クリーム作り~目に見えない世界のお話②~
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回に続きまして、クリーム作りにおいて、目に見えない世界ではこんな現象が起こっているんだ!というお話をしていきたいと思います。
前回は、W/O、O/W型の復習と、乳化技術「転相乳化法」についてお話させていただきました。
今回は、ついに乳化技術の目に見えない部分をイメージ図化して、まとめていきます。
それでは参りましょう!
〇クリーム作り(続き)〇
<クリーム作りの手順~転相乳化法~>
①オイル(植物オイルやエステル油)+界面活性剤を加熱する。(油相)
②水相も加熱する。
③①をホモミキサーにかけながら、②を少しずつ添加していく。
④最後は手撹拌でゆっくり冷却。
という手順になります。
転相乳化法においては、特に③が非常に重要となる工程です。
つまり、ここからが本題です。
この先は③の工程をイメージ図と共にまとめていきたいと思います。
①でオイルと界面活性剤を加熱した際、溶けた界面活性剤は下のイラストのようにバラバラに存在しています。
そしてそこへ加熱した水相を少しずつ添加しますが、まだこの時はW/O型の状態です。
油相に水相が入ることによって、バラバラだった界面活性剤の親水基側が水粒子を守るように少しずつ配向していきます。
最初はまばらに配向していきますが、ホモミキサーの撹拌力によって徐々に水粒子の表面積が小さくなっていくため、界面活性剤はびっしり配向できるようになります。
水相を全て添加した時点で、油と水の割合は水の方が多い状態となっています。
また、この状態でホモミキサーをかけ続けていくと、さらに水粒子が小さくなっていきます。
そして、ある大きさまで小さくなると…
界面活性剤が水粒子の周りに配向することができなくなり、くるっと反転して逆に油を包むのです!
これが「転相」です。
そして、この転相が起こる温度が「転相温度」であり、
こうして高温時W/O型だったエマルションが冷却過程でO/W型へと大きく変化するのですね。
イメージ図化したように、エマルションの世界は目に見えませんが、
実際に転相した瞬間は見ることができるのですよ!
最初はW/O型で疎水的ですので、ぶるっとしていてゲルっぽい状態なのですが、
O/W型へと転相するとつるんとしたツヤのある状態へと大きく変化するため、
おっ!今転相したぞ!となるわけです。
つまり、クリーム作りは温度によって状態が変わっていくため、目を離さずじっと観察する必要があります。
目に見えない世界をこうしてイラストにすると、非常に乳化のメカニズムが分かりやすいですよね。
複雑で奥深い技術だからこそ、このようにイメージすることが非常に大切なのだということが学べたいろはね研究員なのでした。
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