香りのニーズが高まっている?
皆さんこんにちは!いろはねです!
実は先週体調を崩してしまいまして、ブログをお休みさせていただいておりました。
もう完全に回復いたしましたので、また元気に再開です!
よろしくお願いいたします!
さて、早速参りましょう。
少し化粧品からは離れますが、最近私は気になるCMを見ました。
それは、P&Gのレノアシリーズから睡眠の質を向上させる香りの柔軟剤が出たと…
えっ…柔軟剤ってそこまで進化していたの!?と純粋に驚きました。
昔から香りは心に作用するとは聞いていて、脳との関係なども色々研究されているのは知っておりましたが、
実際にそれが実証され、商品化されていたということを知り、
ちょっと自分遅れていたな…と焦りも感じました。
そこでタイミング良くこのような記事も発見したのですね。
コロナウイルスの影響により、生活用品に良い香りを求めるニーズが高まり、
より香りが心や感情に与える効果が注目されるようになりました。
気分を高めたり、リラックスさせたりなど特定の機能性を香りに結びつけて「機能性フレグランス」と呼び、それを商品に落とし込む企業が増えているのだそうです。
まさに先程お話したレノアの新商品もこれに当てはまりますよね。
この風は化粧品業界にも吹いていて、香りを用いて心へのアプローチを計る傾向が強まってきているということがこの記事には書いてありました。
この記事を見て、私は実際のところどうなのかな?と考えた時、
ヘアケアやボディケア、スキンケアなど、香りの効果や特徴をメインに販売しているブランドさんをたまに見かけるなと気づきました。
リラックスしたいとき…
気分を上げたいとき…
リフレッシュしたいとき…
といった心の状態に働きかけるような香りを演出し、それを化粧品と掛け合わせて販売していますよね。
化粧品を使用する時、ファーストアクションとして浸透性の高さやなめらかさなど、
テクスチャーの良さが重要視されますが、同時に香りもふわっと広がる為、
それが良くなければどんなに良いテクスチャーでも使いたくない…
と思われてしまうこともある程、香りの印象って非常に強い気がします。
化粧品で良い香りを感じた時、心がふっと軽くなるような、リラックスできたような感覚になる。(この感覚私も大好きなのですが…)
それを楽しみに日々のスキンケアや美容をしている方が増えてきているのかもしれませんね。
その反面、私がこの化粧品開発の業界へ入った時には、
もちろん香りが付いた化粧品は昔からよくあったが、
最近は無香料を好む傾向にあると教えてもらいました。
確かに、コンセプトによって香料は肌に刺激になるという認識もあり、無香料が肌に優しいイメージがあるのも事実。
実際敏感肌向けの化粧品は無香料を推奨しているように思います。
しかし、実際化粧品開発に携わっている中で、
最近また香りをつけてほしいとおっしゃるお客様はやはり増えたように感じます。
この香りをつけてほしいと見本をお持ちになったり、
香りの質感や強弱にかなりこだわりがあったりと、
化粧品のテクスチャー同様に香り選びにもかなり真剣に力を注いでいるお客様が多い傾向にあるなと感じています。
これも香りに対する需要が高まっていることから来ているのかなと思いました。
なぜ、そこまで香りにこだわるのか。
その理由はもちろん千差万別だと思いますが、香りって肌への効果として考えたら、
必要不可欠というわけではないのに、これだけ注目されている。
それはやはり香りが心に働きかける力が認められてきていて…
化粧品も定義としては肌を美しく清潔に保つことだけれど、決してそれだけではなくて、化粧品を通じて肌が美しくなることで、心も満たされ癒される。
それを求めて消費者は化粧品を買って使う。
化粧品と香りって心に働きかけるという意味で共通点があるから、
切っても切れない関係で一緒に活躍しているのかなということに気づきました。
化粧品業界も時代の変化と共に著しく変わっていく…その速さに圧倒されつつも、
この先またどのように変わっていくのか、私も日々仕事をする中で常にアンテナを張り巡らせていきたいと思いました。
トレンドを知ることは面白いですね!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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食べられる原料は本当に肌に優しいのか
皆さんこんにちは!いろはねです!
早速ですが、皆さんは「この化粧品は食べられる成分や原料で作られています」
と言われたらどのように感じますか?
多くの方が、食べられるなら肌に付けても安全だよね!
と思うのではないでしょうか?
私もこの業界に入っていなければ、きっと同じことを考えたと思います。
実際開発現場においても、お客様が原料を支給してくださり、
これを使用した化粧品を作ってほしい、
といったご依頼をいただくことがあるのですが、よく見ると食用…。
この場合、はい!わかりました!と言ってそのまま使用することはできません。
化粧品にも使用可能かどうか調べたり、化粧品成分としてきちんと精製された原料を使用する必要があります。
化粧品は肌につけるものですので、体の中に入る食品とは紙一重な気がしますが、
食べられる原料=肌につけても安全と考えてしまうのは、
ちょっと待ったー!ということなのですね。
でもなぜ安全ではないのでしょうか?
私も疑問に思いましたので、色々調べてみました。
〇皮膚と内臓の機能〇
これらの機能の違いを調べれば、なぜ食べられる原料が皮膚にとって安全ではないのかが分かります。
そもそも皮膚は、私達の体を覆い、体内部の重要な器官や臓器を守ったり、
水分が失われないようにする「防御器官」。
対して内臓は、強酸である胃酸(消化液)や様々な消化酵素を分泌し、
外から入ってきた食べ物から栄養分のみを吸収しやすい形に分解する「吸収器官」。
つまり大まかにまとめると皮膚は守る組織で、内臓は吸収する組織。
もちろん皮膚には経皮吸収機能もありますので、防御しかできないというわけではありません。
ということは皮膚にも吸収機能はある…では他に何が異なるのでしょうか?
それは「分解機能」です。
この機能、内臓にはできて、皮膚にはできないことなのですね。
ここの違いが重要なポイントとなります。
〇食品のアレルギー性や毒性〇
少し皮膚とは関係のないお話になりますが、
加工食品の裏を見ると、よく「本製品に含まれるアレルギー情報」といったアレルギー表示がされていますよね。
アレルギー症状が出るのは主にタンパク質と言われておりますが、
通常は胃や小腸で分泌されるプロテアーゼという消化酵素で分解・吸収されます。
その分解・吸収する際に特定のタンパク質を異物だと認識すると、
血中のIgE抗体(免疫グロブリンE)と呼ばれるタンパク質が反応してアレルギー反応が起こるのだそうです。
皮膚も同じようにIgE抗体が外部や内部からの刺激によって反応して接触性皮膚炎などの症状が出ます。
他の人は平気なのに、私はこの化粧水をつけると赤くなってしまうのよね…
という方はそれに配合されている何かの成分を異物だと認識してしまい、
免疫機能が働いて症状が出てしまうということですね。
また、不思議な現象として山芋を例に挙げますと、
山芋って擦り下ろす時にかゆみを感じますよね。
あれはアレルギー反応ではなく、山芋の皮付近に多く含まれるシュウ酸カルシウムという成分が原因なのだそうです。
シュウ酸カルシウムは結晶物で針のようにとがった形をしており、
それが皮膚に突き刺さることによってかゆみが出るのだそうです。
そのかゆみを抑える対策としてよくやるのが、酢水やレモンなどで洗い流すこと。
シュウ酸カルシウムは酸に弱いため、このような対策が推奨されています。
つまり、山芋を生で食べてもかゆみを感じないのは、分解の過程で分泌される胃酸によるものではないかと思われます。
肌ではかゆみを感じるのに、食べれば問題ない。
それは内臓の分解機能が働いたから。
面白いですよね~。
このように、野菜や果物にはアレルギー性や毒性を発揮して肌を刺激するものがあり、
それを肌は分解することができない為、食べられる原料をそのまま化粧品に配合することは推奨されていないということなのです。
ですので、食品を化粧品成分として使用する場合は必ず、エキスという形で精製されていなければならないのです。
ちなみに先程話題に出た山芋も化粧品表示名称として「ヤマノイモ根エキス」というものがありました。
ヤマノイモ根エキス(化粧品):Cosmetic-Info.jp
このように化粧品表示名称として、化粧品に使用可能な状態の原料であれば安心して配合することができるというわけです。
そこまでしても反応してしまう方はいらっしゃいますので、
食品由来成分が確実に安全とは言い切れないのはそこにも原因があるのかもしれません。
だからこそ、そういう不純物が全く入っていない白色ワセリンのような化学合成成分が医療の現場でも使用されているのかもしれませんね。
それにしても人間の体って本当に繊細で、毎日様々な機能が休まず働いていて…
毎日健康に生活できているのはこのおかげなのだなとしみじみ感じたいろはね研究員なのでした。
参考HP:
食物アレルギーの仕組みって?発症したらどうする? | 味の素株式会社 (ajinomoto.co.jp)
胃腸のしくみと働き|胃と腸の事がよくわかる胃腸の健康 (wakamoto-pharm.co.jp)
花王 | スキンケアナビ | 肌とはなにか (kao.com)
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化粧品開発展2022を終えて
皆さんこんにちは!いろはねです!
先週1月12日~14日まで化粧品開発展2022が開催され、3日間多くの方々にご来場いただき、小さいブースながらも賑わっておりました!
お忙しい中来てくださった方々には感謝しかありません。
本当にありがとうございました。
さて、前回私はこの化粧品開発展に向けての意気込み等色々と書かせていただきましたが、実際終えてみてどうだったのかを今回はまとめていきたいと思います。
〇お客様が一番注目したものは?〇
2日間ブースに立っていた私個人の見解なので、もっと他にも様々なエピソードがあるかとは思いますが…
私は通りすがりの方々にリーフレットを配りながら、
ブースに引き込んでたくさんお話をさせていただいたのですが、
やはり「CBD」というワードにご興味をいただくことが多かったように思います。
CBDをどのようなアイテムに配合できるのか、
実際どのような効果が期待できるのかなど様々な質問をいただきました。
また、CBDの水溶化については業界紙を見てご興味いただき、
実際ブースに来てくださる方もいらっしゃいました。
会場内にもCBD専用のエリアがあった程、まだまだCBDは盛り上がりを見せているんだなということを再確認することができました。
CBDと言えば、油溶性ですので油系製剤に配合することは容易で、
すでに様々なアイテムが商品化されておりますが、やはり水系製剤はまだスタートラインに立ったばかりという印象が強かったです。
だからこそ、より一層弊社のCBD水溶化技術を世の中に広げていくチャンスだ!
と自信にも繋がりましたね。
今回の展示会で実際にお話が進み始めたお客様もいらっしゃいまして、
非常に喜ばしい限りです。
研究開発の人間として、商品化されていくのが今から楽しみです。
〇実際に触れていただいてわかる弊社の技術力〇
今回の展示会で感じたのは、テスターの説得力ですね。
最初の掴みはだいたい弊社の技術を簡単に口頭で説明するのですが、
本当に浸透力高いの…?本当にメイク落ち良いの…?と半信半疑でお話をお聞きになる方も多かったです。
数あるOEMメーカーさんを展示会で見てきているわけですから、そうなるのは当たり前ですよね。
ですが、実際にテスターを触っていただくとお客様の目の色が変わるんです。
凄いですね…!と。
その瞬間を毎回私は秘かに楽しんでおりました…(笑)
(そうでしょ…!)とマスクの下でドヤ顔です(笑)
お客様に実際、
浸透力非常に良いですね!
使用感とても気持ち良いですね!
こんなにメイク落ちするクレンジング見たことないです!
など感想をいただける瞬間が非常に嬉しかったです。
お客様の反応は初めてこんな使用感に出会った…!という初めましての感想が多かったので、これが新技術の証だよなと感動しておりました。
つまり、自分たちは世の中にないものを開発できているんだな、他メーカーとの差別化ができているんだなということを実感できる瞬間でもありましたね。
そういう意味ではお客様も自分もテスターの力によって様々な発見があり、
それによって新たなご縁を繋げることができたと思います。
ということで、今回の展示会でも新たな発見とお客様との出会いがたくさんありました。
また、直接お話はできていないけれど、通りすがりにリーフレットをもらってくださった方々も多かったので、これから続々と連絡が来てくれたら嬉しいなと思います。
この機会を次につなげ、素敵な化粧品を世の中に出していけることを願い、
私も研究開発を頑張りたいと思いました!
今回は少し短いですがここまでとさせていただきます。
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化粧品開発展2022!
皆さんこんにちは!いろはねです!
前回は熱く語ってしまいましたが、今回も熱い内容になるかと思います。
最後までよろしくお願いいたします。
ではなぜ、いろはね研究員はここまで熱くなっているのでしょうか?
それはですね…
化粧品開発展2022に出展させていただくことになったからです!
展示会って、自社の技術を惜しみなく披露することができる場ですし、
多くのお客様と多くのご縁を繋ぐことができる素晴らしい祭典だなと思っております。
だからこそ、熱くなってしまうのかもしれません。
どの業界でもそうですが、新しいご縁を繋ぎ、新たなお客様を獲得することは、
会社のことをその業界内で広く知っていただく上でも非常に大切なことかと思います。
こんな商品を作りたいけど、中々良い会社さんに出会えない…
そんな悩みを抱えていらっしゃるお客様と出会える機会が得られるのが展示会の良い所ですよね。
今回は弊社全ての技術を集約して、展示させていただいております。
技術については以前のブログに詳細をまとめさせていただいておりますので、そちらもぜひご覧ください。
こうして文字にすることは簡単ですが、結局のところ実際に触れてみないことには
どのようなアイテムなのか中々イメージが湧きませんよね。
それに文字や言葉でいくら説明をしても、そこで伝えられる情報には限りがあって、
実際に試すという行為が加わることで初めて伝わる情報もあると思います。
そういうことが実感できるのも、展示会の醍醐味であると私は思います。
今回の展示会において、特にどの技術がおすすめですか?と聞かれると
選べないくらい全て素晴らしいのですが…
強いて言えば、メディアにも掲載していただいた、CBDの水溶化とセラミドラメラエマルジョンでしょうか!
〇CBDの水溶化〇
現在さらに安定性の高い製剤を模索中ですので、まだ完全体とは言えませんが、
最もお伝えしたい大きな特徴は、
界面活性剤を使用せず水系製剤に油溶性のCBDを投入することができたことです。
すでに今、CBD配合のフェイスマスクなどがもう世の中に出始めておりますが、
一般的に水系製剤に油溶性の成分を入れるとなるとどうしても界面活性剤の力が必要となってしまいます。
それが悪いということではありませんが、その一般論を打破するのが新技術ですよね。
CBDは油溶性成分の中でも非常に酸化されやすい部類に入りますので、
ここまで形にするのに非常に苦労しました。
しかし、ついにこうして展示会でその技術をお披露目し、
多くのお客様の目に留まることを想像するとやはり胸が熱くなりますね。
〇セラミドラメラエマルジョン〇
今までは保湿成分として微量配合されてきたセラミドを、
エマルジョン形成の基剤として配合することで、
一般的に必要となる界面活性剤や合成ポリマーを一切配合していない、
全く新しいエマルジョン技術を誕生させました。
ラメラは人の皮膚に元々備わっていて、日々潤いを保ってくれているのですが、
セラミドラメラエマルジョンはそれとほとんど同じような構造を取ることで、
乾燥してダメージを受けたラメラを埋めて補修することができます。
その為、浸透を妨げる合成ポリマーも配合されていないため、
エマルジョンなのにスッと肌に馴染み、あっという間に肌内部を保湿してくれるのが弊社のエマルジョン技術です。
こちらの技術はついに昨年商品化が叶いまして、実績を積み始めたまさに新進気鋭の技術になります。
ということで、あまり多く語ってしまいますと展示会でお話することがなくなってしまいますので、この辺で…(笑)
ちなみに化粧品開発展は2022/1/12(水)~1/14(金)まで開催となっております。
このブログが更新される1/13(木)…展示会真っ只中でございますね。
つまり、まだ明日14(金)が残っておりますので、
ご都合が合う方、ご興味のある方はぜひいらしてください!
お待ちしております!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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実験はトライアンドエラーの繰り返し
皆様あけましておめでとうございます!
いろはねです!
本年もどうぞこのブログ共々よろしくお願いいたします。
さて、今回のブログは新年に相応しく、
2021年を振り返ったり、2022年の目標などを書いていきたいと思います。
2021年もコロナウイルスによる影響が大きい1年となりましたね。
各業界それぞれ、以前と同じような生活は困難な状況に追い込まれ、
業績が逆に上がった業界もあれば、非常に厳しい業界もあったのではないでしょうか。
化粧品業界が受けた打撃も中々に厳しいものだったとは思いますが、
そんな中でも、マスク生活に合わせたスキンケアやメイクアイテムがこの1年で次々開発され、日本のアイデア力と適応能力の高さに驚きと感動の連続でした。
そんな新たなアイテムが開発されていくのを見る度、
このアイテムは化粧品技術者達がどれだけ多くの実験を重ねたのだろうか…
ここにどのようなドラマや努力が隠されているのだろうか…
と考えるようになりました。
今まではただ単に、このアイテム使用感が気になるから使ってみようかな…
と自分目線な考えでした。
つまり、私も化粧品の技術者ながらにかなりユーザー目線で見ていたのですね。
弊社もこの1年は順風満帆とまではいきませんでしたが、
厳しい世の中だったのにも関わらず、新規のお客様からのご依頼も多く、
様々なアイテムの開発をさせていただくことができました。
本当に感謝しかありません。
もちろんその全てを形にすることができたわけではありませんが、
その中で新たな挑戦をすることができたり、
新たなデータを得て新たな発見をすることもありました。
そんな2021年はたくさん実験をして失敗をして…そこから学びを得てまた挑戦する。
それの繰り返しを経てやっと化粧品が完成する。
その道のりをより濃く見て実感することができた一年だったなと感じています。
お客様が求める化粧品、ユーザーの方がリピートして使いたいと思っていただけるような化粧品を作るには、失敗を恐れていてはいけないなとも思いました。
また、その失敗を周りのせいにしてしまうことは絶対してはならないということも。
特にコロナの影響が大きかったこの一年、上手くいかない時はそのせいにしてしまいがちでした。
しかし、その失敗から何が原因だったのかと反省をすることが非常に大事で、
それが学びとなり、次のステップへと繋がっていく。
厳しい状況にただ打ちのめされるのではなく、その状況をどのように打破すればよいのか…自分と向き合って考えることが本当のステップアップへの道だよな。
ということに気づかされた1年でもありました。
そういう意味で、化粧品技術者に必要な精神って、
・失敗を恐れないチャレンジ精神
・失敗から反省&学ぶこと
・何度失敗してもあきらめないこと
・同じ失敗を繰り返さないよう冷静に分析すること
なのだと思います。
あっでもこれって化粧品技術者だから、という話ではなく社会人として当たり前に持っていなくてはならない精神な気がしますね(笑)
(お恥ずかしい内容になってしまった…)
それはさておき…
私の欠点はどこか控え目で、あまりグイグイいかないところですので、
2022年はその殻を破り、失敗を恐れずガンガン挑戦していく1年にしていきたいなと思います。
新年一発目のブログは熱く語ってしまったような気がしますが…
暗いニューズに沈むばかりではなく、化粧品で明るい未来を作っていきたいものですね!
最後までお読みいただきありがとうございます!
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クレンジングオイルは正直なのです
皆さんこんにちは!いろはねです!
今回が2021年最後の記事になりますね!
(先程カレンダーを見て驚いたことは秘密にしておきましょう…)
またあっという間に一年が終わろうとしています。
毎年言っていますが、本当に毎日があっという間なんです。
このお仕事に就いてからもう丸2年が経ちましたが、まだまだ知らない事だらけです。
新しいことにチャレンジしたり、学んだり、毎日が新鮮です。
だからこそ、一年があっという間に感じるのでしょうね。
それだけ毎日が充実していたということでしょうか!素晴らしいことです!
そんな環境に置いていただけていることに日々感謝して、
来年も充実感のある一年にできたらいいなと思います。
「新しいことにチャレンジ」と言えば、
今クレンジングオイルを開発チームで手掛けているのですが、
これが中々に難しく、苦戦しておりまして…
実際、何に苦戦しているのかと言いますと…
①オイルの選定
②界面活性剤の選定
③相性の良いオイルと界面活性剤の組み合わせ
これが今私達が抱える大きな課題です。
なぜこれらがそんなにも難しいのでしょうか?
〇クレンジングオイルをイメージしてみよう〇
まず新しいものを開発する時は、
そのアイテムがどのように構成されているのかをイメージすることから始めます。
一般的なクレンジングオイルはだいたいこんなイメージ↓
こうして見ますと非常にシンプルですよね。
要はオイルと界面活性剤でクレンジングオイルは完成してしまうということです。
実はこのシンプルさが逆に仇となり、開発は苦戦を強いられることになります。
クレンジングオイルはメイクを落とす目的で界面活性剤を配合している為、
乳化目的の乳液やクリームと異なりその配合量は多いです。
その為、これらの特徴がダイレクトにメイク落ちや使用感にも出ます。
また、クレンジングオイルって見た目が透き通っていますよね。
あれはただ単にオイルが透き通っているからとかの話ではなく、
オイルと界面活性剤の相性の良さが確立されているからこその状態なのです。
実はこれらの相性が悪いと濁ってしまったり、混ざり合わず分離してしまったりと
相性の悪さが正直に出てしまうのが、クレンジングオイルなのです。
だから「クレンジングオイルは正直」ということなのですね。
非常にシンプルなアイテムであればある程、開発は難しい…!
〇オイルと界面活性剤の相性試験〇
先程から何度も話に出てくる「相性」ですが、
これには界面活性剤のHLBが大きく関わってきます。
HLBとはHydrophilic-Lipophilic Balance=親水性親油性バランスの頭文字を取ったものです。
その範囲は0から20まで。
HLBが低い界面活性剤は、油に馴染みやすい親油性
HLBが高い界面活性剤は、水に馴染みやすい親水性
という位置づけでした。
オイルと界面活性剤で構成されているクレンジングオイルですから、
これらの相性試験が開発をする上で非常に重要となります。
基剤となるオイルを選定し、そこからそれに合う界面活性剤を選定していくのです。
これが個人的には非常に難しい所なのではないかなと感じています。
<あまりにもHLBが低い界面活性剤を選定してしまうと…>
HLBが低い界面活性剤は構造的に脂肪酸のボリュームが大きい為、
原料自体固形のものがほとんどです。
オイルと共に加熱すれば一旦は溶けますが、
相性が悪ければ室温へ戻したとき白く濁ってしまったり、
白い塊が発生してしまったりすることがあります。
<あまりにもHLBが高い界面活性剤を選定してしまうと…>
逆にこちらは液状のものがほとんどですが、
あまりにもHLBの高い界面活性剤ですと、性質がオイルとかけ離れていますので、
完全に混ざり合わずうっすらと層ができて分離してしまうのですね。
どちらもクレンジングオイルとしては好ましくない状態ですよね。
〇市販品から読み解く〇
上記でHLBのお話をしましたが、実験を行っていて中々良い結果が出ないと、
結局何が最も正しいのかわからなくなってきてしまうのですね。
そうなった時は、世に出ているクレンジングオイルの傾向を見るに限ります。
化粧品開発者は普段から当たり前にされていることかもしれませんが、
意外と実験に没頭していると周りが見えなくなってしまうことがあるのです。
実際に市販品を見てみますと、使用されている界面活性剤のHLBは7~12辺りが多かったです。
つまり、極端なHLBの界面活性剤はクレンジングオイルに不向きなのだなということが読み取れるのですね。
ここからまた相性試験のスタートとなるのです。
早く良い結果が出せるように引き続き頑張るのみです!
クレンジングオイルの開発に携わっていて、
化粧品はトライ&エラーを幾度も繰り返して完成されている。
だからこその達成感なのだということ再確認しています。
市販のクレンジングオイルも技術者達の度重なる苦労が裏にあるのだろうな…!
と商品自体の見る目が変わったいろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!
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スキンケアとリップケア
皆さんこんにちは!いろはねです!
今年ももうすぐ終わりに近づいていますが、
この時期は何といっても「乾燥」が気になりますよね。
肌はもちろんのこと、体もボディクリームを塗らなければピリピリして痒くなったりしますので、保湿が命な今日この頃です。。。
保湿が命、といえば唇もですよね!
私の場合は季節問わず、1日に何度もリップを塗らないとカピカピに乾いてひび割れしてしまう程の超乾燥タイプですので、保湿ケアは必須です。
このように「保湿」というワードを出すだけで、どこをケアしたいのかがいくつも浮かんできますよね。
特にネットショッピングなんかはわかりやすいですが、
何か新しい化粧品買おうかな…と色々探す際、
スキンケア、ヘアケア、ボディケア、メイク関係など大きくカテゴリー分けされ、
欲しいアイテムが探しやすいようになっていますよね。
それだけ特定の部位をケアすることに特化したアイテムが、
世の中にたくさん生み出されているのだなということが分かります。
私はケアしたい所によって、それに合わせたアイテムを使用したい派なのですが、
ユーザーの方によっては、オールインワンゲルやリンスインシャンプーなど、
一つのアイテムで何役もこなしてくれるようなアイテムの方が手早くケアできて好き。
という方もいらっしゃいますよね。
これらのアイテムは非常に便利ですので、ニーズがあるのもうなずけます。
しかし、最も効果があるのはそれぞれの部位に合わせたケアアイテムを使用すること。
これに限ります。
なぜかと言いますと、部位によって皮膚の機能や構造が異なるからなんですよね。
つまり、私達化粧品技術者はそのこともしっかり知った上で化粧品開発を行っていく必要があります。
その中で個人的に知識不足だなと思ったのが、唇についてです。
よく観察してみれば、皮膚と唇って見た目が全然違いますよね。
皮膚は肌色で毛穴があるけど、唇は赤い色をしていて毛穴もない…。
同じ顔にあるパーツなのに、ここまで違うのも面白いですよね。
〇唇について〇
では、そんな唇について色々調べましたので、早速まとめていきたいと思います。
①唇の色が赤いのは人間だけ!?
唇は非常に角層が薄い為、肌の皮膚に比べて透明度が高いのだそうです。
そこに多くの毛細血管があるため、血液が透けて唇の色に反映されているのだとか。
唇の赤は血液の色だったのですね。
つまり、寒いときや具合が悪いときに唇が真っ青になるのは、血の巡りが悪くなり、
それがダイレクトに唇に現れていたからということなのですね。
②感覚が研ぎ澄まされている
温度や質感を感じる感覚神経が、手のひらの次に発達している為、
非常に敏感なパーツとも言われています。
③非常に乾燥しやすい
唇は非常に角層が薄いことから、皮脂腺が少なく汗腺もありません。
つまり、皮膚に比べてうるおいを守るバリア機能が低い為、水分がどんどん蒸発してしまいやすい構造をしています。
乾燥のスピードは、なんと頬の5倍とも言われています。
④ターンオーバーが短い
皮膚のターンオーバーは約28日と言われているのは有名ですが、
なんと唇のターンオーバーは約3.5日と非常に短いです。
そのため、様々な刺激に反応するとすぐに荒れ、あっという間に皮むけを引き起こしてしまいます。
それに伴って回復も皮膚より断然早いというところが非常に面白いです。
また、ターンオーバー(代謝)が活発な若い人ほど、皮むけや乾燥に悩む人が多いそうです。
ターンオーバーについては美里先生のブログが非常に面白いので是非!
フケも出なくなる”お年頃” | コスメあら!?カルト?? (cosmetic-web.jp)
⑤紫外線に弱い
角層が非常に薄いということは、メラニン色素も少ないということになります。
皮膚は紫外線ダメージから肌を守るために、メラニンを生成しますが、
メラニン色素の少ない唇はその防御機能が小さい為、紫外線に当たりすぎてしまうと荒れる原因になります。
<参考HP>
化粧品用語集 | ライブラリー | 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com)
〇唇の機能&構造を踏まえて〇
唇について色々と知ることができましたので、今度は実際リップケアアイテムを開発するとなった時、どこを重要視するべきなのでしょうか?
それについて個人的な見解をまとめていきます。
①テクスチャー
感覚神経が発達している唇は、非常に繊細だと思いますので、
心地よいテクスチャーを目指した開発が重要なのではないかなと思いました。
②保湿力
唇は皮脂腺や汗腺が発達していない分、水分が蒸発していかないように隠ぺい力の高い濃厚なしっとり感を追求する必要がありますね。
③紫外線対策
紫外線からの影響を受けやすいということでしたので、やはりUV対策がされているとより安心なのだなと感じました。
UV対策がされたリップが多く販売されている理由も納得です。
唇の機能と構造を知ると、スキンケアとリップケアのアイテムはそれぞれ異なるコンセプトで処方設計を行う必要があるなということを学びました。
今回のケースのように、使用する部位のことを知り尽くしていないと本当の化粧品開発はできないなと思ったいろはね研究員なのでした。
最後までお読みいただきありがとうございます!↓
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