クリーンビューティー…?
皆さんこんにちは!いろはねです!
4月からまた新年度が始まりましたね!
毎年この時期は、エネルギッシュな気分になります!
近頃は暗いニュースが多いので、この空気に負けないよう、
明るい未来に向けて心機一転!
ポジティブに新年度頑張っていきたいと思います!
さて、この間私は、原料メーカーさんとの対談で「クリーンビューティー」という興味深いワードを聞いたので、それについて今回は書いていきたいと思います!
最近、超大手会社の資生堂さんから、「BAUM」という新スキンケアブランドがデビューしましたね!
こちらのすごい所は、容器に木材を使用しているところ!
家具などの製造工程で発生した小さい木材を再利用しているのだそうです!
木のぬくもりが感じられる、とても素敵な容器ですね!
さらに、レフィル商品を積極的に推奨し、一部のプラスチック容器には「バイオPET」と呼ばれる植物由来のPET(ポリエチレンテレフタレート)、いわゆるエコなプラスチックを使用していたり、ガラス容器はリサイクルガラスを使用するとのこと!
このように、環境負荷の軽減を目指した取り組みを行う、かなりエコなスキンケアブランドのようです!
しかし、なぜこんなにも環境に配慮しているのでしょうか?
実は、その背景に「クリーンビューティー」という美容業界の新たなトレンドワードがありました!
一体この「クリーンビューティー」とは何なのでしょうか!?
この言葉の定義は、まだハッキリしていないのだそうですが…
こちらのHPにとても分かりやすく解説されておりましたので、その内容を少し拝借させていただきます…!
ビューティ業界の次なるトレンド、“クリーンビューティ”って何?ポジティブなイメージの裏に潜む懸念も | WWD JAPAN.com
〇クリーンビューティーとは〇
①体に害となるような成分を含んでいない
②自然・天然の原料を用いている
③環境に配慮している
これらを満たした化粧品のことを指すそうです!
なるほど…
②自然・天然の原料は、化学合成と違って、植物特有の豊富な美容効果が期待できるのがメリットですよね!
しかし、産地や気候の違いによって、成分のバラつきが出たり、中にはアレルギー物質が含まれているケースもあり、必ずしも安全とは言い切れません。
そこで!今増えつつあるのが…
微生物発酵により製造されるタイプの原料なのだそうです!
この微生物の発酵エキスは、動物由来でも植物由来でもありません!
つまり、アレルギー物質の心配もなく、
さらには、動物愛護問題や、森林伐採問題などもクリアした原料になるのです!
微生物由来は美容業界の希望ですね!
資生堂のようにクリーンビューティーを意識したスキンケアブランドが増えてきている中で、それに合わせて原料メーカーさんからも新たな原料が開発されているのですね!
現代社会は大気汚染や電子機器の普及に伴い、アレルギー疾患を抱える人や敏感肌に悩まされる人が増えていると聞きます。
さらに、地球温暖化も年々進み、異常気象などが昔に比べ増えてきていることから、クリーンビューティーの考えを支持する人もどんどん増えていくのではないかと思いました!
今後、化粧品の容器は環境に配慮したリサイクル容器などがどんどん普及していくのでしょうか!
微生物由来の新しい原料は今後どのように変化していくのでしょうか!
未来に期待を膨らませる、いろはね研究員なのでした。
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セラミド触ってみた!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近だいぶ春らしい気候になってきましたね!
私の家の近所では、桜が満開に近いくらい咲いていました!
コロナの影響でお花見も自粛しなければならないのがとても残念ですが…
今年はお散歩がてら、桜の鑑賞をするしかなさそうですね…
では気を取り直して…
前回はセラミドについて色々とお話をさせていただきました!
しかし、知識だけではいけません!
セラミドは実際に触ってみたらどうなのか?
これをしなければ、化粧品技術者としてはまだまだです…!
ということで、実際にセラミド乳液を作ってみました!
<セラミド乳液の感触>
~いろはねの感覚~
ここからは、私の個人的な感想になってしまいますが…
最初は滑らかにスッと伸びてとても気持ち良いテクスチャーでした!
やはり乳液は、みずみずしさ&しっとり感をバランスよく持ち合わせているのが特徴的ですよね!
そして、最後お肌になじんだ時がとても面白かったです。
保湿感という観点から見れば非常にしっとり。なのですが、
率直に言うと、少しお肌の上でキシキシ、ベタベタするような…
膜を張るような感覚がありました!
これは普通の乳液ではあまり味わえないのでは…?
と新しい感覚を体験しました!
これはやはりセラミドが影響しているのか…?と思い、セラミド自体も肌に付けて確かめてみました!
やはり、乳液で感じた時と同様にキシキシ感、ベタベタ感、膜感がありました!
原料そのものに触れた為、さらにその感触は強く、あまり良い使用感とは言えませんでした…(笑)
肌に伸ばすときも重たい印象で、油性なのでみずみずしさは当然ありませんが、
サラサラな油というよりは、ワックスみたいなものを肌に付けているような感覚でした!
しかし!これが程よく乳液などに配合されることによって、特徴的なしっとり感を演出してくれるのですね!
なぜセラミドはこのような特徴的な使用感なのでしょうか?
それは美里先生曰く、セラミドが「結晶性脂質」だから、なのだそうです!
結晶性脂質は、脂肪酸の炭素数が25個以上の脂質のことを指します。
代表的なのが「コレステロール」
セラミドも構造も調べてみると…
こちらの画像は、ヒトの肌に元々いるセラミドから一つ、代表として載せています。
このギザギザの部分に炭素があるので、一目で炭素数かなり多いことがわかります…!
このように炭素数が多ければ多いほど、油性が強くなる為、蝋を肌に塗っているかのような非常に重たい質感になるということなのです!
つまり、セラミドはかなりの油性であるため、お肌に付けるとバリア機能を高めてくれるのですが、うるおい保持はあまりできないという課題があります…!
その特性をどう活かすかも技術者の腕にかかっていますね!
画像参考HP↓
このように知識から入り、実際にそれを使った化粧品を作って使用感を比較する。
一つ一つ丁寧に分析していくこのプロセスが非常に理解しやすくて、本当に大切だな、と日々感じている、いろはね研究員なのでした。
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セラミド高配合コスメ!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近ドラックストアやCM、雑誌などで、
「セラミド高配合!」と謳っている
スキンケアアイテムをよく見かけるようになりましたね!
「セラミド」というワードを聞くだけで、とても保湿力高そう…
と期待も高まりますよね!
もうすでにお使いの方、これから使いたいなと興味をお持ちの方、たくさんいらっしゃると思います!
では実際、セラミドって何者?
今回はそれについてお話していきたいと思います!
<セラミドとは?>
これは過去記事の復習になります!
お肌の最も外側にいる「角質層」
角質層に欠かせない存在である「細胞間脂質」
その細胞間脂質の約40~65%を占めているのが「セラミド」になります!
もう少し化学的なお話をすると、セラミドは「スフィンゴ(糖)脂質」という特殊な脂質の1つです!
何が特殊なのか?と言いますと…
脂質なのに、構造中に水となじみやすい「親水基」を持っているのです!
この特殊な構造があるからこそ、お肌の中の水分と油分をバランス良く保持することができます!
セラミドはお肌の保湿とバリア機能にとっても重要な成分の1つなのです!
つまり、ヒトの肌に存在する成分なので、安全性という面で、化粧品原料としても
とても注目されています!
<セラミドの種類>
化粧品原料として使われているセラミドには、いくつか種類があります!
①植物セラミド
米、トウモロコシ、大豆、こんにゃく、ユズなどの植物から抽出したセラミドです。
②動物セラミド
馬などの動物の脳や脊髄などから抽出したセラミドです。
③ヒト型セラミド
微生物由来以外は全て化学合成で作られています。
ヒト型セラミドは、ヒトの肌に存在しているセラミドと同じ構造を持つと言われています。
④合成セラミド
分子構造をセラミドに似せた成分のことです。
「疑似セラミド」とも呼ばれ、これも化学合成によって作られています。
今のところ、セラミドはこのような分類となっていますが…
セラミド原料は日々進歩しており、様々なメーカーさんの技術が組み込まれ、
新たなものが産み出されています!
その背景には、セラミド原料の課題が絡んでいるのです…
実は、セラミド高配合の化粧品は今まで作るのが難しいとされてきました。
その理由は…
先ほど説明した通り、セラミドは細胞間脂質の主成分です。
ということは脂質(油)ですね!
なので、非常に水に溶けにくいのです。
また、普通の油よりもさらに溶けにくいとも言われ、特に化粧水や美容液などの処方に配合しにくいというデメリットがありました。
このような背景もあり、その問題を打破しようと様々なセラミド原料の開発がされてきたということなのです!
・水に溶けやすくなるよう、セラミドに糖を結合させたタイプ
・独自の技術を用いて、セラミドがすでに溶かされている水溶液タイプ
など、様々なセラミド原料が生み出されています。
原料開発技術の進歩はすさまじいですね…!
しかし…独自技術などを用いても、せいぜい1%くらいしか水に溶かすことができなかったり、ホモミキサーなどの物理的なエネルギーをさらに加えないと、確実に溶かすことはいまだに難しいとされています。
こんな背景を知ると、最近見かけるセラミド高配合化粧品がいかにすごいかがわかりますね!
しかし、それも本当に高配合なのか心配なところもあります…
今市場に出ているセラミド高配合化粧品をさらに超える、確実な高配合化粧品の開発を…
と夢が膨らみます!
それを開発したら真っ先に使いたい…!と思ったいろはね研究員なのでした。
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アルコールハンドジェルを作りたい!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近世界中で話題が絶えないコロナウイルス…
感染者の方が増えていくニュースを見ると心が痛みます…
一刻も早く終息することを願うばかりです…
感染を拡大させないためにも個人で体調管理、徹底しなければなりませんね!!
皆様もどうかお体には気をつけてお過ごしください…。
さて、この騒動でユーザーさんが入手困難になっているアイテムの一つが
「アルコール除菌系のアイテム」ですね…!
ウイルスも殺してくれるということで、喉から手が出る程欲しい方も多いはず…!
化粧品OEM会社として、除菌アイテムを必要としている方やお困りの方の力になりたい…!という一心で、アルコールハンドジェルを作ろう!というお話になりました。
初めての試みなので、ゴールへ向かうにはまず、基礎実験が必要ですね!
そういえば…ジェルと言えば…?
前回カルボマーの基礎実験をしたばかりでした!
前回の記事では、3種類の中和剤を用いてカルボマーのジェルを作成し、それぞれの粘度や質感などを比較しました。
今回はこれをさらに応用しまして…
”透明なジェルのまま、アルコールを何%まで配合することができるのか?”
基礎実験で作成した3種類のカルボマージェルを用いて、それぞれ検証してみました!
〇実験内容〇
目標:アルコール配合濃度60%以上の透明なジェルを目指しました!
実験方法:それぞれ量りこみした3種類のジェルを撹拌機にかけながら、10gずつアルコールを加えていき、その様子を観察しました!
〇結果〇
①アルギニン
アルギニンのジェル40gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度約43%で完全に白く濁り、白い粒子のようなものを確認しました。
②水酸化Na
水酸化Naのジェル30gに対し、アルコール30g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました。
③水酸化K
水酸化Kのジェル40gに対し、アルコール40g配合するところまでが限界でした。
結果、アルコール濃度50%で完全に白く濁りました。
しばらく放置していたら、濁りが取れて半透明にまで変化していたので、さらにアルコールを10g加えてみましたが、やはり白く濁ってしまいました…!悔しい!
※この写真だと、アルギニンがアルコール添加から少し時間が経過していた為、すでに白さが少し抜けています。アルコール添加直後は白く濁っていました!
(上部の写真参照)
全体を通して、アルコール濃度60%以上の目標に到達することはできませんでした…!
3種類の中和剤を用いたカルボマージェルでは、アルコール濃度が40~50%以上に差し掛かると透明感を保てなくなり、白く濁ってしまうことがこの実験で分かりました。
アルコール添加時は、少しずつ入れる度に白く濁り、しっかり分散されるとまた透明に戻る現象を繰り返し、それが限界に達すると白く濁ったまま戻らなくなるという傾向が見られました。
また、静置しておくと白さが抜けて透明感が戻るという現象も見られたので、試しに2日後の様子も見てみました!
2日経過するとかなり白さが抜けていますね!
しかし…完全に透明ではなかったことと、粘度がサラサラでジェルとは言えない状態だったので、この3種類の中和剤ではアルコールハンドジェルを作るのが難しいのだということも分かりました!
また、アルコールの殺菌効果は、40%あたりから現れ、70%で最大の効果を示すと言われています。
つまり、今回の結果は一応殺菌効果を示すことができるアルコール濃度に達していましたが、最低ラインなので、確実とは言えません。
市販のアルコール除菌ジェルの中和剤としてよく用いられるのは「トリエタノールアミン」と呼ばれる成分です。
アルギニンや水酸化Na、水酸化Kが中和剤としてあまり使われていないのは、アルコールを多く抱え込むことが難しいからである!ということを今回の基礎実験で知ることができました!
こうして基礎実験から多くのことを知ることができ、とても良い経験をさせていただいております!
カルボマーの中和剤も、どのようなアイテムを作るかによって変わってくるのですね…
うーん!奥深い!
また経験値が増えたいろはね研究員なのでした。
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カルボマーの基礎実験
皆さんこんにちは!いろはねです!
以前増粘剤について記事にしたと思いますが、カルボマーについては少ししか触れてませんでした!
最近私は、そのカルボマーを用いて基礎実験を行ったので、今回はそれについてまとめていきます!
カルボマーは正式名称「カルボキシビニルポリマー」で「水溶性高分子」です。
カルボマーは、アルカリ剤との中和反応によって粘度が高くなり、ジェル状に変化します。
このメカニズムを化学的に説明しますと…
①カルボマーは高分子なので、とっても大きい分子です。
②中和される前はそれがぐちゃぐちゃの塊になって存在しています。
③カルボマーにはカルボキシ基(-COOH)と呼ばれる官能基がついています。
④カルボキシ基とアルカリ剤である水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム(KOH)などが反応すると、H2O(水)が取れます。
⑤H2Oがぐちゃぐちゃの塊になったカルボマーの中へ入ります。
⑥ぐちゃぐちゃの構造が少し緩まることで、ジェル状に変化します。
という流れでカルボマーはぷるっとしたジェルを作ってくれるのです!
では、このカルボマーを使って実際にどのような実験をしたのでしょうか?
〇実験内容〇
・カルボマーを2%水溶液に調整
・カルボマー2%水溶液を0.5%配合
・pH調整は6.5を基準とする
この3つの条件は固定しました。
そして、ここからが本題です!
・アルギニン
・水酸化Na(以下NaOH)
・水酸化K(以下KOH)
これら3種類の中和剤を用いて、それぞれ①見た目(目視)、②感触、③粘度にどのような違いが現れるのかを検証してみました!
〇pH調整方法〇
カルボマーを撹拌機にかけながら、ビーカーの中にpHメーターを入れ、そこへ少しずつ中和剤を添加してメーターの数値を見ながら調整を行いました。
〇結果〇
①見た目(目視)
・透明度の高さ
KOH>NaOH>アルギニン
の順番で透明度が高かったです!
アルギニンは写真でもわかるように、少し濁っていますよね!
NaOHとKOHは写真だとわかりにくいのですが、目視ですとほんの少しNaOHの方が濁っていました!
・ジェルの様子
NaOHとKOHはどちらもツヤ感のあるジェルになりました!
しかし、アルギニンだけツヤはあまり無く、マット感の強いジェルになりました!
②感触
・アルギニン
肌へ伸ばした時の厚みとなめらかさ、なじませている時のヌルつきが一番強く感じました!しばらくヌルヌルした感触が続きました。
また、最も粘っこい印象で、みずみずしさはあまり感じられませんでした。
・NaOH
肌へ伸ばした時の軽さとみずみずしさが一番強いと感じました!
ヌルつきもありますが、アルギニン程長くは続かず、サラッとした感触でした。
・KOH
NaOHとそこまで違いはなかったのですが、みずみずしさはNaOHより少し劣っているように感じました。
なめらかさやヌルつきなどはNaOHよりほんの少し強いと感じました。
→アルギニンに関しては、しばらくヌルヌル感が残るので、しっとり感が欲しい時や、マッサージジェルなど滑りを必要とする化粧品に適しているのではないかな?と思いました!
逆にNaOHとKOHはアルギニンに比べ、肌へ伸ばした瞬間のみずみずしさが特徴だったので、うるおい感重視の化粧品に適しているのではないかな?と思いました!
③粘度
それぞれ温度を25℃に統一し、粘度計で粘度測定を行いました!
条件は、L4/12rpm/1分間としました。
・アルギニン→51925mPa
・NaOH→51874mPa
・KOH→51850mPa
という結果が出ました!
粘度の高い順に、アルギニン>NaOH>KOHですね!
アルギニンは感触の時点で最も粘っこさを感じた為、粘度計のでの数値にも影響がでたのではないかと考えられました!
NaOHとKOHの粘度はほぼ変わらない結果となったのですが、若干KOHの方が粘度が低いということが分かりました!
NaOHが最もみずみずしい感触であった為、粘度に関しても一番低い数値を出すかなと思っていたのですが、実際そうではなかったので、機械と人の感度の違いを改めて目の当たりにすることが出来ました。
全体を通して、今回の基礎実験で難しいなと感じたのは、pH調整でした…!
ジェルなので粘度が高く、それに影響されて、pHの数値が徐々に上がったり、中々変わらなかったり、急に上がったりするため、中和剤を入れるタイミングや量など、とても慎重に取り掛かりました…!
それでも失敗は何回かあり…
アルギニンは特にpHがなかなか上がらず、まだ入れても大丈夫かな…と油断して3滴くらい加えたところで急に数値が上がり、失敗してしまってやり直し!という場面もありました(笑)
ドタバタな基礎実験となりましたが…(笑)
興味深い結果を見ることができ、とても面白かったです!特に、感触の方ではそれぞれの違いを感じたのに対し、粘度計ではあまり数値に差がなかったことです!
どちらかのみのデータだけでは、意外と正確さが下がってしまうのでは?と思いました。
機械と人の力が合わさることでより幅広い評価ができるのだなということに気がつきました。
これからも色んな基礎実験がしたいいろはね研究員でした。
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エビデンスを取りに行きました!
皆さんこんにちは!いろはねです!
私はこの間、お客様の商品(クレンジングバーム)のエビデンスを取りに行ってきました!
今回はそれについて書かせていただきます!
(初めての体験でしたので、ドキドキしながら現場へ向かいました笑)
~今回のエビデンスの流れ~
①似た市販化粧品とエビデンスを取りたい化粧品を用意します。
②それらを被験者の肌に付けてもらいます。(私もやりました!)
→データを取りやすいように、それぞれ半顔ずつ使用法に沿って付けました。
③使用後の肌状態(スキンケアもしていないまっさらなお肌)を、特殊な機械で比較しました。
化粧品には必ず、お肌へどのような効果を与えてくれるのか、商品自体に記載されていますよね!
その効果の裏付けをするのが化粧品においてのエビデンスということになります!
これがあるだけで商品効果の信頼性も上がりますよね!
とここで、③で言っている特殊な機械ってどんなものだったのでしょうか?
今回機械は主に2つ使用しました!
1つ目はこちら!
いかにも高そうな機械ですよね…!
噂では3000万円くらいすると聞きました…
そ、そんなお高い機械に触れることが出来たなんて…!
この機械は「VISIA(ビシア)」と言います。
VISIAは3方向から顔の写真を撮ることができます。
顔の位置はそのままで、機械自体を動かして3方向から撮ります。
肌年齢、シミやシワの数、潜在シミ、毛穴の数や状態、10年後の肌などを解析し、写真としてデータを残すことができます。
今回は、特に毛穴の状態をズームし、しっかりとメイクが落ちているのか確認をしたりしました。
〇結果〇
市販コスメよりも、毛穴の中まで汚れがきれいに落ちていることを確認することができました!
これはクレンジングの最も重要なポイントですよね!
そして2つ目はこちら!
たくさんコードが付いていますね!
こちらは、4つの肌効果を数値化してデータに残すことができるとてもハイスペックな機械になります!
①赤色で囲まれているのは、「油分計」です!
先端に油取り紙のような特殊なフィルムがついており、それがお肌の油分量をキャッチする仕組みになっています!
計測する度にカシャッとフィルムを切り替えて使います!
被験者の中には、元々皮脂が出にくい肌質の方がいらっしゃって、油分を全く計測できないこともありました。そこで、本当に人の肌ってそれぞれ異なった性質を持つんだなということが知れて面白かったです!
〇結果〇
クレンジングは、メイクを落とすのと同時にお肌に必要な油分までも持っていってしまうリスクが考えられます。結果は、ある程度の油分が残っている状態。
つまり、しっかりうるおいも守ってくれているということが分かりました!
②黄色で囲まれているのは、「水分計」です!
こちらも先端にお肌の水分量を計測する特殊な媒体がついており、30~40回くらいお肌の色んな箇所にスタンプするような形で計測していきました!
〇結果〇
全体的に市販コスメよりも水分量が多いという結果が出ました!
メイクはしっかり落としてくれるのに、水分は逆に与えてくれるということと、無駄に洗い流していないということがわかりました!
③ピンク色で囲まれているのは、「弾性計」です!
これは測定時、吸盤のように肌を少し吸ってその抵抗力を弾力として数値化する計測機になります!
異なる箇所で7回計測しました。
〇結果〇
弾力も市販コスメより高い数値が出ました!
水分計において、お肌の水分量が高く出たことが弾力にもかなり影響したのではないかと考えられます!
④青色で囲まれているのは、「水分蒸散量を計測する機械」です!
被験者の方に寝てもらい、肌の上にこの機械の先端をピタッと乗せることで、自然と蒸発してくるお肌の水分の蒸散量を計測します。
実際には寝ることが出来なかったので、顔を傾けて計測しました(笑)
〇結果〇
蒸散量も市販コスメより少ない数値がでました!
お肌のバリア機能もしっかり残してくれているという確証を得ることができました!
ということで、今回計測したクレンジングバームの結果をまとめますと
クレンジング力は高く、油分水分は残しつつ、肌の弾力も上げ、乾燥しにくい
という素晴らしい結果が出ました!
化粧品のエビデンスについて実際に体験しながら学ぶことができ、非常に貴重な時間となりました。
ちなみにVISIAを使用した時、肌年齢も見ることができました…(笑)
一緒にいた皆さんは実年齢よりお若くてさすがだな…という傍ら
当の私はというと、実年齢より1歳上の肌年齢が出てしまいました…!
1歳だけなのでそこまで大差はないのですが(笑)
この結果を見て、自分磨きを頑張ろう!と思ったいろはね研究員なのでした。
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増粘剤比較してみた!~番外編~
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回は、増粘剤を2%水溶液にして比較実験を行った結果についてお話しました!
増粘剤には、調整方法によってさらに特異的な増粘を示すものもあります!
比較実験で使用した増粘剤の中に面白いものがいたので、その実験もやってみました!
今回はそれについてのお話をしていきます!
ということで、使用したのは「タマリンドガム」です!
タマリンドガムは、東南アジアに生息する巨大常緑樹であるタマリンドの種子を分離・精製した多糖類になります。
タマリンドの果実は古くからインドや東南アジアで家庭常備薬・調味料として利用されてきました。
果肉の甘酸っぱさを活かし、食品分野では清涼飲料水・ジャム・デザート・カレー・お菓子などに使用されています。
化粧品に使用しても安心安全な増粘剤です。
タマリンドガムの何が面白いのか!といいますと…
糖類やアルコール類と併用することで増粘・ゲル化するところです!
◎糖類・アルコール類の持つ脱水作用によってタマリンドガム分子が凝集する
◎水素結合によってネットワークを形成する
これら2つの化学反応によって、増粘とゲル化が起こるというメカニズムです。
今回は、化粧品によく用いられる、多価アルコールのグリセリンを用いてゲル化の様子を実際に見てみることにしました!
配合比率は、タマリンドガム1%、グリセリン30%、残りは精製水。
これを80℃くらいまで加熱し、室温まで冷却した状態を観察しました。
〇結果〇
前回、水溶液の時はとてもサラサラとしたトロミであったのに対し…
グリセリンと併用すると…
写真のように、手で持てるほどプルプルとした弾力のあるゲルに変化しました!
多価アルコールを加えるだけでこんなにも質感に変化が現れるのか!
化学反応のパワーってすごい!と改めて感動しました!
でも、こんなプルプルの質感って食品なら想像できるけど、化粧品の場合は…?
このプルプルな感触、どこかで触ったことがあるような…?
と思った時、以前美里先生とアシスタントのゆっきーさんと一緒に行った横浜中華街のとあるお土産屋さんで見た「こんにゃく石けん」を思い出しました!
そこで、実際にこんにゃく石けんの全成分を調べてみたところ、やはりタマリンドガムが配合されていました!
あの時はまだ、なぜこんなプルプルの質感が出せるのだろう?と謎に包まれたままだったので、それを実際に実験することができ、とてもスッキリしました!
増粘剤のお話はここでいったん終わりになりますが、
今や化粧品のニーズとしてテクスチャーは非常に重要です。
増粘剤もその調節に必要不可欠な存在となっています。
また、最近は保湿クリームなどの粘度調節にカルボマー(合成ポリマー)が配合された商品がたくさん市場に出ています。
化粧品原料の開発技術も発展し、ポリマー系の界面活性剤が流通し、乳化技術のノウハウがなくても、とても簡単に保湿クリームが作れる世の中になりました。
またそれが本当に簡単にクリームが作れてしまうのです!
しかもテクスチャーが良い!とても便利ですよね!
しかし!
もちろんカルボマーを使用しなくても保湿クリームはきちんと作ることができます!
その技術を習得してこそ化粧品技術者です!
そのお話についてはまたの機会にしたいと思います(^^)/
タマリンドガムのプルプルな質感が病みつきになりかけた、いろはね研究員でした。
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