポイントになるんです!
化粧品はたくさんの原料や成分が混ざった混合物です。
これらの相性が良くなければ、理想の化粧品は完成しません。
クレンジングオイルをただ作るのではなく、
それに使用するオイルと界面活性剤の相性は良いのかな?
その相性が良ければ、今度はクレンジング力はしっかり発揮されるのかな?
このように一つずつ基礎実験を行っていくことで、シンプルかつ質の高い化粧品の処方設計ができるようになるんです!
そんな化粧品の開発が一人でできるようになりたいです。
この3か月間で私自身、化粧品の知識以外にも、まだまだ知らないことがこの世の中にはたくさんあるんだなと思いました。
知らないことがたくさんあると気づけたのは、それだけ多くのことをこの3か月間で教えてもらえたということなんです。
社会人になってから、こんなに時間をかけて色んなことを教えていただける環境なんてそんなにないと思うのです。
そこに入ることができたこと、その縁にとても感謝しています。
来年の2020年からも、新しい情報をどんどん吸収して、化粧品技術者として、一人の人間として、成長していきたいと思います!
2019年、このブログを読んでくださった方々に感謝を込めて…
それでは皆さん、良いお年を!
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石けんカスとは?②
皆さんこんにちは!いろはねです!
石けんカスのお話、パート2ですね!
前回はまず石けんについてあれやこれやと書かせていただきました。
なかなか簡潔に書くことが難しいです…(笑)
文章の修行も必要ですね…!
今回はついに、本題の石けんカスについてお話していきます!
石けんカスとは何なのでしょうか!?
それは、「金属石けん」のことです。
金属!?一体何者なのでしょう…?
それに、どうやってできるのでしょうか?
それは…「水」に秘密が隠されています。
水には軟水や硬水と硬度がありますよね。
特に硬水には、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどが含まれています。
これらのイオンと、水に溶けた石けん(脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム)が反応し、脂肪酸カルシウムや脂肪酸マグネシウムになります。
これが石けんカスです!
温泉に入ったり、海外でシャワーを浴びた際にいつも使っている洗顔の泡立ちが悪いぞ…?なんて経験はありませんか?
あれは硬度の高い水で顔や髪を洗うことで石けんカスが発生し、泡立ちを妨げているからなのです!
日常生活につなげるととても面白い…
もちろん実際に見ることもできるんですよ!
いつもお使いの石けんや洗顔料などを泡立てて、洗い流したら軽くタオルドライ!
そのあと手のひらを強くゴシゴシしてください!
そうすると…白いアカのようなものがポロポロと出てきます!
これが石けんカスです。面白いのでお時間ある方はぜひトライしてみてください!
手でこれだけ出てくるということは…
普段は顔に石けんカスがついたままの状態になっているということ…!?
…そうなんです。
皆さん泡を洗い流す時、刺激になるのでそんなにゴシゴシこすらないですよね。
なので、顔に付着したままでも気づくわけがないのです。
しかし、この石けんカス、洗いあがりにも大きな落とし穴を作っていました!
洗顔後、あのキュッとしてさっぱりするのが気持ち良い!という方も多いかと思いますが…
あれも実は石けんカスなのです。
あの後肌を、汚れが落ちてすっきりした!と勘違いしている人が多いのです!
実際に私も石けんを洗い流した時のギシギシ感を確認し、その後手をゴシゴシ擦って石けんカスを出してみました!
汚らしい手で失礼いたします(笑)
この写真に写っている白いアカのようなものが石けんカスです!
これが顔に付着したままだと考えると嫌ですね…
またもう一つ面白いお話が、美里先生にこれを使って石けんを流してみよう!と出されたのが「精製水」!
これで石けんを洗い流したらギシギシ感がないし、石けんカスも出ませんでした!
わお!
精製水とは、石けんカスの素となるカルシウムイオンやマグネシウムイオンを除去してある特殊な水です。化学実験では当たり前に使用される水です!
その為、石けんカスが発生しなかったということなのですね!
実際に比較したことで、よりメカニズムがわかって面白かったです!
ちなみに、石けんカスがお肌に付着したまま放置してしまうと、毛穴に詰まってしまったり、ニキビ菌の栄養になってしまったりと、お肌のトラブルに繋がることもありますのであまり良いものではないのです…。
じゃぁ、どうしたらいいのー!!
これについては、また次回にさせていただきます(笑)
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石けんカスとは?①
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回は洗顔クリームについてお話させていただきました!
あの洗顔クリームは、石けん系の処方でしたので今回はそれにつながるお話です!
皆さんご自宅に石けんはありますか?
日本は昔から何かを洗う時に必ずと言っていいほど石けんを使用していたくらい需要の高いアイテムです。
石けんといえば固形がイメージできますが…今はクリーム状石けんや、液体石けんなどが市場の大半を占めていると言われています。
これだけ石けんにありふれている日本ですが…
「石けんカス」という言葉は、皆さんご存じでしょうか…?
この「石けんカス」が後々理解しやすくなるように、まずは石けんの簡単な知識からまとめていきます!
<石けんの作り方>
油脂とアルカリ剤を反応させて中和することにより作成します。
この反応のことを「けん化」と言います。
石けんにもそれぞれタイプがありますので、項目ごとに分けて説明していきます!
〇固形石けん
このタイプは、油脂にアルカリ剤である水酸化ナトリウム(NaOH)を反応させて中和し、その油脂に含まれるグリセリンを除去することにより作ることができます。
石けんが食塩に溶けない性質を利用して、けん化した石けん液に食塩を何度も加えていきます。
食塩はNaClです!水に溶けるとNa⁺とCl⁻に電気的に解離します。
食塩は石けんに結合している水分子や不純物を捕まえて液中に溶けていきます。
これを繰り返していくことによって、純度の高い固形石けんが完成します。
この手法を「けん化塩析法」と呼びます。
油脂に含まれるグリセリンを除去してできる固形石けんですが、このグリセリン、保湿成分として化粧品には必ずと言ってよいほど使用されています。
とても純度の高い石けんを作れることはメリットなのですが…
保湿にはあまり向かないのですね…。
固形石けんを使用した後のパキパキ感、パサパサ感はこれから来ています。
〇クリーム状石けん
チューブ入りの洗顔などが代表的ですね!
これは前回お話させていただきましたが復習をかねてもう一度…
こちらは、脂肪酸と水酸化カリウム(KOH)を反応させて中和します。
脂肪酸とは、植物油脂の主成分「トリグリセライド」からグリセリンを取り除いたもののことを指します。
使用する脂肪酸とその配合バランスによって、泡の立ち方や、その質感、洗浄力などに違いを持たせることができます。
固形石けんに比べ水分量は多く、けん化塩析法も用いません。
その為、保湿成分や美容成分などを配合することが可能です。
メーカーごとに差別化もしやすく、とてもバリエーションの多いアイテムとなっています。
〇液体石けん
ハンドソープなどが代表的です!
これもクリームタイプと同様に、脂肪酸と水酸化カリウムを中和させて作ります。
液体と言うくらいなので粘性がほとんどないです。
その為、石けん濃度(中和してできた脂肪酸カリウムの濃度)は低いということになります。その分水に溶けやすく、泡が立ちやすいのが特徴です。
すでに泡状で出てくるタイプなどがあるように、比較的新しい石けんであるとも言えます。
ということで、石けんもこのように化学的な反応を利用して作られていたのですね!
新しいことをどんどん学ばせていただいています!ありがたい…!
さて、それぞれの特徴もまとまりましたので、本題の石けんカスのお話に…
と思ったのですが!
前振りが長文になってしまいましたので、次回に持ち越します(笑)
石けんカスとは一体何なのでしょうか!?次回をお楽しみに!
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洗顔クリーム作ってみた!
皆さんこんにちは!いろはねです!
12月に入り、2019年も残り1か月となりましたね!
12月は忘年会やクリスマスに大晦日…たくさんイベントがあってワクワクします!
さて!題名の通り私は先月、処方のメカニズムをリアルに学ぶ為、洗顔クリームを作りました!今回はそれについてお話していきます!
まず、洗顔クリームについてです!
脂肪酸と水酸化カリウム(KOH)を中和させて作ることができます。
この反応を「けん化」とも言います。
脂肪酸とは、植物油脂の主成分「トリグリセライド」からグリセリンを取り除いたもののことを指します。
<よく使用される脂肪酸>
・ラウリン酸(炭素数12)
・ミリスチン酸(炭素数14)
・パルミチン酸(炭素数16)
・ヤシ油脂肪酸(炭素数12~18)
使用する脂肪酸とその配合バランスによって、泡の立ち方や、その質感、洗浄力などに違いを持たせることができます。
基本は洗浄力を持たせるために炭素数の低い脂肪酸を使用しますが、それ以外の機能として炭素数の多いステアリン酸も配合すると、その結晶がキラキラしてパールっぽい見た目になることで高級感を演出することもできます。
シャンプーでもよくありますよね!
また、洗顔クリームは水分を多く含んでいる為、保湿成分や美容成分などを配合することが可能です。
そうすることでメーカーごとに差別化もしやすく、とてもバリエーションの多いアイテムとなっています。
では早速、実際に作った洗顔クリームのお話をしていきます!
洗顔クリームを作る上で重要な反応が「けん化」と「乳化」です。
その反応を起こす土台となるのが、水系成分・油系成分・精製水・水酸化カリウム。
これらをそれぞれ量りこんでおきます。
〇けん化反応を起こす
①油系成分は80℃になるまで加熱します。
②その間に精製水と水酸化カリウムを混合させます。
※必ず精製水に水酸化カリウムを入れることです!
そして、撹拌しながら一気に入れます!
そうしないと、ビーカーの底で水酸化カリウムの濃度が高くなってしまい、そこの温度が急激に上昇することで沸騰し、大爆発してしまう危険性があるからです…
この時はドキドキしました…触れると危険というか本当に危ないので…!
③精製水と水酸化カリウムの混合液も80℃になるまで加熱します。
※この時、水系成分も80℃になるまで加熱しておきます。
④80℃に到達したら、油系成分に③を入れてけん化反応を起こします。
※徐々に中和していく為、最初はしっかり撹拌することが重要です。
ただし、やりすぎてしまうと泡が立ってしまうので力加減が難しかったです…!
また、温度が下がってしまうとけん化反応が起きにくくなってしまう為、温度の管理にも気を付けました!
〇乳化反応を起こす
⑤けん化反応を終えた試料に、80℃まで加熱した水系成分を加えることで乳化反応が起きます。
※この時も泡を立たせないように、でも乳化を起こすためにしっかり撹拌することが求められました…!これも難しかったです!
⑥あとは温度計とにらめっこしながら、30℃以下になるまでしっかり撹拌しながら冷却していきます。
この時、徐々にクリームっぽい硬さになっていき、その変化を観察するのがとても面白かったです!
⑦30℃以下まで冷却したら、「脱泡」という作業に入ります。
脱泡とは・・・試料の中に混在している不要な泡を取り除くことです。
私が行った脱泡方法は、真空状態にして一時的に気圧を下げることにより試料を沸騰させやすくして、不要な泡を取り除くという作業を行いました!
脱泡の注意点は、あまりやりすぎないことです!
沸騰させているわけですから、洗顔クリームの中の必要な水分までもが蒸発してしまい、固形になってしまうからです。
冷却時しっかり撹拌したことによって泡をどうしてもかんでしまう為、この工程はとても重要です!
脱泡をする時は試料が沸騰する為、どんどん泡がもこもこしてきます…!
なので、大きい容器に少しずつ入れて脱泡していきます。
この作業を何度も繰り返していきます!
少し見づらいですが、途中で脱泡前と脱泡後の比較写真を撮ってみました!
脱泡前は、かなり泡を含んでいたので硬めでした。
しかし!脱泡後は見違えるようにツヤが出て、トロトロになりました!
これを2,3日置いて完成です!
写真だと硬さが伝わりにくいのですが、2,3日置いたところ、よく見る洗顔クリームの硬さにきゅっと締まっていました!感動です!
さらに!ステアリン酸の結晶が少し見られ、パールっぽくなっていました!
…と、ここまではうまくいったと思ったのですが、実際に泡を立ててみようとすくってみたところ、ダマができてしまっていることに気づきました…
泡が立ってしまうのを恐れて、中和時と冷却時の撹拌が足りてなかったのかな?と考えました。
悔しい…!
見てください!ちゃんと洗顔クリームとしての機能を発揮してくれました!嬉しい…
泡は、とてもきめ細かくてクリーミーな状態でした!
もう少し弾力のある泡になったらさらに洗顔として恰好がつくかな?と思いました。
それには脂肪酸の配合バランスを変えてみればいいのかな?など色々考えました。
やはり実践をすることで、より反応のメカニズムが理解しやすくなります!
次こそは完璧なものを作りたい…!と思いを馳せるいろはね研究員なのでした。
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