ポリマーのミニ知識
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回は化粧品に配合される「保湿成分」について、復習もかねて簡単にまとめさせていただきました。
その中に出てきたヒアルロン酸を覚えていますでしょうか?
ヒアルロン酸は分子量が80~120万とされており、最大で200万という
非常に高分子な成分であるとお話をしたと思います。
そして、このような成分のことを「ポリマー」と呼ぶ、ということもチラッと出てきたと思います。
「ポリマー」という言葉は皆さん耳にされたことはあるでしょうか?
今回はこれについて簡単にまとめていきたいと思います。
今回も復習回になりますね。
〇ポリマー=高分子〇
ポリマーは「多数の原子が共有結合してできる巨大分子」という風に教わりました。
一般的には、分子量が1万以上あると高分子、つまり「ポリマー」と呼ばれます。
ポリマー ⇒ 高分子 ⇒ 重合度 ⇒ 分子量…というように、
ポリマーと聞いたら化粧品の技術者は頭の中でスッとこの関係性を頭に思い浮かべることが重要です。
ということは、分子量が80~120万であるヒアルロン酸は、ポリマーの一員
ということがよくわかりますよね。
ちなみに…
単一の分子は「モノマー」
分子量が一万以下の分子は「オリゴマー」と呼ばれています。
モノマーの「モノ」は、ギリシャ語の数字読みから来ているそうで、
1=モノ、2=ジ、3=トリ、4=テトラ…というように。
理系の方は聞いたことがある言葉かもしれません。
ですので、モノマーは単一の分子のことを指すのですね。
そして、ポリマーの「ポリ」はギリシャ語で「たくさん」という意味になります。
つまり、単一の分子(モノマー)がたくさん(ポリ)結合している = ポリマー
という表現になるのですね。
ふむふむ。語源を知ると覚えやすいです。
ちなみに、よく聞くポリ袋の材料である「ポリエチレン」も、「エチレン」という分子がたくさんつながっているのでこのような名前なのですね。
ところで…
「オリゴマー」の「オリゴ」という言葉、どこかで聞いたことはありませんか?
・・・・・「オリゴ糖」ですね!
このお話、とても面白いので少し書かせていただきます。
オリゴ糖といえば、健康に良いというイメージはありませんか?
オリゴ糖は、容易に消化・吸収されずに大腸まで届いて腸内環境を整える役割を担ってくれるそうです。
糖といえば、ブドウ糖(グルコース)などはよく聞いたことがあるかと思います。
これは糖の中でも単糖類という部類に入ります。
単糖類は、糖の最小単位とされ、これ以上分解できないものを指します。
その為、簡単に体内へ吸収されてエネルギーへと変換されることは良いのですが、
吸収されやすいがゆえに血糖値上昇などのリスクがあります。
それに比べてオリゴ糖は、10~30個の糖が結合した多糖類という部類に入ります。
つまり単糖よりも構造が大きいため、簡単に吸収されにくいのです。
吸収されずに腸まで届き、腸内環境の改善や、血糖値の上昇を抑える働きが得られるということで、健康志向の高い食品に重宝されているということなのですね。
こうやって考えると食品も化学的な分野と繋がっているなと感じます。
すみません。少しお話が脱線してしまいました。
結論何をお伝えしたかったのかといいますと、
ポリマーは非常に大きな分子ですので、肌にも浸透しにくいということなのですね。
一般的にどうしてもポリマーは肌に良くないというイメージがあったり、
ナチュラル志向な化粧品には特に合成ポリマーが嫌われがちですが、
肌への浸透性という意味では体内に入っていかないので、人体には影響しないのでは?というのが本音です。
そして実は、私達人間もポリマーのような存在なんです。
人間の皮膚や毛髪などを形作っているのはタンパク質ですよね。
タンパク質は、数万~数百万ものアミノ酸が繊維のように連なった構造をしています。
ですので、私たちはアミノ酸が高重合したポリマー、と表現しても良いのではないでしょうか。
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