新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

ポロポロの正体とは?

皆さんこんにちは!いろはねです!

皆さんはスキンケア、もしくはメイクをしている時に

ポロポロとカスのようなものが出てきた…という経験はございますか?

もし経験がある方、実際に出てきた時は非常に驚かれたのではないでしょうか。

ピーリングジェルを使っているわけでもないのに、一体何が出てきているの!?と。

私はあまりそういう経験がないので逆に体験してみたいところなのですが(笑)

そういえば、美容部員時代にお客様からこんなお問い合わせがあったことを思い出しました。

「スキンケアをした後にポロポロとカスが出てくる。その上からメイク下地をつけるとさらに出てくる。これは一体何が出てきているのでしょうか?」

という内容でした。

美容部員の私達は美容成分の効果や商品の特徴を知っていても、

細かな中身の設計までは知りませんでした。

その為、お客様に使用時の状況や使用方法などを事細かにお伺いし、

コットンを使用しているからそれの繊維が出てきたんじゃない…?

など色々と原因を探った記憶があります。

結局私達だけでは答えが導き出せなかったので、研究の方に聞いたところ、

「特殊なポリマーを配合している為それが時々カスとなって出てくることがある」

という回答をもらいました。

この時の私はポリマーって何だろう…?とあまり理解できなかったのを覚えています。

それを思い出した今、研究の方はこれを言いたかったのかー!と納得しました。

今回は、このポロポロの謎についてまとめていきたいと思います。

 

〇ポロポロの正体は?〇

先程出てきた「特殊なポリマーこれがポロポロの正体です。

もう少し細かく説明しますと、カルボキシビニルポリマー(略してカルボマー)などの水溶性高分子がその特殊なポリマーとして挙げられます。

これは水に溶かし、水酸化ナトリウムなどのアルカリ剤と中和することによってプルッとしたジェルのような粘性が出る成分でした。

最近は多くのスキンケアアイテムに配合されていて、

とろみを出したり、ジェルにしたり、テクスチャーに様々な特徴を与えてくれる成分でもあります。

 

〇ポロポロが出てくる原因〇

ポロポロの正体が分かったところで、その発生原因を探りましょう。

先程ポリマーは多くのスキンケアアイテムに配合されているとお話しました。

例えば、とろみのある化粧水、フェイスマスク、美容液、オールインワンジェル、

他には乳液、クリームなどにも乳化の安定性向上や粘度調節を目的として配合されています。

スキンケアのルーティーンは人それぞれですが、

多い方は化粧水⇒美容液⇒乳液⇒クリームといった形でケアをされますよね。

ポリマーは高分子と言われているように非常に大きい分子であるため、

皮膚には浸透していかず、皮膚表面に残った状態となります。

化粧水からクリームまで全てにポリマーが配合されていたとしたら、

それらを塗り重ねていくことでどんどんポリマーが皮膚上に蓄積されていってしまうのですね。

それがある一定量超えてしまうと、塗布する際の物理的な摩擦によってポロポロと消しゴムのカスのように出てきてしまうことがあるのです。

 

〇ポロポロが出ないようにするには?〇

①ポリマー配合のアイテムを避ける

カルボマー・〇〇コポリマーなどの表記があるアイテムですね。

トロミのある化粧水を避けたり、オールインワンジェルをやめたり、ポリマーが配合されていない乳液やクリームを探して使用すれば、ポロポロは出なくなると思います。

②使用方法の見直し

お気に入りのアイテムにもポリマーが入っていた…でも使い続けたい…

という場合はそれらの使用量を少し減らしてみたり、メイクをする朝はシンプルなスキンケアにし、夜にしっかりケアをするなどポロポロ発生のメカニズムを理解した上で使用方法を変えてみると改善されるかもしれません。

 

〇私達が気をつけなければいけない事〇

特に温泉水など特殊な水を基剤として使用する場合もあるのですが、

pHの影響などにより、ポリマーの粘性がいつもより出なくなることがあります。

いつもはこの配合量でとろみが出るはずなのに、今回はまだサラサラだな…

もっとポリマーを増やそう。

その判断ちょっと待ったー!となるのですね。

もしそのまま配合量を増やしてしまったら、使用時にカスが出やすくなってしまいます。

一つのアイテムだけではそこまで影響ないんじゃないの?

と思う方もいらっしゃいますよね。

もう一度スキンケアルーティーンを思い起こしてみましょう。

多い方は化粧水、美容液(フェイスマスクもあり)、乳液、クリーム…

とたくさん重ねて使用すると思います。

これら全てにポリマーが入っていたら、ポロポロが発生しやすくなるんでしたよね?

化粧品の開発をするときは、そういうシチュエーションも想定して、

設計を行う必要があるのです。

トータルポリマー量として考えた時に、この配合量で果たして良いのだろうか?

と踏みとどまることも大切ということですね。

 

このポロポロは一応肌に害があるわけではありませんが、

スキンケア効果やメイクの機能を落としてしまったり、

メイク時にヨレの原因となったりするため、できれば避けたい現象ですよね。

今回の内容が少しでもユーザーさんのお悩み解決に繋がったら良いなと願う、

いろはね研究員なのでした。

 

最後までお読みいただきありがとうございます! 

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