新米コスメ技術者のドタバタ奮闘記

一人前のコスメ技術者を目指すいろはね研究員のリアルな日常をお届け

界面活性剤の働き!

 

皆さんこんにちは!

最近とても乾燥してきましたね…

さらに毎日マスクをしているからなのか、お肌の調子がとてもイマイチないろはねです…

そんないろはねはある日こんな情報を入手しました!

化粧品業界ではとても話題になっているのではないでしょうか…?

それは、資生堂さんの「マキアージュ」からマスクに色移りしにくいBBクリームが発売するとのこと!

「マキアージュ」がマスクに色移りしにくいBBクリームを発売、資生堂の新技術を採用

このアイテムには、水や汗に強い性質を持つ疎水化処理粉末を油や界面活性剤に頼らず水に分散するという世界初の新技術が搭載されているとのこと!

疎水化処理されているのに、水にどうやって分散するのー!?

分離せずにどうやって安定化させてるのー!?

はてながいっぱいになりました(笑)

とにかくこれは買わなければ…!と思ったいろはね研究員は、この新技術を見てふと界面活性剤のお勉強をしたときのことを思い出しました。

界面活性剤って、水と油を繋ぎとめる働きを持つというのは皆さんもよくご存じかと思います。

しかーし!実はそれ以外にもとっても重要な働きを担っているのです!

それについて今回は復習も兼ねてまとめていきたいと思います!

界面活性剤は「乳化」の他にどのような働きを持つのでしょうか!

 

①気泡

これは以前ブログに書きました!

sawayaka0302.hatenablog.com

界面活性剤が泡の膜に並び、気液界面を強化してくれるのと、

表面張力を弱めてくれるおかげで、泡が壊れにくくなるというお話でしたね!

 

②洗浄

洗剤を例に挙げましょう!

お皿に付着した頑固な油汚れや、洋服に付着した汗や皮脂などの汚れは、

もちろん水だけでは簡単に落とすことはできません。

そこで!界面活性剤の性質を利用するのです!

洗浄のイメージはこんな感じです!↓

f:id:sawayaka0302:20201106195059p:plain

界面活性剤による洗浄のイメージ図

お借りしたイメージ図:日本石鹸洗剤工業会 石けん洗剤知識 洗濯

界面活性剤は、親水基と疎水基を持つ特殊な構造をしていましたよね!

この疎水基部分が油汚れを取り囲むようにどんどん付着していきます!

最後には完全に油汚れを包み込むことで、洗浄することができるのです!

 

③溶解

乳液やクリームに配合されている界面活性剤は、乳化させるために配合されているのですが、

化粧水にも界面活性剤が配合されていることがあるのです!

化粧水は水ベースだし、乳化ではないよね…?と思いますよね!

化粧水には、香料や保湿効果を付与するための油性成分を配合する場合があります!

それらを「可溶化」させるために界面活性剤が必要になるのです!

例えば、砂糖は水に入れると溶けてなくなりますよね。

あれは砂糖自体が水に溶けやすい性質であるため、水と一体化したという意味合いになります!

対して香料などの油性成分はどうでしょうか?

油は性質上、水と一体化しないのは皆さんももうお分かりのはず!

そこへ界面活性剤が入ると、界面活性剤の疎水基部分と油性成分が一体化するため、水と一体化しない油性成分でも溶解させることが可能になるのです!

f:id:sawayaka0302:20201107081924p:plain

疎水基部分と油性成分が一体化!

そして、界面活性剤はミセルと呼ばれる球状の集合体を形成し、完全に油性成分を包み込んでしまいます!

      f:id:sawayaka0302:20201107083859p:plain

このように、水に溶けないはずの油性成分が溶け、しかも透明になって混ざる現象のことを「可溶化」と言うのです!

 

④分散

これが先程お話しした資生堂さんのBBクリームのお話にも繋がりますね。

界面活性剤は、メイクや日焼け止めに使用される粉体成分や色素などの個体状成分がダマにならないよう、均一に分散させる働きも持っています!

このような固形粒子を界面活性剤で表面処理することによって、界面活性剤が反発し合い、凝集しにくくなるのです!

さらにこの表面処理は、汗や水で簡単に落ちてしまわないように、疎水化処理を施されているものが多く、これにも油や界面活性剤が必要不可欠になります!

その常識を資生堂さんの新技術は見事に打ち破ったということですね…!

こうして改めてまとめると早く使ってみたくなります!

発売が待ち遠しいです!

 

ということで、代表的な界面活性剤の働きは以上でしょうか!

もちろんこれだけではなく、他にも界面活性剤には色々な働きがあります!

これだけの力を持つ界面活性剤の登場があったからこそ、

今非常に幅広い化粧品アイテムが流通するようになったのだなと思いました!

しかし資生堂さんの「界面活性剤に頼らない」というこのワード…

とんでもない技術だ…と私は思います。

界面活性剤が欠かせないこの業界で、あえて界面活性剤を使わず頼らず、従来のアイテムに近いもの、ましてやそれよりも良いものを生み出す…!

簡単には真似できない非常に高度な技術なのだなということを思い知ったいろはね研究員なのでした。

 

いろはね研究員の師匠こと美里康人先生の専門的でためになるブログと、そのアシスタントゆっきーさんのブログもぜひご覧ください!↓

cosmetic-web.jp

cosmetic-web.jp

化粧品のOEM依頼等はぜひこちらへ!

es-cosme.com

最後までお読みいただきありがとうございます!

ブログランキングにも参加しています!

下のバナーをクリックしてくださると嬉しいです!


スキンケアランキング

にほんブログ村 美容ブログへ
にほんブログ村