化粧品開発展2022を終えて
皆さんこんにちは!いろはねです!
先週1月12日~14日まで化粧品開発展2022が開催され、3日間多くの方々にご来場いただき、小さいブースながらも賑わっておりました!
お忙しい中来てくださった方々には感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
さて、前回私はこの化粧品開発展に向けての意気込み等色々と書かせていただきましたが、実際終えてみてどうだったのかを今回はまとめていきたいと思います。
〇お客様が一番注目したものは?〇
2日間ブースに立っていた私個人の見解なので、もっと他にも様々なエピソードがあるかとは思いますが…
私は通りすがりの方々にリーフレットを配りながら、
ブースに引き込んでたくさんお話をさせていただいたのですが、
やはり「CBD」というワードにご興味をいただくことが多かったように思います。
CBDをどのようなアイテムに配合できるのか、
実際どのような効果が期待できるのかなど様々な質問をいただきました。
また、CBDの水溶化については業界紙を見てご興味いただき、
実際ブースに来てくださる方もいらっしゃいました。
会場内にもCBD専用のエリアがあった程、まだまだCBDは盛り上がりを見せているんだなということを再確認することができました。
CBDと言えば、油溶性ですので油系製剤に配合することは容易で、
すでに様々なアイテムが商品化されておりますが、やはり水系製剤はまだスタートラインに立ったばかりという印象が強かったです。
だからこそ、より一層弊社のCBD水溶化技術を世の中に広げていくチャンスだ!
と自信にも繋がりましたね。
今回の展示会で実際にお話が進み始めたお客様もいらっしゃいまして、
非常に喜ばしい限りです。
研究開発の人間として、商品化されていくのが今から楽しみです。
〇実際に触れていただいてわかる弊社の技術力〇
今回の展示会で感じたのは、テスターの説得力ですね。
最初の掴みはだいたい弊社の技術を簡単に口頭で説明するのですが、
本当に浸透力高いの…?本当にメイク落ち良いの…?と半信半疑でお話をお聞きになる方も多かったです。
数あるOEMメーカーさんを展示会で見てきているわけですから、そうなるのは当たり前ですよね。
ですが、実際にテスターを触っていただくとお客様の目の色が変わるんです。
凄いですね…!と。
その瞬間を毎回私は秘かに楽しんでおりました…(笑)
(そうでしょ…!)とマスクの下でドヤ顔です(笑)
お客様に実際、
浸透力非常に良いですね!
使用感とても気持ち良いですね!
こんなにメイク落ちするクレンジング見たことないです!
など感想をいただける瞬間が非常に嬉しかったです。
お客様の反応は初めてこんな使用感に出会った…!という初めましての感想が多かったので、これが新技術の証だよなと感動しておりました。
つまり、自分たちは世の中にないものを開発できているんだな、他メーカーとの差別化ができているんだなということを実感できる瞬間でもありましたね。
そういう意味ではお客様も自分もテスターの力によって様々な発見があり、
それによって新たなご縁を繋げることができたと思います。
ということで、今回の展示会でも新たな発見とお客様との出会いがたくさんありました。
また、直接お話はできていないけれど、通りすがりにリーフレットをもらってくださった方々も多かったので、これから続々と連絡が来てくれたら嬉しいなと思います。
この機会を次につなげ、素敵な化粧品を世の中に出していけることを願い、
私も研究開発を頑張りたいと思いました!
今回は少し短いですがここまでとさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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化粧品開発展2022!
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回は熱く語ってしまいましたが、今回も熱い内容になるかと思います。
最後までよろしくお願いいたします。
ではなぜ、いろはね研究員はここまで熱くなっているのでしょうか?
それはですね…
化粧品開発展2022に出展させていただくことになったからです!
展示会って、自社の技術を惜しみなく披露することができる場ですし、
多くのお客様と多くのご縁を繋ぐことができる素晴らしい祭典だなと思っております。
だからこそ、熱くなってしまうのかもしれません。
どの業界でもそうですが、新しいご縁を繋ぎ、新たなお客様を獲得することは、
会社のことをその業界内で広く知っていただく上でも非常に大切なことかと思います。
こんな商品を作りたいけど、中々良い会社さんに出会えない…
そんな悩みを抱えていらっしゃるお客様と出会える機会が得られるのが展示会の良い所ですよね。
今回は弊社全ての技術を集約して、展示させていただいております。
技術については以前のブログに詳細をまとめさせていただいておりますので、そちらもぜひご覧ください。
こうして文字にすることは簡単ですが、結局のところ実際に触れてみないことには
どのようなアイテムなのか中々イメージが湧きませんよね。
それに文字や言葉でいくら説明をしても、そこで伝えられる情報には限りがあって、
実際に試すという行為が加わることで初めて伝わる情報もあると思います。
そういうことが実感できるのも、展示会の醍醐味であると私は思います。
今回の展示会において、特にどの技術がおすすめですか?と聞かれると
選べないくらい全て素晴らしいのですが…
強いて言えば、メディアにも掲載していただいた、CBDの水溶化とセラミドラメラエマルジョンでしょうか!
〇CBDの水溶化〇
現在さらに安定性の高い製剤を模索中ですので、まだ完全体とは言えませんが、
最もお伝えしたい大きな特徴は、
界面活性剤を使用せず水系製剤に油溶性のCBDを投入することができたことです。
すでに今、CBD配合のフェイスマスクなどがもう世の中に出始めておりますが、
一般的に水系製剤に油溶性の成分を入れるとなるとどうしても界面活性剤の力が必要となってしまいます。
それが悪いということではありませんが、その一般論を打破するのが新技術ですよね。
CBDは油溶性成分の中でも非常に酸化されやすい部類に入りますので、
ここまで形にするのに非常に苦労しました。
しかし、ついにこうして展示会でその技術をお披露目し、
多くのお客様の目に留まることを想像するとやはり胸が熱くなりますね。
〇セラミドラメラエマルジョン〇
今までは保湿成分として微量配合されてきたセラミドを、
エマルジョン形成の基剤として配合することで、
一般的に必要となる界面活性剤や合成ポリマーを一切配合していない、
全く新しいエマルジョン技術を誕生させました。
ラメラは人の皮膚に元々備わっていて、日々潤いを保ってくれているのですが、
セラミドラメラエマルジョンはそれとほとんど同じような構造を取ることで、
乾燥してダメージを受けたラメラを埋めて補修することができます。
その為、浸透を妨げる合成ポリマーも配合されていないため、
エマルジョンなのにスッと肌に馴染み、あっという間に肌内部を保湿してくれるのが弊社のエマルジョン技術です。
こちらの技術はついに昨年商品化が叶いまして、実績を積み始めたまさに新進気鋭の技術になります。
ということで、あまり多く語ってしまいますと展示会でお話することがなくなってしまいますので、この辺で…(笑)
ちなみに化粧品開発展は2022/1/12(水)~1/14(金)まで開催となっております。
このブログが更新される1/13(木)…展示会真っ只中でございますね。
つまり、まだ明日14(金)が残っておりますので、
ご都合が合う方、ご興味のある方はぜひいらしてください!
お待ちしております!
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実験はトライアンドエラーの繰り返し
皆様あけましておめでとうございます!
いろはねです!
本年もどうぞこのブログ共々よろしくお願いいたします。
さて、今回のブログは新年に相応しく、
2021年を振り返ったり、2022年の目標などを書いていきたいと思います。
2021年もコロナウイルスによる影響が大きい1年となりましたね。
各業界それぞれ、以前と同じような生活は困難な状況に追い込まれ、
業績が逆に上がった業界もあれば、非常に厳しい業界もあったのではないでしょうか。
化粧品業界が受けた打撃も中々に厳しいものだったとは思いますが、
そんな中でも、マスク生活に合わせたスキンケアやメイクアイテムがこの1年で次々開発され、日本のアイデア力と適応能力の高さに驚きと感動の連続でした。
そんな新たなアイテムが開発されていくのを見る度、
このアイテムは化粧品技術者達がどれだけ多くの実験を重ねたのだろうか…
ここにどのようなドラマや努力が隠されているのだろうか…
と考えるようになりました。
今まではただ単に、このアイテム使用感が気になるから使ってみようかな…
と自分目線な考えでした。
つまり、私も化粧品の技術者ながらにかなりユーザー目線で見ていたのですね。
弊社もこの1年は順風満帆とまではいきませんでしたが、
厳しい世の中だったのにも関わらず、新規のお客様からのご依頼も多く、
様々なアイテムの開発をさせていただくことができました。
本当に感謝しかありません。
もちろんその全てを形にすることができたわけではありませんが、
その中で新たな挑戦をすることができたり、
新たなデータを得て新たな発見をすることもありました。
そんな2021年はたくさん実験をして失敗をして…そこから学びを得てまた挑戦する。
それの繰り返しを経てやっと化粧品が完成する。
その道のりをより濃く見て実感することができた一年だったなと感じています。
お客様が求める化粧品、ユーザーの方がリピートして使いたいと思っていただけるような化粧品を作るには、失敗を恐れていてはいけないなとも思いました。
また、その失敗を周りのせいにしてしまうことは絶対してはならないということも。
特にコロナの影響が大きかったこの一年、上手くいかない時はそのせいにしてしまいがちでした。
しかし、その失敗から何が原因だったのかと反省をすることが非常に大事で、
それが学びとなり、次のステップへと繋がっていく。
厳しい状況にただ打ちのめされるのではなく、その状況をどのように打破すればよいのか…自分と向き合って考えることが本当のステップアップへの道だよな。
ということに気づかされた1年でもありました。
そういう意味で、化粧品技術者に必要な精神って、
・失敗を恐れないチャレンジ精神
・失敗から反省&学ぶこと
・何度失敗してもあきらめないこと
・同じ失敗を繰り返さないよう冷静に分析すること
なのだと思います。
あっでもこれって化粧品技術者だから、という話ではなく社会人として当たり前に持っていなくてはならない精神な気がしますね(笑)
(お恥ずかしい内容になってしまった…)
それはさておき…
私の欠点はどこか控え目で、あまりグイグイいかないところですので、
2022年はその殻を破り、失敗を恐れずガンガン挑戦していく1年にしていきたいなと思います。
新年一発目のブログは熱く語ってしまったような気がしますが…
暗いニューズに沈むばかりではなく、化粧品で明るい未来を作っていきたいものですね!
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クレンジングオイルは正直なのです
皆さんこんにちは!いろはねです!
今回が2021年最後の記事になりますね!
(先程カレンダーを見て驚いたことは秘密にしておきましょう…)
またあっという間に一年が終わろうとしています。
毎年言っていますが、本当に毎日があっという間なんです。
このお仕事に就いてからもう丸2年が経ちましたが、まだまだ知らない事だらけです。
新しいことにチャレンジしたり、学んだり、毎日が新鮮です。
だからこそ、一年があっという間に感じるのでしょうね。
それだけ毎日が充実していたということでしょうか!素晴らしいことです!
そんな環境に置いていただけていることに日々感謝して、
来年も充実感のある一年にできたらいいなと思います。
「新しいことにチャレンジ」と言えば、
今クレンジングオイルを開発チームで手掛けているのですが、
これが中々に難しく、苦戦しておりまして…
実際、何に苦戦しているのかと言いますと…
①オイルの選定
②界面活性剤の選定
③相性の良いオイルと界面活性剤の組み合わせ
これが今私達が抱える大きな課題です。
なぜこれらがそんなにも難しいのでしょうか?
〇クレンジングオイルをイメージしてみよう〇
まず新しいものを開発する時は、
そのアイテムがどのように構成されているのかをイメージすることから始めます。
一般的なクレンジングオイルはだいたいこんなイメージ↓
こうして見ますと非常にシンプルですよね。
要はオイルと界面活性剤でクレンジングオイルは完成してしまうということです。
実はこのシンプルさが逆に仇となり、開発は苦戦を強いられることになります。
クレンジングオイルはメイクを落とす目的で界面活性剤を配合している為、
乳化目的の乳液やクリームと異なりその配合量は多いです。
その為、これらの特徴がダイレクトにメイク落ちや使用感にも出ます。
また、クレンジングオイルって見た目が透き通っていますよね。
あれはただ単にオイルが透き通っているからとかの話ではなく、
オイルと界面活性剤の相性の良さが確立されているからこその状態なのです。
実はこれらの相性が悪いと濁ってしまったり、混ざり合わず分離してしまったりと
相性の悪さが正直に出てしまうのが、クレンジングオイルなのです。
だから「クレンジングオイルは正直」ということなのですね。
非常にシンプルなアイテムであればある程、開発は難しい…!
〇オイルと界面活性剤の相性試験〇
先程から何度も話に出てくる「相性」ですが、
これには界面活性剤のHLBが大きく関わってきます。
HLBとはHydrophilic-Lipophilic Balance=親水性親油性バランスの頭文字を取ったものです。
その範囲は0から20まで。
HLBが低い界面活性剤は、油に馴染みやすい親油性
HLBが高い界面活性剤は、水に馴染みやすい親水性
という位置づけでした。
オイルと界面活性剤で構成されているクレンジングオイルですから、
これらの相性試験が開発をする上で非常に重要となります。
基剤となるオイルを選定し、そこからそれに合う界面活性剤を選定していくのです。
これが個人的には非常に難しい所なのではないかなと感じています。
<あまりにもHLBが低い界面活性剤を選定してしまうと…>
HLBが低い界面活性剤は構造的に脂肪酸のボリュームが大きい為、
原料自体固形のものがほとんどです。
オイルと共に加熱すれば一旦は溶けますが、
相性が悪ければ室温へ戻したとき白く濁ってしまったり、
白い塊が発生してしまったりすることがあります。
<あまりにもHLBが高い界面活性剤を選定してしまうと…>
逆にこちらは液状のものがほとんどですが、
あまりにもHLBの高い界面活性剤ですと、性質がオイルとかけ離れていますので、
完全に混ざり合わずうっすらと層ができて分離してしまうのですね。
どちらもクレンジングオイルとしては好ましくない状態ですよね。
〇市販品から読み解く〇
上記でHLBのお話をしましたが、実験を行っていて中々良い結果が出ないと、
結局何が最も正しいのかわからなくなってきてしまうのですね。
そうなった時は、世に出ているクレンジングオイルの傾向を見るに限ります。
化粧品開発者は普段から当たり前にされていることかもしれませんが、
意外と実験に没頭していると周りが見えなくなってしまうことがあるのです。
実際に市販品を見てみますと、使用されている界面活性剤のHLBは7~12辺りが多かったです。
つまり、極端なHLBの界面活性剤はクレンジングオイルに不向きなのだなということが読み取れるのですね。
ここからまた相性試験のスタートとなるのです。
早く良い結果が出せるように引き続き頑張るのみです!
クレンジングオイルの開発に携わっていて、
化粧品はトライ&エラーを幾度も繰り返して完成されている。
だからこその達成感なのだということ再確認しています。
市販のクレンジングオイルも技術者達の度重なる苦労が裏にあるのだろうな…!
と商品自体の見る目が変わったいろはね研究員なのでした。
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スキンケアとリップケア
皆さんこんにちは!いろはねです!
今年ももうすぐ終わりに近づいていますが、
この時期は何といっても「乾燥」が気になりますよね。
肌はもちろんのこと、体もボディクリームを塗らなければピリピリして痒くなったりしますので、保湿が命な今日この頃です。。。
保湿が命、といえば唇もですよね!
私の場合は季節問わず、1日に何度もリップを塗らないとカピカピに乾いてひび割れしてしまう程の超乾燥タイプですので、保湿ケアは必須です。
このように「保湿」というワードを出すだけで、どこをケアしたいのかがいくつも浮かんできますよね。
特にネットショッピングなんかはわかりやすいですが、
何か新しい化粧品買おうかな…と色々探す際、
スキンケア、ヘアケア、ボディケア、メイク関係など大きくカテゴリー分けされ、
欲しいアイテムが探しやすいようになっていますよね。
それだけ特定の部位をケアすることに特化したアイテムが、
世の中にたくさん生み出されているのだなということが分かります。
私はケアしたい所によって、それに合わせたアイテムを使用したい派なのですが、
ユーザーの方によっては、オールインワンゲルやリンスインシャンプーなど、
一つのアイテムで何役もこなしてくれるようなアイテムの方が手早くケアできて好き。
という方もいらっしゃいますよね。
これらのアイテムは非常に便利ですので、ニーズがあるのもうなずけます。
しかし、最も効果があるのはそれぞれの部位に合わせたケアアイテムを使用すること。
これに限ります。
なぜかと言いますと、部位によって皮膚の機能や構造が異なるからなんですよね。
つまり、私達化粧品技術者はそのこともしっかり知った上で化粧品開発を行っていく必要があります。
その中で個人的に知識不足だなと思ったのが、唇についてです。
よく観察してみれば、皮膚と唇って見た目が全然違いますよね。
皮膚は肌色で毛穴があるけど、唇は赤い色をしていて毛穴もない…。
同じ顔にあるパーツなのに、ここまで違うのも面白いですよね。
〇唇について〇
では、そんな唇について色々調べましたので、早速まとめていきたいと思います。
①唇の色が赤いのは人間だけ!?
唇は非常に角層が薄い為、肌の皮膚に比べて透明度が高いのだそうです。
そこに多くの毛細血管があるため、血液が透けて唇の色に反映されているのだとか。
唇の赤は血液の色だったのですね。
つまり、寒いときや具合が悪いときに唇が真っ青になるのは、血の巡りが悪くなり、
それがダイレクトに唇に現れていたからということなのですね。
②感覚が研ぎ澄まされている
温度や質感を感じる感覚神経が、手のひらの次に発達している為、
非常に敏感なパーツとも言われています。
③非常に乾燥しやすい
唇は非常に角層が薄いことから、皮脂腺が少なく汗腺もありません。
つまり、皮膚に比べてうるおいを守るバリア機能が低い為、水分がどんどん蒸発してしまいやすい構造をしています。
乾燥のスピードは、なんと頬の5倍とも言われています。
④ターンオーバーが短い
皮膚のターンオーバーは約28日と言われているのは有名ですが、
なんと唇のターンオーバーは約3.5日と非常に短いです。
そのため、様々な刺激に反応するとすぐに荒れ、あっという間に皮むけを引き起こしてしまいます。
それに伴って回復も皮膚より断然早いというところが非常に面白いです。
また、ターンオーバー(代謝)が活発な若い人ほど、皮むけや乾燥に悩む人が多いそうです。
ターンオーバーについては美里先生のブログが非常に面白いので是非!
フケも出なくなる”お年頃” | コスメあら!?カルト?? (cosmetic-web.jp)
⑤紫外線に弱い
角層が非常に薄いということは、メラニン色素も少ないということになります。
皮膚は紫外線ダメージから肌を守るために、メラニンを生成しますが、
メラニン色素の少ない唇はその防御機能が小さい為、紫外線に当たりすぎてしまうと荒れる原因になります。
<参考HP>
化粧品用語集 | ライブラリー | 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com)
〇唇の機能&構造を踏まえて〇
唇について色々と知ることができましたので、今度は実際リップケアアイテムを開発するとなった時、どこを重要視するべきなのでしょうか?
それについて個人的な見解をまとめていきます。
①テクスチャー
感覚神経が発達している唇は、非常に繊細だと思いますので、
心地よいテクスチャーを目指した開発が重要なのではないかなと思いました。
②保湿力
唇は皮脂腺や汗腺が発達していない分、水分が蒸発していかないように隠ぺい力の高い濃厚なしっとり感を追求する必要がありますね。
③紫外線対策
紫外線からの影響を受けやすいということでしたので、やはりUV対策がされているとより安心なのだなと感じました。
UV対策がされたリップが多く販売されている理由も納得です。
唇の機能と構造を知ると、スキンケアとリップケアのアイテムはそれぞれ異なるコンセプトで処方設計を行う必要があるなということを学びました。
今回のケースのように、使用する部位のことを知り尽くしていないと本当の化粧品開発はできないなと思ったいろはね研究員なのでした。
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トリートメントを作りたい!
皆さんこんにちは!いろはねです!
最近私は、初めてトリートメントの試作をやらせていただきました。
今も試作は継続中なのですが、トリートメントはケアの対象が毛髪であるため、
また新たな知識として色々とお勉強をさせていただいております。
今回はそんなトリートメントについて、お勉強のために基本的な知識や、
試作をしてみて感じたことなどをまとめていきたいと思います。
〇トリートメントとは?〇
改めて、トリートメントとはどのようなアイテムなのでしょうか?
トリートメントは英語で「処置・治療・手当て」という意味なのだそうです。
毛髪は硬ケラチンであり、いわば死んだタンパク質ですので、
一度損傷してしまえば自身で修復をすることはできません。
つまり、早くケアをしなければどんどん損傷がひどくなっていってしまうのですね。
トリートメントはそんな損傷してしまった毛髪を補修してくれたり、
損傷の進行を抑制・防止する効果があります。
〇トリートメントに欠かせない成分〇
①カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤は水に溶けるとプラスに帯電する性質を持つ界面活性剤です。
そしてケアをしたい毛髪表面は、マイナスの電気を帯びているためプラスのカチオン界面活性剤が吸着しやすいのですね。
それにより以下のような効果が期待できます。
・帯電防止
カチオン界面活性剤がマイナスに帯電した毛髪に吸着することによって、
静電気で広がるのを防ぎ、しっとりとしたまとまりのある状態へと導いてくれます。
毛髪がマイナスに帯電して反発し合うのを、プラスのカチオン界面活性剤が打ち消すようなイメージですね。
・指通りの改善
カチオン界面活性剤が、トリートメントに配合されている油分と共に毛髪に吸着してくれる為、お湯ですすいでもギシギシせずに滑らかな指通りを実現することができます。
他にも、
・毛髪の柔軟性向上
・殺菌効果
などが挙げられます。
つまり、トリートメントは乳化しているとはいえ、スキンケアの乳液やクリームとは少しテイストが異なるのです。
乳液やクリームも、実際毛髪に付けたらしっとりしそうなイメージですよね。
しかし、このカチオン界面活性剤が配合されていなければ、
毛髪には何も吸着せず、全てがお湯と共に流れていってしまい、
指通りの悪いギシギシの状態にしかなりません。
この電気的な力が、毛髪に様々な良い影響を与えてくれていたのですね!
高級アルコールとは、炭素数が6個以上の1価(-OH基が一つついている)のアルコールのことを言います。
私達はよくこれを乳化補助剤として使用することが多いですが、
トリートメントにとってはあのトロッとした粘度を出すために必要不可欠な成分となっています。
高級アルコールは、カチオン界面活性剤と組み合わさることで、ゲルを形成します。
このゲルは層状の構造となっていて、これがどんどん幾重にも重なり特殊なネットワークを形成します。
このネットワークが粘度を上昇させてくれる為、液だれしにくく使用しやすいトロッとしたトリートメントを作ることができるのです。
③油分
カチオン界面活性剤と高級アルコールの力でゲルが形成されるため、
スキンケアのクリームとは異なり、少ない油分でも乳化することが可能です。
トリートメントに配合される油分は、ゲルの中に乳化粒子として分散され、それが毛髪に吸着し、ツヤやうるおいを与えてくれます。
主にシリコーンや植物性のオイルを使用していることが多いのではないでしょうか。
参考HP:化粧品用語集 | ライブラリー | 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com)
〇実際に試作をしてみて〇
今まで綺麗に真っ白に乳化する乳液やクリームを見てきていたため、
最初にトリートメントの試作をした時は、その様子を見て少し不安になってしまいました…(汗)
処方の関係上油分が少ないということもあり、
乳化しているはずなのに薄めた牛乳みたいな見た目だし、
水みたいにサラサラで粘度がないし、これはきちんと乳化できているのだろうか…?
ちゃんと粘度出るのかな…?と色々不安になってしまったのですね。
冷却していくことで、最終的に粘度も出て形にはなったのですが、
乳化したものって、もっと濃厚でツヤツヤしてなかったっけ…?
とまだ私の脳内は自信のない様子。
結果、この試作品を打ち合わせで報告した時に、
やっとこれで良いんだということを知ったのと同時に、
あまりにも私が乳化アイテムの常識にとらわれすぎていたのだなということに気がづきました。
スキンケアとヘアケアはケアしたいところが違うからこそ、
視点もガラッと変えて観察していかなければなければいけませんし、
市販品をよくイメージして比較することも大切だなと感じました。
しかし、実際試作したトリートメントを使用した時、しっかり指通りも良くて、
ギシギシとした感触を感じなかった時、私は非常に感動しました。
中身の技術や知識を知ってから試作をして、実際に使用すると感動が一段とアップしますね!
さらに良いものができるよう、試作を引き続き頑張りたいと思います!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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マスキングの難しさ
皆さんこんにちは!いろはねです!
さて、今回の話題は「マスキング」についてです。
化粧品において、香りは重要な要素の一つですよね。
敏感肌向けやナチュラル志向な化粧品ブランドは無香料を謳っているものの、
デパコスブランドは、効果やテクスチャーはもちろんのこと、
香りにもかなりこだわって商品開発がされているように感じます。
ユーザーの皆様も肌に塗布した瞬間、ふわっと香る心地よい香りを基準に化粧品を選ぶ、なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか?
私たち化粧品OEMの技術者は、
例えばお客様からクリームにバラの香りをつけてほしいというご要望をいただいたら、
バラ精油やバラのような香りの合成香料をクリームへ添加し、
塗布した瞬間ふわっと香るように配合量の調整を行っています。
これがとっても難しく、実際香りの微調整だけで何度も試作をすることが多々あります…!
〇化粧品に香りをつける目的〇
ぶっちゃけたお話をしますと、香りってほんの少ししか配合しないし、
別にスキンケアをする上で、肌に直接効果があるわけではないし…
絶対に必要かと言われると、無くても良い存在なんですよね。
無香料の化粧品が世の中にたくさんあるのはそういうことです。
しかし、それでも香りをつけてほしいというお声をたくさんいただきます。
また、化粧品の口コミや宣伝などでも、「心地よい香りが…」などと
香りについて大きく取り上げられていることって結構ありますよね。
では、なぜそこまで化粧品に香りをつけることが重要視されているのでしょうか?
①使用時の心地よさの演出
香りは、脳や心に働きかける力があると言われています。
食欲をそそる香り、忘れていた遠い記憶を思い出す懐かしい香り、
森林浴で心が浄化されたり、思えば様々な力を私達にもたらしていますよね。
化粧品は主に皮膚や毛髪を健やかに保つために必要とされているため、
使用感や美容効果が最も重要視されるところですが、
そこへ香りがプラスされることにより、外側だけではなく、心に作用し、
内側からのケアが可能になります。
ストレスは肌に悪影響と言うように、化粧品を使って「良い香りで癒されるな…」と
心のケアに繋がることで、より美しい肌を手に入れることができますよね!
②ブランドイメージ
香りが与える印象って強いですよね。
例えば、柑橘系はエネルギッシュで若々しいイメージ、
ハーブ系は自然や癒しの力を彷彿とさせるような香りですし、
フローラル系は女性的なイメージです。
そんな香りのイメージを利用することもあります。
例えばメンズ向けブランドであれば、ウッディな香りやスパイシーな香りを中心に演出したり、オーガニックメインのブランドであれば、ハーブ系の香りでナチュラルさを演出したり…
コンセプトがはっきりしているブランドは香りにも特徴があるように感じます。
③配合されている化粧品原料特有の「基剤臭」をカバーすること
これが最も重要なポイントだと思います。
原料によっては、元から独特の臭いであったり、継時変化で発生してしまったり、
香りをつけなければ不快に感じてしまう臭いがあります。
スキンケアは特に顔に付けるものなので、香りには敏感になりますよね。
あまりにも基剤臭が強ければ、使いたくない…と思ってしまうのも無理はありません。
それを上手くカバーする方法が、「マスキング」なのです。
〇マスキングとは?〇
覆う、かぶせる、隠すという意味になります。
手法としては、
①基剤臭のするベースに香料を賦香することでその臭いをカバーするパターン
②不快な臭いに似た香料で不快な臭いをカバーするパターン
などがあります。
上記でもお話した通り、私達がよく取る手法は①ですね。
②は、香りを知り尽くしたプロでなければ非常に難しいと思います。
香りは、非常に多くの「香気成分」と呼ばれるにおい分子が複雑に組み合わさることによって構成されています。
それらは、量やバランスがほんの少しでも異なると全く別の香りになってしまうほど非常に繊細です。
つまり②は、不快な臭いの香気成分がどのように構成されているのかをまず分析し、
さらにそれとほとんど同じもので構成されたマスキング用の香料を作り、
それが本当に効果があるのかを繰り返し試して初めて実現することができるのですね。
そう考えるとマスキング一つとっても非常に難しいことがわかります。
私もよく香料を賦香しますが、どこか香りとベースが別物でまとまりがない…
と感じることが多々あります。
また、人によって感じる、感じないが異なりますので、自分では上手くできたぞ!
と思ってもお客様にとってはもっと強く&弱くしてほしい…もっとこうしてほしい…
となることもしばしば。
ですので、その分達成感が非常にあります!
そして時々デパコスの高価な化粧品に触れると、非常にバランスが良く、
まとまりのある香りだなぁと感動します。
デパコスは基剤臭のするベースに合わせて上手くマスキングできる香料を綿密に開発しているはずですので、そこにもコストをかけているから高価。
ということなのでしょう。
今回まとめてみて改めて香りの分野は非常に奥深いなと痛感したいろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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