測りこみって大事!
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回はイラストも盛り込んで、乳化技術についてお話させていただきました。
あのイラスト…
作るのとても頑張りましたので、まだお読みになっていない方はぜひ(笑)
私のような素人でも時間をかければなんとか形にすることができたので、パソコンってすごいなと感動した次第です。
そして、プロのイラストレーターの方々をさらに尊敬しました!
さて、今回は私達化粧品技術者のお仕事としてメイン中のメインである、原料の測りこみについてお話していきたいと思います。
化粧品といえば、各商品の全成分表示を見ると非常に多くの成分が配合されていますよね。
水や保湿成分、オイル、界面活性剤、植物エキス、防腐剤…他にも色々と。
私たち化粧品技術者は、これら多くの成分を処方に組み込み、それに従って化粧品原料を測りこみ、試作品を作成していく、ということが日常茶飯事です。
その試作品の出来を社内で評価し、未来の化粧品が決まっていきますので、責任重大です。
だからこそ試作品を作るうえで「正確に化粧品原料を測りこむ」作業は、
気を抜けない非常に大切なお仕事です。
そんな大切な測りこみというお仕事に関して、実際私達がどのようなことに注意しているのかを今回はまとめていきたいと思います。
〇測りこみに大切な事〇
① 実測値を必ずメモ
これはもう初歩的なことなのですが、非常に重要です。
試作品を作成するときは、処方に実際に測りこむ数値を記載しています。
それに従って進めていくのですが、上記でも述べましたように化粧品には非常に多くの成分が配合されているため、一度の試作に測りこむ数は多い時で数十種類にも及びます。
それらを全て間違いなく正確に測る為には、写真のように実測値をメモすることが非常に重要となります。
(写真は左が測りこむ数値、右が実測値のメモになります)
②各原料のロットNo.を必ずメモ
各化粧品原料にももちろんロットNo.が記載されています。
なぜこれもメモをするのかと言いますと、
・測りこみのミスをゼロに
・完成後の状態に何かおかしな点があった場合にその原因を探しやすくなる
といったメリットがあるからですね。
特に二つ目に注目です。
例えば、何度か試作を重ねてきたアイテムで、全く同じ原料を使っているはずなのに今までと使用感が違う…香りが違う…粘度が違う…などのトラブルが生じてしまうことがたまにあるのですね。
この要因としては、
・購入日の古い原料を使用してしまった
・原料自体の保管状態が悪く変質してしまっていた
・同じ原料だけどメーカーによって精製度が異なることによる問題
など様々です。
万が一、試作品の品質がおかしい…となった時、各原料のロットNo.を控えておくことで、どの原料が影響しているのか、後に原因を探る際役立ちます。
試作品を提出する度に品質が異なる、なんてことになっては何が正しい使用感なのか比較することもできませんし、何より試される方々を不安な気持ちにさせてしまいます。
そうならないためにもこの工程を忘れてはいけませんね。
③水の配合量を正確に調整
試作時、粉末状や固形状の原料は加熱して溶かします。
その際、水物系(化粧水、美容液、乳液、クリーム(o/w))の場合は、加熱している間に水が蒸発していってしまうため、最終的に正確な配合量ではなくなってしまいます。
さらに加熱時間や加熱温度などの違いによって、水の蒸発量も毎回変わってきますので、試作する度に粘度や外見に違いが生じたり、最終的には製造現場で製造したものとビーカーワークで作ったものとで状態の差が出てしまったりします。
再現性を取るためにも、蒸発してしまった水を調節してあげる必要があるのですね。
どのようにして調整するかと言いますと…
①空のビーカーの重さを測っておく
②完成した試作品が、
空のビーカーの重さ+本来作ろうとしていたg数(例えば400gなら400g)になればOKです。
しかし、だいたいの場合水が蒸発してしまっているためこれより少ないはずです。
その足りないg数分水を足すことによって、処方通りの配合量に整えることができます。
これらが原料の測りこみをするときに意識しているポイントです。
ここまでしても私は間違えそうになってしまうことがあるため、
試作をするときは、間違いないよな…?とたまに時間を忘れてしまうくらい集中しているときもあります。
今回この内容をまとめたのは、この工程が自分の中で流れ作業にならないようにするためです!
間違いない品質の試作品、化粧品をお客様に提供できるよう、常に全集中ですね!
いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください。↓
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